表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
日本蹂躙編
11/52

安全確保編3

高校に近づくにすれカルダノ達が見えてきた。倒しながら向かいたかったが、少し奥にも見えていたので迂闊に手を出すことはしなかった。

遠回りをして向かおうとしたがその道にもカルダノ達が徘徊していた。

「この道もダメか……」

奥には敵が見える。

おかしい、うちの高校に落ちたのはおよそ三つの物体のみだったはずだ。こんなにカルダノ達が入れるわけがない。

「どこかの家にに入ってそこから見てみましょう。」

隊員の一人が沙織さんにアドバイスする。

「そうしよう。」

少し離れた鍵の開いた家を探し中に入り、階段を上がっていった。恐らくこの家の人たちは近くにあいつらが落ちて無我夢中で逃げたのだろう。玄関の明かりはついたままだった。その家の二階からは高校を見ることができた。

「嘘だろ……」

高校の校庭には巨大な球状の物体があった。

「おいなんか出てくるぞ!」

双眼鏡で見ている隊員が報告する。

双眼鏡は沙織さんに渡った後、おれに来て覗いてみた。すると、カルダノ達が増えている理由が分かった。

「おのれ、あのデカブツからカルダノを出しているのか。」

球状の物体の下の方にはいくつもの穴が開いておりそこから出てきていた。

「何なんですか、あれ?」

「カルダノ達を転送してきている装置なのかもしれない。」

そう言っている今もどんどん出てきている。

「こりゃ、近づけないわけだ……よし、一旦引いて本部に連絡するぞ。」

すぐに階段を下り、ドアを開ける。いや、正確には開けようとした。

開けなかったのは龍神が、

「待て!」

と言ったからだ。

「外になんかいる気配がする。」

そう言われてドアについている穴から外をみた。

「か、囲まれています!」

数は13体程で皆こちらに武器の照準を合わせている。

「沙織さん、どうします?」

「はぁぁ仕方ないか、龍神、頼んでいいか?」

沙織さんは、申し訳なさそうに龍神に告げる。出来るだけ使いたくなかったんだろう。

「あぁ。」

「すまんな。」

「構わん。」

相変わらず龍神は、沙織さんより年下のはずなのに口調に敬語を使わない。奴の辞書に敬うという言葉は存在しないのか?

沙織さんの命令で龍神は二階からは攻撃しその間にドアから俺たちが逃げることになった。

「沙織さん、龍神はどうするんです?」

龍神が逃げ遅れてはこれからの戦いが大変になる。

「あいつには二階からは直接外に下りてもらうよ。」

「は?」

まじですかこの人、無茶苦茶だなぁ。二階だからいけないこともないだろうが、それでも足を怪我されては連れて帰る時に大変になる。

「心配するな、あいつはお前より運動神経は良いぞ。」

ははは、と笑いながらドアで構える。

この人の家族はみんな大変だなぁ、そんなことを思いつつ、自分自身も構える。

「ドォォォォン‼︎」

ドアの向こうから爆音が響く。

その瞬間に沙織さんはドアを開け、

「走れ‼︎」

そう叫んだ。

二つの轟音に気圧されつつも何とか足を動かし、走る。

(ここから逃げるのも二回目か……)

そう思いながら俺たちは、暗闇に消える様に逃げていった。


「沙織隊長‼︎」

始め、ヘリで着陸した地点に到着し二班と合流した途端、副隊長の真壁さんが沙織さんに寄ってきた。

「お怪我は⁉︎」

「大丈夫だ、そっちは何かあったか?」

そんな会話をしている中、俺はみんなを見つけホッとした。

(あぁ、大きな荷物も一緒に来たのか、よかよか……)

「「ハァァァ⁉︎」」

沙織さんと俺の声が被った。

なんだあの大きな荷物⁇だいたい二班は俺らが通った道をさらに細かく詮索していっているはずだったのに、なんでこんな物が?

「おいどうした真壁‼︎」

「実はですね……」

「あ、りょうちゃん生きてたんだ〜良かったー。ん、どうかした?あぁこれか、これは……」

てっちゃんが出てきた。

「「何してんだよ⁉︎」」

またまた沙織さんと被った。

「え、これどうしたの?どこで?なんで?」

「りょうちゃん落ち着いて落ち着いて。血圧が上がると頭の回転が悪くなるよ〜。はいお水。」

てっちゃんは落ち着いた口調で話しかけ、そして理由を述べた。

「僕だってなんの機械もなしに情報を手に入れられるわけじゃないんだよ。あそこの避難所に持って行ったのはタブレットだけだったしね。あれじゃ大したことはできないのさ。だから今回は一緒に来て、この超ハイスペックPCを持ってきたのだ。ちなみにね、このPCは6TBの……」

自慢げにその性能を語り出すてっちゃんを前に、俺と沙織さんは目と口を大きく開けたまましばらく動けなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