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18/20

極寒の氷河階層、炎と温もりを求めて

(レベルが一気に3つも…! 神獣クラスはやはり桁違いだ。「神獣殺し」の称号も、より重みを増した気がする)


俺は〈青龍の神宝珠〉と〈四神の試練・白虎への道標〉を無限インベントリにしまい、神域の風にしばし身を任せていた。


「白虎…か。まだまだ試練は続くってことだな」


空を仰ぎ、深く息を吸い込む。次なる神獣への挑戦の前に、俺はこの遺跡のさらなる深層へと進む必要があるだろう。


青龍の神域の奥、新たに出現した下層への階段は、これまでのものとは異なり、まるで氷を削り出したかのような透明感と冷気を放っていた。

階段を降り始めると、すぐに空気が一変した。肌を刺すような極寒の冷気。第二十一階層は、まさしく氷河の世界だった。通路は青白い氷の壁に覆われ、所々で鋭い氷柱が天井から垂れ下がっている。以前のアンデッド階層よりは明るいが、それは氷が乱反射させる冷たい光であり、目に痛いほどだ。


「くっ…これは本格的に寒いな…! 今までの装備じゃ凍えそうだ」


俺は予備としていた〈フレイムアークソード〉を抜き放った。剣身から立ち昇る炎が、周囲の冷気をわずかに和らげ、心強い暖かさを与えてくれる。


(この剣で暖を取りながら戦うしかないか…攻撃と同時に、自分も温めないと)


しかし、剣を振るえば炎も揺らぎ、安定した熱源とは言いがたい。戦闘になればなおさらだ。


通路を進むと、早速新たな魔物が出現した。雪のように白い体毛に覆われた、小柄なゴブリンだ。


名称: 〈スノーゴブリン(Snow Goblin)〉

分類: アンデッド/獣人型 希少度: ★★☆☆☆

HP: 320 / 320

MP: 80 / 80

【属性耐性】 斬:─10% 打:─5% 突: 0% 氷:+50%(吸収) 火:─25%

【弱点】 雷属性攻撃(感電で氷結効果を無効化)、頭部(鈍足状態解除)


(アンデッド…ではないな、分類は。だが氷属性吸収で火に弱い、か。好都合だ)


スノーゴブリンは氷の棍棒を振りかざし、「氷結の一撃」で俺の動きを鈍らせようとしてくるが、〈フレイムアークソード〉の炎の斬撃が奴らを的確に捉え、悲鳴と共に氷の破片となって砕け散った。剣を振るうたびに放たれる炎で、一瞬だけ周囲の空気が温まるが、すぐに極寒の冷気が戻ってくる。倒した際に発生する「雪煙の罠」は少々厄介だったが、広範囲を薙ぎ払う炎で視界を確保しつつ対処した。


次に遭遇したのは、氷の鬣を持つ狼、〈フロストウルフ〉の群れだった。


名称: 〈フロストウルフ(Frost Wolf)〉

分類: 魔獣/獣型 希少度: ★★★☆☆

HP: 680 / 680

MP: 120 / 120

【属性耐性】 斬: 0% 打: 0% 突:─10% 氷:+25% 火:─15%

【弱点】 聖属性攻撃(聖光で凍気を焼き払う)、精神(咆哮の怯み無効化)


(火も効くが、聖属性が弱点なら…!)


俺は〈エクソルシウム〉に持ち替える。聖剣の輝きは頼もしいが、〈フレイムアークソード〉から放たれていた熱が失われ、途端に極寒が身に染みる。それでも、その聖なる力で狼たちの凍気を焼き払い、一体ずつ確実に仕留めていく。HPが減ると仲間を呼び寄せるため、油断はできなかったが、Sランクのステータスと聖剣の力で押し切った。ドロップした〈フロストウルフの毛皮〉は、鑑定すると高い防寒効果があるようだった。これも無限インベントリへ。しかし、これを加工する術は今の俺にはない。


(やはり、まともな防寒具が欲しい…このままだと体がもたない)


