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口が裂けたって言えやしない2
「それでこの箱は?」
手のひらの上に置かれた銀色の箱を桐山に差し出して尋ねる美智香。
「そうだった。そうだった。忘れるところだった。その銀色の箱はブレインキューブ。空間転移装置なんだ。」
「空間転移って・・・まさかワープ!?」
桐山の発言に動揺を隠せない美智香。思わず銀色の箱を落としてしまう。
「おっと。」
桐山はそれを拾い上げ、美智香の手のひらの上にに戻して続ける。
「危ない危ない。結構精密機械だから衝撃には少し弱いんだ。で、使い方は簡単。それを手に持ったまま、行きたい場所を思い浮かべる。例えば、神田の家に行きたいなら神田の家を思い浮かべるとか。」