大阪人(山口弁)
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方言は山口県に染まったけど、それでも大阪人のアイデンティティーを失いたくない少女。
そんな子となぜか高校生初の文化祭で漫才をすることになり。
「明日は文化祭やなー」
「そうだね、初めての高校の文化祭、楽しみだね」
「高校? 中学校やなくて?」
「…え?」
「いや、突っ込めや」
と言われ背中を叩かれる。
頭じゃない所に優しさを感じる。けど、それなりに強くてやっぱり痛い。
まあ、背が小さな少女(同級生)だからいいんだけど。
「頼むよ、ツッコミ担当。ウチのビートたけしみたいな鋭いボケを返してくれんと」
「えー…」
はあ。
なんで僕が、高校生初の文化祭で漫才を。
「やっぱりやめない? 僕が漫才なんてムリあるよ」
「いやじゃ! 大阪人のアイデンティティーを失いたくない! ウチは山口県にいても大阪人なほ!」
大阪人のアイデンティティー、お笑いね。
まあ、確かにお笑いが好きっていうイメージがあるけど。大阪人のおばちゃんとか。
「なんで僕」
「優しそうな奴が鋭くツッコミ、ギャップっちゃ」
今月、5月に大阪から転校。自己紹介のときには既にここ、山口県に染まっていた、という。漫才中は大阪だけど。
僕はあんまりつかわないけどね、産まれたときから山口民だけど。
「深夜まで練習するけえね、ウチの部屋やから」
「いや、僕の家」
「勢い、鋭さ、速さが足りん!」
…、速さいる?
漫才なんて全く分かんないのに、テレビも全く観ないし。
「ふう。
お風呂はやっぱり落ち着く。
唯一の癒し…」
自分の家だからすぐに風呂に入れる。
「深夜の風呂か」
初めてだな。
そして、明日は高校生初めての文化祭で、初めての漫才なんだけど。
ハハハ、笑えねー。
プレッシャーで軽く死ねる。
「今日どうするんだろ、あの子。深夜だから泊まるのかな」
すると、窓越しに声が。
「転校したばっかりやから、なんかウチの家がウチの家じゃないみたいやな」
何やら脱ぐ音。
!?
「ちょっ」
「風呂入ろっと」
無情にも開く窓。
そこには同級生の可愛らしい少女の裸が。
「…」
「…」
「…」
「…」
「ウチの家やなかったんかー、ヘタこいた」
「ボケなくていいから…!」
恥ずかしさで死にそうになった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




