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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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95話目

 リナさんは、食べきれない分を同じく家にあったカバンに詰める。私たちはリナさんが食べている間に何か新しい情報を得られるものが無いか調べたけれど、何もなかった。


「ついでに、仮眠とってってもいいかな? ちょっと埃っぽいけど、ベッドあるし」

「よく人の家で勝手に寝ようと思えるな・・・」

「だってもう誰もいないし。私はそういうの気にしないし」

「まあ、好きにしろ。私はこの近くの家も調べてくる」

「あっ、私もそうします」

「じゃあ、食料あったら持ち帰りよろしくね!」

「・・・お前、結構図々しいな?」

「いいじゃない、それくらい」

「まあいいが・・・」


 リナさんの自由さに呆れ、アオイさんは了承した。私も何かあれば持ってきてあげようかな。リナさんがエネルギーを使ったのって、ほぼ私のせいだろうし。


「ではカエデ、3時間ほど経ったら集合するとしよう。正確な時間は分からないから、適当でいいぞ」

「分かりました。腹時計も無いから、太陽の位置くらいでしか時間が分かりませんしね」


 私とアオイさんは分かれて近所の建物を調べる。危険があればすぐに引き返すつもりだけど、私たちが危険になることなんてほとんどないと思うし。


 アオイさんは左、私は右の家へ向かう。あいにくドアは鍵が閉めてあったけど、ごめんなさいをしてドアを力でこじあける。


「普通のおうちですね。特に何もないし・・・」


 やはりすぐに避難したのか、避難後の情報は何もない。カップラーメンは大分前に賞味期限切れのものが置いてあったので、食べられるかどうかは分からないけどリナさんように持って帰ろう。私は適当にエコバックに詰めると、肩にかけて調査を再開する。


 情報になるものは何もないまま3時間くらい経った気がしたのでリナさんの居る家に戻る。リナさんはまだ寝ていたので、起こさないままアオイさんの帰りを待つ。しばらくするとアオイさんも戻ってきた。私は玄関まで出て小声で話す。


「リナさんはまだ寝ています。私の方は収穫なしでした。アオイさんはどうでしたか?」

「私の方も何もない。食料はあったが、どれも期限切ればかりだったな。一応持ち帰ってきたが、食えるのか?」

「どうでしょうね。私も一応持ち帰ってきたので、起きたら本人に確認しましょう」

「そうだな。まあ、もともとただの民家に期待はしていなかったが、やはり情報は欲しいな。電気が通っていないのが残念だ」


 インターネットがあればもっと情報が得られるのだろうけど、今の世界だと誰もインターネットはやっていないし、そもそも電気が通っていない。自家発電機があるところで明かりや冷蔵庫に使える程度だ。それも、壊れたら修理不可能の古いやつばかり。こういう世界にしたマリアさんは、こうなることを望んでいたのでしょうか。

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