そう思いながら第二十一階層の探索を続けていると、〈セレスティアルルーンマップ〉が隠し部屋の存在を示した。氷壁の奥、そこにあった古びた宝箱。期待を込めて開けると、中には分厚そうな外套が畳まれて入っていた。


名称: 〈極地探究者の耐寒コート〉

分類: 魔法防具/外套(★★★★☆)

防御力: 物理防御+50、魔法防御+40

特殊効果: 極寒耐性(大)、体温維持(自動調整)、風雪無効(小)、氷属性ダメージ軽減(中)

備考: 未知の極寒地帯を踏破した伝説の探究者が愛用したコート。特殊な魔獣の毛皮と魔法繊維で織られており、極めて高い保温性と活動性を持つ。フードには暗視ゴーグルが内蔵。


「これだ! まさに今必要なものだ!」


俺はすぐさま〈月煌の聖銀鎧〉の上からこのコートを羽織った。瞬間、刺すような極寒の冷気が嘘のように和らぎ、体の芯からじんわりと温かさが広がってくるのを感じる。体温が適切に維持され、思考もクリアになるようだ。これなら、〈フレイムアークソード〉の熱に頼らずとも、〈エクソルシウム〉を主力として戦える。


コートのおかげでだいぶ楽になった俺は、第二十二階層の隠し部屋でこんなものも見つけた。


名称: 〈炎熱石のアミュレット〉

分類: 装飾品/魔法具(★★★☆☆)

特殊効果: 装備者の体温を常に一定に保つ。周囲に微弱な熱気を放ち、寒冷地での活動を補助する。氷属性ダメージを僅かに軽減。

備考: 火山地帯で採れる特殊な鉱石で作られたアミュレット。魔力を流すとさらに発熱効果が高まる。


「これもありがたいな」


早速首にかけると、コートの保温効果と相まって、極寒の環境が嘘のように快適になった。


氷の妖精のような〈アイススプライト〉は、実体化している瞬間を狙わないと攻撃が通じず、氷柱を降らせる「冷気の雨」や、ダメージを受けると透明化して逃げるなど、非常にトリッキーな相手だった。


名称: 〈アイススプライト(Ice Sprite)〉

分類: 精霊/フェアリー型 希少度: ★★☆☆☆

HP: 150 / 150

MP: 200 / 200

【属性耐性】 氷:+75%(大吸収) 火:─50%

【弱点】 物理攻撃(実体化時のみダメージ可)、雷属性攻撃(氷結状態を解除)


ファイアーボールで広範囲を焼き払い、実体化したところを〈エクソルシウム〉で仕留める、という戦法で対処した。


第二十三階層。探索を進めていると、マップがまたしても隠し部屋の存在を示した。これまでのものより少し奥まった場所にある。

(この階層の魔物は、雷属性が弱点のやつが多いな…何かいい武器でもあれば)

そんなことを考えながら宝箱を開けると、中には細身の剣が一本、静かに横たわっていた。刀身は黒曜石のようで、よく見ると紫電のような模様が走っている。


名称: 〈紫電のレイピア〉

分類: 魔法剣/刺突剣(★★★★☆)

攻撃力: 物理攻撃+180、雷属性攻撃+120

特殊効果:


雷迅付与: 攻撃ヒット時、高確率で対象に「麻痺(短時間行動不能)」効果を付与する。

電光石火: 装備者の攻撃速度とクリティカル率が僅かに上昇。魔力伝導率も高く、雷系魔法の威力も増す。 備考: 古代の雷術師が、雷雲の心臓と黒曜石を用いて鍛えたとされる刺突剣。雷の精霊の力が宿ると言われる。軽量で扱いやすい。

「また星4つか!しかも雷属性…!この階層の魔物にうってつけじゃないか。本当に幸運(LUK):S様様だな!ありがたい!」

俺は心の中で幸運の女神(あるいはあの「声」)に感謝し、早速〈紫電のレイピア〉を装備してみる。軽量で、振るうとバチバチと微かに紫の電光が散るのが見えた。〈エクソルシウム〉とは全く異なる使用感だが、これは強力な武器になりそうだ。


