天才魔法使いの苦悩
初の短編小説です。
えぇ、クオリティの無さはわかっていますとも。
短編って難しいですね。。。
「すげぇ! やっぱり、レイラさんは半端ないっすよ!!」
そんな声を皮切りにあちこちで賞賛の声があがる。やがて、それはウェーブのように広まっていき賞賛声とともに盛大な拍手が送られた。
私は、そんな光景を一瞥すると静かにお辞儀をする。すると、それを見た人間からは更に熱い声援が送られてくる。
それを鬱陶しいと思いつつも私はそれを表情に出さずに、笑顔で受け応える。
《天才魔法使いレイラ》。
いつから、こんな名前が付いたのだろうか。気がつけば、私はそんな名前で呼ばれていて。周囲の人々は私を尊敬の眼差しで見つめてきた。
もちろん、人に尊敬されるのに悪い気はしなかった。呼ばれ始めた頃は、皆が私をまるで異国から来た者みたいに好奇の目で見つめていた。その人たちの心情は分からなかったが、恐らくはこんな女が天才魔法使い? と嘲笑の意を込めていたのだろう。
中には、面と向かって失礼な発言をしてくる者もいた。私はそんな時、決まって相手を見返すために高度な魔法を使って見せた。
そうすれば、大抵の者はそのまま口をつぐむしかないからだ。そして、周囲の人に流されるようにして賞賛してくる。
良い気分だった。高度な魔法を使えるという事でも、周囲の人々が私を褒めたからという事でもない。只、自分に酔っていただけだったのだ。
自分は、こんなにも凄い魔法が使える。他人よりも秀でている。そうやって他人を見下して。自分は特別な存在なんだって思っていた。
でも、違った。
私の弟は重い病気にかかっている。ただの病気なら治癒魔法を使って直す事が出来る。もちろん、私もそう思って弟に治癒魔法を使った。
直るはずだった。私は、弟と一緒に行くと約束していたピクニックの計画を頭の中で考えながら、弟に治癒魔法をかけた。すぐに直るからね。そう言って、私は弟に優しく話しかけた。でも、弟の病気が治ることは無くて。
ただ、混乱していた。弟も私も何が何なのか分からないという気持ちで。
どんな、治癒魔法を使っても弟の病状は一向に良くならなかった。それどころか、維持せずにどんどん悪くなっていく。いよいよ焦った私は、ありとあらゆる魔道学の本を読み漁り思いつく限りの治癒魔法を弟にかけた。
――――結局、結果は変わらず。
弟は今も、病気ぼ床に臥せたままだった。病状も進行していき、身体はほっそりと痩せ細っていた。日に日に元気が無くなっていくのが、眼に取るように分かる。
眼を背けたい。そんな衝動に駆られた。でも、そこまでいって私は一つの間違いを見つけた。
私は、秀でてなんかいない。他の人と変わらない。神でも、天才でも何でもなかった。私はただ自己満足に浸ってただけなんだって。
でも、私は諦めない。
弟をまた元気にするために。
私は、最後に大声で言い放つ。
「では、これが最後の魔法です。私が独学で作り上げた秘密の魔法」
そんな言葉に人々がどよめきを上げる。
私は、一呼吸置くと、呪文の詠唱を始めた。
「レイ・ライ・ロクバス・サ・レント……」
「――――ミラクル・ラブ」
真っ青な空に、眩い光が広がっていく。それはまさに、愛を詰め込んだような儚いけど一瞬の奇跡を見出すような。そんな光。
――いつか弟にも見せてあげたいな。
そんな思いを胸に抱きながら。私は眩いばかりの光の中に溶け込むようにして消えていった――。
本当に拙い文章ですいません、
時間は返せません。。。石を投げないで下さい。。。。。