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凍獄の深層、雷光と氷耐性の目覚め

(よし、ステータスに変わりはないが、経験は確実に積んでいるはずだ。新しい武器と防寒具も手に入ったし、準備はいいだろう)

俺は気持ちを新たにし、第二十六階層へと続く氷の階段へと足を踏み入れた。


階段を降りるごとに、空気は鋭利な刃物のように冷たさを増していく。第二十六階層に到達した時、そこはまさしく凍てつく地獄だった。通路の壁も床も厚い氷に覆われ、吐く息は瞬時に白い霧となって凍り付く。〈極地探究者の耐寒コート〉と〈炎熱石のアミュレット〉、そして道中で口にした〈陽炎石の種子〉の複合効果がなければ、立っていることすら困難だったろう。それでも、体の芯から奪われるような寒さは如何ともしがたい。

(今回は体力:Sのおかげで何とか寒さに耐えているが、これは…かなりの死闘を覚悟しないといけないな)

俺は主武器の〈エクソルシウム〉に加え、状況に応じて〈紫電のレイピア〉や予備の〈フレイムアークソード〉を使い分けることを決意し、探索を開始した。


最初に出現したのは、全身が氷の鎧を纏ったかのような〈氷結トロル〉だった。その巨体は通路を塞ぐほどで、手にした巨大な氷の棍棒が不気味な輝きを放つ。


名称: 氷結トロル(Frost Troll)

分類: 巨人型/魔獣

HP: 約1,200

属性耐性: 氷耐性+50%、火弱点-25%

主な行動: 「氷結の一撃」(攻撃時に確率で凍結状態付与)、「再生能力」(戦闘中に毎ターンHPを回復)


(再生能力持ちか…火属性と聖属性で弱点を突く!)


巨体から繰り出される「氷結の一撃」を避けつつ、ファイアーボールを叩き込み、〈エクソルシウム〉の聖なる刃で追撃する。再生される前に倒し切るには、的確な連続攻撃が必要だった。戦闘後、肩で大きく息をする。一体倒すだけでこの消耗か。俺は一度立ち止まり、周囲の気配を慎重に探る。次の敵に備え、呼吸を整えた。


次いで現れたのは、以前も遭遇したゴーレムの亜種、〈氷結ゴーレム〉だ。しかし、その巨躯とHPは以前の比ではない。


名称: 氷結ゴーレム(Glacial Golem)

分類: ゴーレム型/土塊

HP: 約1,500 属性耐性: 斬+20%、打+30%、氷+50%、火-20%

主な行動: 「氷岩投げ」(遠距離範囲物理攻撃)、「氷結防壁」(自身に氷結バリア展開、ダメージ軽減)


(HP1500! 硬そうだ…)


「氷結防壁」を展開されると、こちらの攻撃がほとんど通らない。ファイアーボールで防壁を溶かし、剥がれた瞬間に〈エクソルシウム〉で弱点の核を狙う、という戦法を強いられた。「氷岩投げ」は通路の氷壁を砕きながら飛来し、回避するだけで体力を消耗した。ゴーレムを活動停止に追い込んだ時には、MPも体力もかなり消耗していた。俺は〈ヒール〉で軽傷を癒し、MP回復薬(道中で拾った低級品だが)を少量だけ口にした。


そして、この氷河階層の支配者の一角であろう、〈アイスワイバーン〉との遭遇。広大な氷の洞窟の天井から、鋭い爪を立てて急降下してきた。


挿絵(By みてみん)


名称: アイスワイバーン(Ice Wyvern)

分類: ワイバーン/竜型

HP: 約1,800 属性耐性: 氷+60%、雷弱点-20%

主な行動: 「冷気の爪跡」(連続攻撃に氷結付与)、「羽ばたきの突風」(広範囲気流ダメージ+吹き飛ばし)


(飛竜か! しかも雷弱点…〈紫電のレイピア〉の出番だが、どうやって空中のやつに当てるか)


「羽ばたきの突風」は広範囲で威力も高く、まともに食らえば凍傷と打撲で行動不能になりかねない。俺はファイアーボールを牽制に使い、ワイバーンが低空に降りてきた瞬間を狙って〈紫電のレイピア〉で飛びかかり、その翼や胴体に雷撃を叩き込んだ。麻痺効果で動きが鈍ったところに追撃を重ね、辛くも撃破する。その間にも「冷気の爪跡」で何度も切り裂かれ、コートや鎧が悲鳴を上げた。

ワイバーンが氷の破片となって砕け散った後、俺はしばしその場に佇んだ。

(再生する巨体を持つトロル、物理を寄せ付けぬ土塊のゴーレム、そして空を舞う飛竜…この階層の連中は本当に一筋縄ではいかないな。だが、それぞれの弱点を突けば勝機はある)


これらの強敵との戦いを経て、第二十七階層の隠し部屋で、俺は待望の魔導書を発見した。


名称: 〈初級雷術の魔導書 - ライトニングボルト〉

分類: 魔導書/攻撃系初級呪文書(★★★☆☆)

主な効果: 読むことで“ライトニングボルト”の詠唱式を脳裏に刻み、以後呪文詠唱が可能になる。

MP消費: 70 詠唱時間: 2.8秒

効果: 対象単体に雷属性ダメージ(基礎雷ダメージ:250)、確率で短時間麻痺。

追加効果: 習得時:「雷属性親和」への理解が深まり、雷系魔法の詠唱速度が僅かに上昇(永続)。


「これだ! 雷魔法!」


早速習得すると、脳裏に新たな詠唱式が刻まれる。これで、空中の敵や雷弱点の敵に対して、より有効な攻撃手段を得たことになる。


意気揚々と第二十七階層の探索を続けると、氷床に紛れて奇襲を仕掛けてくる〈スノーリザード〉の群れに遭遇した。


名称: スノーリザード(Snow Lizard)

