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魂の枷、神々の介入と大いなる覚醒

世界を紅蓮に染め上げる、朱雀の美しくも絶望的な炎の奔流。その一羽ばたきが、俺の視界を真紅に染め上げ、全ての感覚を奪っていく。ミィィィ……と、まるで魂が抜け出るかのような甲高い音が耳の奥で響いたのを最後に、俺の意識は、深い、深い闇の中へと落ちていった――。


どれほどの時間が経ったのか、あるいは時間という概念すら存在しない場所なのか。

ただ、落ちていく。どこまでも、どこまでも、冷たくも温かくもない、絶対的な無の空間を。

(この感覚…どこかで…ああ、そうだ…)

思い出した。この感覚は、俺が最初の人生を終え、この異世界に転生する直前、あの何もない空間で『あの声』と対峙した時のものと全く同じだった。

あの時と同じように、周りには何もない。ただ、俺の意識だけが存在している。

すると、やはり、頭の中に直接、あの懐かしいような、それでいて荘厳な『声』が響いてきた。


挿絵(By みてみん)


『――も   、――』


『――もし  、――』


『――もしもし、貴方。聞こえていますか?』


声は、以前よりも僅かに鮮明に、そしてどこか緊迫感を帯びているように感じられた。どう返事をすればいいのか、そもそも声が出せるのかも分からない。俺はただ、意識の中で「聞こえている」と強く念じた。


『…ええ、大丈夫。貴方の意識がこちらに応答していることが確認できました』


声は安堵したような響きを含んでいた。俺は混乱しながらも、声の次の言葉を待つ。


『貴方が異世界に転生を果たす際、私たち…いえ、私の上位存在にあたる方々が、貴方の魂にある種の“違和感”を感じておられました。その違和感の正体を探るべく、このような形になってしまい大変申し訳ございませんが、貴方をこの【神の試練】と私たちが呼んでいる洞窟――いえ、遺跡へと導かせて頂きました』


(神の試練…? このダンジョンが?)


『はい。この遺跡は、かつて神を目指した者、あるいは神々に近しい存在が、自らの限界を超克するために用いた試練の場でした。あらゆる負荷が肉体を襲い、精神を苛み、魂を研磨する…そういう場所です。本来、貴方のような転生者がいきなり足を踏み入れるような場所ではありませんでした』


声の言葉は続く。


『そこで、私たちが感じていた違和感の根源を探らせていただいた結果…やはり、というべきか、貴方の魂の最も深い部分、その根幹に、貴方の前世の世界で機能していた「負の感情を収集するシステム」の一部が、未だに固く結びついていたのです。それは、本来あってはならない癒着でした』


(やっぱり、あの不幸吸引システムは、まだ俺に…)


『はい。ただ、貴方に転生時に与えさせていただいた【不屈の精神】と【ステータスALL-S】という特異な恩恵のおかげで、貴方はそのシステムが引き起こすはずだった多くの不幸を、無意識のうちに跳ね返しておられました。しかし、それでもなお、完全に影響を断ち切ることはできず、貴方の行動や判断、あるいは運命に、ところどころで負の影響を及ぼしていたようです。先の朱雀との戦いにおける絶望的なまでの相性の悪さも、あるいはその一端だったのかもしれません』


声は僅かに間を置いた。


『いまだ完全に断ち切ることができたわけではありません。ですが、今回、貴方が神獣との死闘を乗り越え、そして一度その魂が肉体から遊離しかけたことで、私たちに僅かな隙が生まれました。その結果、貴方の魂に絡みついていた負の感情システムの影響を、以前よりはっきりと切り離すことができました。そして、その際に貴方の魂の奥底に眠っていた、本来貴方が持っていたはずの力がいくつか“解放”されたようです。これらは、貴方のこれからの冒険の助けとなるでしょう』


(解放…された力?)


