第4夜
〜願い〜
鳥になりたい
翼を広げて
ずっと遠くに飛んで行きたい
悩みなんて
悲しみなんて
どこにもない
広い空を
いつまでも
飛び続けていたい
あの人のもとへ
今すぐにでも
飛んで行きたい
〜無題〜
深い深い海の底に立ち
海面を見上げる
水面に反射する太陽が眩しくて
不意に目を細める
吐き出す空気の玉が
ゆらゆらと舞いながら
上へ上へと上昇する
頭上をマンタが優雅に舞い
通り過ぎていく
蒼い世界に抱かれて
静寂の深海に包まれ
この世の中も
まんざらではないな…と
一人思う
〜無題〜
自由に憧れたり
何もかもを忘れて
はじめからやり直せたら
どんなに楽だろう…
なんて考えてみたり
でもそれができないから
苦しくて…
また傷つくのがわかっていても
誰かを信じてしまう
それだって自由なんだってことにさえ
気付かずに…
僕はもう十分自由なんだって事すら
忘れている
〜ホームに立って〜
ねぇ
誰が想像したと思う?
まさかあの駅で
向かいのホームに立ってるのが君だなんて
考えもしなかったことなんだよ
ねぇ
僕が考えていたと思う?
まさかあそこの駅に
君がいることなんて
信じられない出来事だったよ
〜無題〜
居なくなってから
気付くなんて…本当最低
あなたが居なくても
十分一人でやっていけるって思ってた
あなたなんて居なくても
私は一人で生きていけると思ってたし
すぐに違う誰かを好きになるって思ってた
でも
あなたが居なければ
私はどうしていいのかわからないんだって
今になってわかった
他の誰かじゃ駄目なんだって
今になってやっとわかった
もう
遅いんだけどね…
あなたでいい
じゃなくて
あなたがいい
もう
遅すぎるんだけどね…