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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
日本蹂躙編
8/52

戦闘準備編2

「て、てっちゃん⁉︎」


そこにいたのは幼馴染のてっちゃんこと河合哲也だった。

彼とは家が近所で幼稚園、小学校、中学校と同じで仲良く遊んでいたのだが、高校が違ってからは久しく会っていなかった。他に何か説明する事があったような……。


「りょうちゃん‼︎」

向こうもこんなとこで出会ったことに驚いているようだった。

「りょうちゃん、無事だったんだ!今日はビックリしたよ。急に警報がなって避難することになって。」

「うん、僕も今逃げてきたところだったんだ。」

それから今日の自分が体験してきたことを話した。

「りょうちゃん大変だったんだ。僕も怖かったけどそれ以上にね……。」

その後てっちゃんの話を聞いたがてっちゃんは直接カルダノたちには遭遇ていないようだった。

「てっちゃん、うちの母さんがどこいるか知ってる?」

本来聞くべきだったことを聞いてみる。

「うーん、僕は会ってないよ。ここは広いからいるかどうかも分からないよ。」

「そっか、ありがとう!僕は明日から会えなくなっちゃうかも知れないけど元気でね!」

「え、どこかに行っちゃうの?」

「うん、僕の友達が変な発言をしたせいで、明日の朝8時に集合がかかってるんだ。それからカルダノ達と戦うことになるんだ。」

金作が頭をよぎる。

(あいつめ、この戦いが終わったら食いもん奢らせてやる!)

「あのさ、僕も行っていいかな?」

「え、あー、てっちゃんはここにいた方がいいと思うよ。僕も本当は戦いたくないんだし」

これ以上他人に迷惑をかけられない。

「僕だってこの戦いを終わらせたいんだ!ここにいる子供達をりょうちゃん見た?すごく怖がっている。」

まだ子供達は見ていないが、急に連れてこられているんだから怖い事だろう。

「それに、りょうちゃん忘れたの?」

(ん?)

ここで彼の本当の姿を思い出した。


「僕はどこの情報でも手に入れることができるんだよ!」


これだ、思い出したかったのは。彼の紹介のとき言いたかったのは、彼が中学二年だったとき当時、世界最難関の防衛と言われた、ウイルス対策ソフトを難なく、そして大会に参加した誰よりも早く潜り抜けたハッカーだった、という事だ。

参加者は世界各国から集まった選りすぐりのメンバーだったと聞いている。そんな中突破したというのは世界的に取り上げられたらしい。

「情報は多い方が役に立つと思うよ!まだWiFiが繋がっているみたいだし。」

確かにこの地域だけの情報より様々な国の情報を手に入れられている方が有利だろう。

「わかったよ、じゃあ明日朝8時にこの建物の前のところにきて!そこでみんなに聞いてみるよ。」

「ありがとう!」

また一人巻き込んじゃったな、と思いつつ彼と別れ、寝るのに空いている場所を探す。

母親の場所は分からなかったからとりあえず一番近くの眠れる場所に行った。そこは多くの人がいてこんなにも人が逃げてきたのか、と思うとカルダノ達と戦う事が嫌だった自分が情けなく思えてきた。

係りの人からタオルケットとジャケットをもらい空いているスペースで横になる。

(今日は何が何だか分からない1日だったなぁ)

疲れからかすぐに瞼が重くなった。



『あと一人、あいつを倒せばこの大会で優勝だ!』

《茂みの中をそっと歩く。建物の中には居ないからこの森の中にあいつは居るだろう。》

『いた‼︎』

《あいつはほんの少し先の所をゆっくりと歩いている。向こう側を向いていた。》

『よし!』

《俺の武器は三点バーストの銃だ。ダメージと相手のHPからして3回当てればいい。》

『これで終わりだ!』

《ダダダッ、ダダダッ、ダダダッ‼︎》

《弾は全弾当たったように見えた。だがあいつは死んでおらずジャンプしてこちらの狙いをずらし、逆に俺に照準を合わせ高レート銃でHPを瞬く間にゼロにした。

試合終了の文字が現れ、画面はこのゲームの勝者の名を表示する。》

「バッッッ!」

目が覚めた。まだ時計は6時を指していた。周りにいる人は飛び起きた俺を注目している。

あれは2年前に初めて世界2位になった時の夢だった。

(なんで今になって……)



朝食として配られたのは冷凍のご飯と味噌汁だった。食料難の戦争中って感じだ。

「おかーさーん、ご飯これだけ〜?」

という声が聞こえてきた。そこにはまだ小学校5年生くらいの男の子がいた。育ち盛りだし確かにこれだけじゃ足りないよな。仕方ない、

「ねぇ君、これ半分あげるよ。」

ご飯を半分分ける。

「あ、あのあなたはいいんですか?」

その子の母親が尋ねてくる。

「いいですよ、僕よりもその子の方が将来が長いですし」

そう笑って集合地点に向かう。

「おにーちゃーん!」

振り返るとその子が手を振っていた。

「ありがとおぉぉ!」


集合地点に着くとそこにはもうみんな集まっていた。てっちゃんの事をみんなに話すと快諾を得た。

「貴様らか、死にに行きたいと言ったのは!」

そこには女の人が仁王立ちしていた。

「私はこの隊、貴様らの隊の隊長を務める梅宮沙織だ」

髪の長い綺麗な人だった。目と口はキツイ人だが……。

「その命を他人のために賭ける事の出来るものだけ付いて来い!」

彼女はそう言い俺たちに背を向けて歩き出す。それについて俺らも歩く。

(いよいよか……)

反撃の時が……始まる‼︎



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