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大阪人(山口弁)

作者: 史町
掲載日:2026/05/12

縛り:800文字まで


方言は山口県に染まったけど、それでも大阪人のアイデンティティーを失いたくない少女。


そんな子となぜか高校生初の文化祭で漫才をすることになり。


「明日は文化祭やなー」

「そうだね、初めての高校の文化祭、楽しみだね」

「高校? 中学校やなくて?」

「…え?」


「いや、突っ込めや」

と言われ背中を叩かれる。

頭じゃない所に優しさを感じる。けど、それなりに強くてやっぱり痛い。


まあ、背が小さな少女(同級生)だからいいんだけど。


「頼むよ、ツッコミ担当。ウチのビートたけしみたいな鋭いボケを返してくれんと」

「えー…」


はあ。

なんで僕が、高校生初の文化祭で漫才を。



「やっぱりやめない? 僕が漫才なんてムリあるよ」

「いやじゃ! 大阪人のアイデンティティーを失いたくない! ウチは山口県にいても大阪人なほ!」


大阪人のアイデンティティー、お笑いね。

まあ、確かにお笑いが好きっていうイメージがあるけど。大阪人のおばちゃんとか。


「なんで僕」

「優しそうな奴が鋭くツッコミ、ギャップっちゃ」


今月、5月に大阪から転校。自己紹介のときには既にここ、山口県に染まっていた、という。漫才中は大阪だけど。

僕はあんまりつかわないけどね、産まれたときから山口民だけど。


「深夜まで練習するけえね、ウチの部屋やから」

「いや、僕の家」

「勢い、鋭さ、速さが足りん!」

…、速さいる?


漫才なんて全く分かんないのに、テレビも全く観ないし。




「ふう。

お風呂はやっぱり落ち着く。

唯一の癒し…」


自分の家だからすぐに風呂に入れる。


「深夜の風呂か」

初めてだな。


そして、明日は高校生初めての文化祭で、初めての漫才なんだけど。


ハハハ、笑えねー。

プレッシャーで軽く死ねる。


「今日どうするんだろ、あの子。深夜だから泊まるのかな」


すると、窓越しに声が。


「転校したばっかりやから、なんかウチの家がウチの家じゃないみたいやな」


何やら脱ぐ音。


!?


「ちょっ」

「風呂入ろっと」


無情にも開く窓。

そこには同級生の可愛らしい少女の裸が。




「…」

「…」

「…」

「…」


「ウチの家やなかったんかー、ヘタこいた」

「ボケなくていいから…!」


恥ずかしさで死にそうになった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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