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【完結】転生ニートは迷宮王  作者: 三黒
第8章

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233 方策

「――解呪(ディスペル)

 

 だんだん痛くなくなってきた。俺が慣れたのか、レルアが上手くなってきたのか、痛覚耐性EXみたいなのでも獲得したか。

 

「――治癒(ヒール)

 

 何回かに一回、こうして治癒(ヒール)を挟んでもらってる。まさか腫れてくるとは思わなかったね。俺の腕の中、一体どうなっちゃってるの〜!?

 

「――解呪(ディスペル)」  

 

 バコッ、と跳ねる腕。ほぼ痛みがないのが逆に怖い。試しに掌に意識を集中させてみると、ちゃんと動いた。ので、神経とかが全部死んでるわけでもないと思うんだが……。

 こうしてると毒風呂に入ったのを思い出すな。状態異常風呂だったか。もう二度とやりたくない。

 

「――解呪(ディスペル)」 

 

 また腕が跳ねる。軽くホラーだぜ。レルアが押さえてくれてるってのにこの跳ね方だ。元気すぎるぞ俺。

 

 さて……解呪(ディスペル)の方は順調だからいいとして、問題はその後だ。

 ただ取り除いただけで迷宮の管理権限が戻ってくるわけじゃない。シルヴァとかラティスとかに聞きはしたが、迷宮のシステム側の諸々はあいつらじゃ変えられないらしい。

 つまり、自力で何とかしないとならないわけなんだが……先手を打たれたのが本当に痛いな。共同管理者になってすぐなら、まだやりようもあったかもしれないが。今はもう完全に向こうの方がシステム的に上にいるし、これを覆すのは難しい。

 やっぱり何とかして殺すしかないのか。だが殺すどころかこのままだと返り討ちに遭いかねない。

 あんな強いのに管理権限まで持ってくとはね。許せねえ。完全勝利でも狙ってんのか。

 

「――解呪(ディスペル)治癒(ヒール)。これで全て取り除けました。お疲れ様です」 

「おお、ありがとな」

 

 とりあえず腕をぐるぐる回してみる。いい感じだ。

 

「違和感などございまぜんか?」 

「全然。むしろ前より元気なくらいだ、助かったぜ」 

 

 レルアが微笑む。かわいいね。

 

「お役に立てて何よりです。他にすべきことなどは……?」 

「今は大丈夫だ。とりあえずこの階層内で休んどいてくれるか」

「了解しました」  

  

 レルアもメイン戦力だからな。できればレルアとか俺とかが出る前に片付いてほしいとこではある。 

 ああ、この階層内でとは言ったが、どの道今は移動できないか。思ったより不便だな。最近は迷宮街に直接足を運ぶことも多い。逆に向こうを任せてるゴーストがこっちに来たりもする。念話じゃ足りないときとか。

 あんまり長期戦になると余計に厄介事が増えそうだ。一般探索者は普通にいるわけだし。

 そうだ、殺さなくてもお帰りいただけばいいんじゃないか? 魔物の新規配置は……

 

『エラー。配置権限がありません』 

 

 無理か。まあまあ、これは想定済みだ。既にいる魔物への干渉は?

 

『可能です。対象を選択してください』 

 

 よっし、いいぞ。試験的に設置した自動人形(オートマタ)を選択。本来なら探索者の誰かに化けさせるつもりだったが、こいつにはあのレイレスとかいう奴になってもらう。

 ……いや、その親父の方がいいのか? 正確には魔王は親父の方だったはずだ。だがあの温厚そうなおっさんをわざわざ追ってくるかね。

 自動人形(オートマタ)は一体だけだ。俺は直感を信じるぜ。

 

『変化先、個体名:レイレス。実行します』 

 

 デッサン人形みたいだった自動人形(オートマタ)は、あっという間にレイレスに変化した。

 

(ええと、自動人形(オートマタ)。聞こえるか) 

(はい。聞こえます、マスター) 

 

 うお、レイレスのあの声。それで敬語なのなんか気持ち悪いな。

 

(口調とか表情とか、変化先に合わせるとかは?)

(可能です。……これでいいか? なあ?) 

(あ、ああ、それでいい)

 

 思ったより寄せてくるじゃんよ。もうとっくに治った傷口が痛みやがるぜ。 

 

(じゃあ、俺が今から指定するポイントに移動してくれ。暫くしたら勇者が来るから、全力で一戦頼む) 

(てめーに従うのは癪だが、仕方ねえ) 

  

 人格まで再現してるのか。いや再現してたら多分従わないよな。コンカフェ的なアレなのか?

 まあ何はともあれ、これでひとまず様子見だろう。マコトの目的が魔王討伐ならあいつを殺して満足するはずだし、そうじゃなくてもかなり力は使わせられるはずだ。なんなら逆に殺しちゃってもいい。……流石に高望みしすぎか。

 レイレスを模してはいるが、使う術のレベルはあそこまで高くない。強制の術も使えないだろうし、そもそもマコトに効くか怪しいな。あいつも強制使ってたし。

 てか、蘇ったシエルとエリッツはどうなんだろうな。自動人形(オートマタ)と同じく弱体化してくれてるといいんだが。

 あいつらが今どこにいるのかは見れるのかね。

 

『可能です。周囲の映像を映し出します』 

 

 よしいいぞ。ここも奪われてたら厳しかったが、様子が見れるのはデカい。

 

「やあーっ!」

 

 先頭のシエルが斬り掛かるのは、五角錐の宙に浮いた……ロボット魔物。なんちゃらエーターみたいな名前があった気がするが、数字とローマ字が多くてよく覚えてない。エータで。この辺だと一番弱いやつだな。

 

「いくよ、まーくん!」  

「うん、合わせるよ――」 

 

 一行は近未来風の景色に特に驚くこともなく――いや見逃しただけかもしれないが――かなりの速度で攻略を進めていた。

 この全部真っ白なのは地下86か87階だな。罠も魔物も少ない代わりに、迷路度が高い。全部真っ白でただでさえ分かりづらいのに同じような部分を何ヶ所も用意してあるし、マークとか残してもすぐ消える。これは自動修復機能の応用だな。

 

「「――白輝斬!」」 

 

 わざわざやった合体技の割には、そこまで強力さを感じない。エリッツはともかくマコトの太刀筋に素人臭さが残ってる。さっきまでは上手く扱えてたのにな。今のはハッキリ言って俺以下だ。

 つーか、リョーガとシエルがやってたやつじゃねえか。思いつきで真似しようとしたのか知らないが、そりゃ無理だろ。そういうとこ相変わらずだな。

 ま、それでもエータは全滅したわけだが。エリッツはちゃんと強いように見える。シエルは分からないが、こっちも元とあんまり変わらなくないか? それはまずいぞ。頼むからリョーガだけは蘇らせんといてくださいよ。

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