分類: 爬虫類型/魔獣

HP: 約900 属性耐性: 氷+40%、火-10%

主な行動: 「氷結吐息」(直線上に凍結ダメージ)、「カモフラージュ」(氷床に紛れて透明化し、奇襲)


(カモフラージュか、厄介だな)


足元から突然現れるスノーリザードの「氷結吐息」を避けながら、〈エクソルシウム〉で一体ずつ確実に仕留めていく。ファイアーボールも有効だが、群れで散開されると狙いが定めにくい。ここでも鑑定によるHP表示が役立ち、あと一撃で倒せるかどうかの判断が戦闘を有利にした。


続く第二十八階層では、まず天井からの奇襲者、〈フロストバット〉の集団に襲われた。


名称: フロストバット(Frost Bat)

分類: 飛行/獣人型

HP: 約400 属性耐性: 風+20%、氷+10%、火-15%

主な行動: 「氷結超音波」(全体に暗闇+凍結付与)、「急旋回突進」(速度に乗った突進攻撃)


「氷結超音波」で視界を奪われ、凍結で動きが鈍ったところに「急旋回突進」を食らいそうになる。習得したばかりの「ライトニングボルト」が、雷弱点ではないものの、飛行する敵への有効打となり、数に物を言わせてくるバットたちを何とか退けた。


そして、同じく第十八階層で遭遇したのは、飛行能力を持つ強敵〈スノーマンティコア〉だった。


名称: スノーマンティコア(Snow Manticore)

分類: 魔獣/複合型

HP: 約1,300 属性耐性: 氷+50%、雷弱点-25%

主な行動: 「氷結針」(遠距離からの高威力氷属性射撃)、「尾の一撃」(広範囲転倒付与攻撃)


(また飛んでるやつか、しかもHPが高い!)


「氷結針」の雨を避けながら、「ライトニングボルト」を的確に叩き込む。MAG:Sの恩恵か、初級魔法とは思えない威力でマンティコアの翼を撃ち抜き、墜落したところを〈エクソルシウム〉で追撃し、ようやく仕留めることができた。「尾の一撃」で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられるなど、かなりのダメージを負った。


そして、第二十八階層の最深部に近い場所で、ひときわ強力な〈フロストトロール〉の変異種と思われる個体と、多数の〈アイススプライト〉に囲まれた際には、本気で死を覚悟した。


名称: 〈アイススプライト(Ice Sprite)〉

分類: 精霊/フェアリー型 希少度: ★★☆☆☆

HP: 約150

MP: 200 / 200

【属性耐性】 氷:+75%(大吸収) 火:─50%

【弱点】 物理攻撃(実体化時のみダメージ可)、雷属性攻撃(氷結状態を解除)

〈フロストトロール〉の「再生再構築」は凄まじく、一時防御バフも相まって、生半可な攻撃では押し切れない。周囲を飛び回る〈アイススプライト〉の「冷気の雨」がこちらの体温と体力を奪い、行動を阻害する。


(まずい、このままではジリ貧だ…! 寒さで思考も鈍る!)


俺はMPが尽きかけるのも構わず、「ファイアーボール」と「ライトニングボルト」を乱射し、〈エクソルシウム〉の聖光刃と〈紫電のレイピア〉の麻痺効果を叩き込み、まさに死力を尽くして戦った。何度も回復魔法〈ヒール〉を自身にかけ、ポーションをがぶ飲みしながらの、泥沼のような戦いだった。

全ての魔物を殲滅した時、俺は膝から崩れ落ちそうになるのを必死で堪えた。体は傷だらけで、魔力も体力も限界に近い。


『レベルが上がりました』

『スキル〈氷寒耐性〉を獲得しました』


名前: (前世の名前)

種族: ヒューマン

レベル: 29 → 30

HP: 9900/9900 → 10200/10200

MP: 6600/6600 → 6800/6800


【ステータス】

筋力(STR): S

体力(VIT): S

敏捷(DEX): S

知力(INT): S

魔力(MAG): S

幸運(LUK): S


【スキル】

「鑑定」、「無限インベントリ」、「言霊理解ルーン・リーディング」、「氷寒耐性」


【魔法】

「ファイアーボール」、「ヒール」、「ライトニングボルト」


【称号】 「ゴブリンハンター」、「スライムハンター」、「ウルフスレイヤー」、「神獣殺し」、「スケルトンスレイヤー」、「ゴーストイレイザー」


「氷寒耐性…! このタイミングで、これ以上ないスキルだ!」

スキル獲得と同時に、体の芯から冷気が和らぎ、極寒の環境に対する抵抗力が格段に増したのを感じる。これなら、防寒具への依存度も下げられ、より戦闘に集中できる。


新たなスキルとレベルアップによる全快に感謝しつつ、俺は慎重に第二十九階層へと足を踏み入れた。

この階層は、これまでの氷の回廊とは異なり、まるで巨大な氷の神殿のような荘厳な雰囲気を漂わせていた。そして、その最奥。ひときわ巨大な氷壁に、複雑な紋様が刻まれた大扉が嵌め込まれるように存在していた。扉からは、これまでとは比較にならないほどの強大な冷気と、そして尋常ではない魔物の気配が漏れ出ている。


(ここが、この氷河地帯の中ボスがいる場所か…)


俺は〈エクソルシウム〉を強く握りしめ、深呼吸一つ。覚悟を決めて、その氷の大扉へと手を伸ばした。

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