巨大な〈グレイシャルゴーレム〉は、その圧倒的なHPと物理耐性で俺を苦しめた。


挿絵(By みてみん)


名称: 〈グレイシャルゴーレム(Glacial Golem)〉

分類: 土塊/ゴーレム型 希少度: ★★★☆☆

HP: 1200 /1200

MP: 0 / 0

【属性耐性】 斬:+20% 打:+30% 突:+10% 氷:+40% 火:─10%

【弱点】 聖属性攻撃(結晶構造を崩す)、火属性攻撃(氷の結合を溶かす)


「氷岩投げ」は威力が高く、「氷結防壁」でこちらの攻撃を軽減してくる。鑑定で聖属性と火属性が弱点と分かったため、〈エクソルシウム〉で聖属性ダメージを与えつつ、ファイアーボールで氷の結合を溶かし、粘り強く戦ってようやく撃破。ドロップした〈氷結の核石〉は、強力な冷気を放っていた。


そして、天井から奇襲を仕掛けてくる〈スノーバット〉。


名称: 〈スノーバット(Snow Bat)〉

分類: 飛行/獣人型

希少度: ★★☆☆☆

HP: 260 / 260

MP: 100 / 100

【属性耐性】 風:+20% 氷:+10% 火:─20%

【弱点】 雷属性攻撃(超音波を攪乱)、光属性攻撃(暗視能力を妨害)


「氷結超音波」で視界を奪い、「急旋回突進」で襲ってくる。ここで早速〈紫電のレイピア〉を試す。炎の広範囲攻撃とは違い、一点集中の速攻が求められるが、レイピアの電光石火の特性と俺の敏捷Sが噛み合い、空中で翻弄しながら的確に雷撃を叩き込むことができた。麻痺効果も面白いように決まる。


第二十四階層の宝箱からは、奇妙な赤い種がいくつか出てきた。


名称: 〈陽炎石の種子〉(かげろういしのしゅし)

分類: 特殊植物性アイテム/消耗品(★★☆☆☆)

主な効果: 摂取すると、体内で微量の熱エネルギーを生成し、約1時間、極寒耐性(中)を得る。継続的な体温維持効果。

備考: 火山地帯の特殊な環境で育つ植物の種子。噛み砕くとピリッとした辛味と共に体が温まる。少量ながら滋養もある。


「これは…食べたら体が温まる種か!」


試しに一粒噛み砕いてみると、ピリッとした刺激と共に、胃の中からカッと熱が込み上げてくるのを感じた。これは素晴らしい。アミュレットやコートと合わせれば、この極寒の階層もかなり快適に過ごせる。


これらの新たな魔物たちとの戦いを経て、俺は装備やアイテムを充実させながら、ついに第二十五階層の最奥へとたどり着いた。レベルは29のままだが、極寒の環境での戦闘経験と、新たな武器の習熟は確実に俺を成長させていた。


(さて、この先はどうなっているのか…)


俺は〈陽炎石の種子〉を一粒口に含み、その熱が体に広がるのを感じながら、次なる階層への階段を見据えた。

(よし、次の階層へ行く前に、今の状態をしっかり確認しておこう。「ステータスオープン」)


名前: (前世の名前)

種族: ヒューマン

レベル: 29

HP: 9900/9900

MP: 6600/6600


【ステータス】

筋力(STR): S

体力(VIT): S

敏捷(DEX): S

知力(INT): S

魔力(MAG): S

幸運(LUK): S


【スキル】

「鑑定」、「無限インベントリ」、「言霊理解ルーン・リーディング


【魔法】

「ファイアーボール」、「ヒール」


【称号】 「ゴブリンハンター」、「スライムハンター」、「ウルフスレイヤー」、「神獣殺し」(玄武、青龍討伐により効果深化)、「スケルトンスレイヤー」、「ゴーストイレイザー」


(ふむ、ステータスに変わりはないが、経験は確実に積んでいるはずだ。新しい武器と防寒具も手に入ったし、準備はいいだろう)

俺は気持ちを新たにし、第二十六階層へと続く氷の階段へと足を踏み入れた。

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