地下へ続く階段の先4
「は・・はぁ・・」
桐山の問いに呆れ顔で答える美智香。それもそのはず。美智香のような一般人からすればこの状況を理解すること自体難しいはずだ。
「あー!何言ってんのこいつって顔してるね。僕は嘘はついてないよ。現に何件か依頼が来たことだってあるんだし!」
「依頼来たの?わざわざこんなところに?」
その一言が桐山の怒りを買ってしまった。桐山は身を乗り上げて言った。
「こんなところって・・僕だって結構人の役に立ってるんだよ!失礼しちゃうな!もう・・!」
しかし、桐山自体の体格があまり大きくなく、顔もそこまで怖くないため、迫力にかけていた。
「ヘェ〜。それで何件くらい依頼が来たの?」
「うっ!う〜んと・・・」
すると、桐山は俯いたまま、少しの間動かなくなったが、意を決したのか少しずつ口を開いた。
「1・・1件だけ・・」
「1件だけなの⁉︎」
1件だけと言う言葉に笑いを隠せない美智香。思わず笑いがこみ上げてきた。その笑い方に怒り心頭の桐山。
「笑うなよ!!こっちだってホントは言いたくなかったんだから!」
怒山に対しての笑智香。両者はとても対照的だった。
「ごめんごめん!で、どんな依頼が来たの?猫探してとか?」
「猫探し?そんなわけないじゃん。ここは超常現象調査事務所だよ。そんな簡単な依頼受けてどうするのさ?」
さも何馬鹿なこと言ってるのと言いたいような目で美智香で見つめる桐山。
「? どういうこと?」
その瞳に思わず頭に?を浮かばせる美智香。
「そうだね。この話をする前に一つ神田に聞いておきたいことがあるんだけど」
桐山は口調を変え、真剣な顔つきで聞く。その表情に少々恐怖を覚える美智香。
「何?」
「君は都市伝説は本当に存在しているって言ったら信じるかい?」