『また、負の感情システムそのものについてですが、私たちの前任者が遺した、あまりにも巧妙かつ悪質な罠が幾重にも施されているため、現時点では完全な切り離しには至っておりません。大変申し訳ないのですが、これについては引き続き、少しずつ改善を行ってまいります。その進捗をご報告し、また、万が一貴方に再び強い負の影響が出た際に迅速に対処できるよう、貴方の魂と私たちの間に、ささやかながら直通のバイパスを繋がせていただきました。これを「囁きの回廊」と名付けます』


声は、そこで一度言葉を切った。そして、以前と同じように、暖かく、そして力強い祝福の響きで告げた。


『貴方の人生の冒険に、幸あらんことを』


その声を最後に、俺の意識は急速に白く眩い光に包まれた。まるで魂が洗い清められ、そして新たな力が注ぎ込まれるような、不思議な感覚。身体の奥底から、経験したことのないような膨大な魔力が湧き上がり、思考はどこまでもクリアになっていく。そして、これまで見えなかったもの、感じられなかったもの、理解できなかったものの情報が、まるで啓示のように頭の中に流れ込んできた。

ありとあらゆる元素の力、空間の法則、そして、想像するだけで万物を生成しうる、まさしく神の御業とも言うべき力の片鱗――。


どれほどの時間が経ったのか。

ふと、俺は自分の体を取り戻した。そこは、朱雀に敗れた焦熱の広間ではなかった。どこか、懐かしいような、あの最初の何もない空間に似た、しかし暖かな光に満ちた場所に横たわっていた。

ゆっくりと体を起こす。不思議と、朱雀との戦いで負ったはずの傷も、疲労も、完全に消え失せている。それどころか、以前とは比較にならないほどの力が全身にみなぎっているのを感じた。


(これは…)

俺は、自分の状態を確認するために、意識を集中する。


「ステータスオープン」


目の前に展開されたのは、見慣れた、しかしその内容が劇的に変貌を遂げたステータス画面だった。


名前: (前世の名前)

種族: ヒューマン

レベル: 35

HP: 11700/11700

MP: 7800/7800


【ステータス】

筋力(STR): S

体力(VIT): S

敏捷(DEX): S

知力(INT): S

魔力(MAG): S

幸運(LUK): S


【スキル】

「鑑定」、「無限インベントリ」、「言霊理解ルーン・リーディング」、「氷寒耐性」、

「灼熱耐性」、「雷撃耐性」、「烈風耐性」、「流水耐性」、「大地耐性」、「猛毒耐性」、「瘴気耐性」、「暗黒耐性」、

**「想像力の申しイマジネーション」**=【能力:想像したことを具現化する魔法スキル。自分が考えたことを実現させる魔法スキル。錬金術の極致とされており、このスキルを持つ限り、考えたことが必ず実現する。自分が想像することを作り出すため、一種の神の所業ではないかとされている。】、

「囁きの回廊ささやきのかいろう


【魔法】

「ファイアーボール」、**「フレイムランス」**=炎の槍を形成し、貫通力のある直線攻撃。防具を溶かす追加効果。

**「インフェルノ」=広範囲を焼き尽くす灼熱魔法。周囲に「燃焼領域」を生成。

「ヒール」、「リカバリーフィールド」**=範囲回復+状態異常1つ除去。持続的な再生の陣を展開。

**「セレスティア・グレイス」=すべての味方に全回復+蘇生(戦闘不能状態から復帰)。神聖な光で浄化効果。

「ライトニングボルト」、「《サンダーストーム》」**=領域内にランダム落雷を発生させる乱撃魔法。

**「ルミナスジャッジメント」=天空から降り注ぐ裁きの雷。防御無視+範囲スタン。

「アクアショット」、「ヴァイパーストリーム」**=蛇のようにうねる水の鞭で多段ヒット+行動阻害効果。

**「レヴィアタン・ウェイブ」**=海神の怒りを模した魔法。巨大津波で敵全体を押し流す。


【称号】 「ゴブリンハンター」、「スライムハンター」、「ウルフスレイヤー」、「神獣殺し」(玄武、青龍、白虎討伐により効果大幅深化)、「スケルトンスレイヤー」、「ゴーストイレイザー」、「リッチスレイヤー」、「ドラゴンスレイヤー」

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