表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビにされた  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/98

93話目

 アオイさんは、間違いが無いようにか、ゆっくりとだけど隅々まできちんと検査しているみたい。そのおかげで、私も落ち着くことができた。


「カエデ、やはりこのユカリ君は本物ではない。あの花の根っ子で出来ているようだ。どうやら、ユカリ君は能力で自身の分身を作り出せるようだ。それが囮にするためなのか、他に目的があるのかは分からないがな」

「でも、ほんの少しとはいえ話していましたよね? そんな知能が花にあるんですか?」

「あれは単純に、近くで拾った音声を復唱しているだけに過ぎない。実際、このユカリ君には脳の様なものはなく、再生するのもあくまでナノマシンが行っているだけで、自意識があるわけじゃない」

「そうですか・・・」


 結果を聞いたので、ちらりとリナちゃんを見ると、リナちゃんもこちらを見ていたようで、ビクッとして視線を逸らした。


「・・・さっきは、すみませんでした。頭に血が上って、自分を抑えられませんでした」

「い、いや、私も考えなしに行動してしまって、ごめんなさい」

「それにしても、カエデの力はすごいな。あれを受けたのがもし私だったら、恐らく最初の一撃が致命傷となって死んでいたかもしれんぞ。再生能力の高い爬虫類のリナだから生きていられたのだろうな」

「えっ、そんなに危険でしたか? 本当にすみませんでした・・・」

「ま、まあ、私も本当に死ぬかと思ったけれど、ちゃんと生きてるし、いいよ。でも、2度目は勘弁してほしいけど・・・」


 お互いに謝り、一応わだかまりは少し減ったと思う。もし逆の立場なら、私だったら簡単に許せないと思うから。でも、今は謝る以上の事は出来ないから、精一杯頭を下げて謝る。


「ごめんなさい・・・」

「もういいよ。それより、神奈川に行くんでしょ? 私も力の限り味方するから、元気出して行こう? ね?」


 リナちゃんはやっぱり大人だ。泣きそうな私の頭をなでて元気づけてくれる。これからはリナさんと呼ぼう。


「リナさん・・・ありがとうございます」

「あっ、呼び方変えるんだ? まあ、見た目は私のほうが年下に見えるから、ちゃん付けでもいいんだけどね」

「いいえ、私はリナさんを大人だと思ったので、リナさんと呼びます」

「まあ、好きにしていいよ」(けど、あくまで下の名前で呼ぶのよね・・・? これでも結構年上だと思うんだけど)


 私は、しおれてしまったユカリさんのほうを見る。アオイさんは根っ子だと言っていたけど、見た目は本当にユカリさんに見える。


「そのユカリさんはどうするんですか?」

「別にどうもしないが、逆にどうしたいんだ?」

「このまま放置するのは気持ち的にできないので、せめて埋めようかと思うんですけどいいですか?」

「別に構わんぞ」


 アオイさんから許可をもらったので、敷地の隅の方に穴を掘り、ユカリさんを埋めた。私の力があれば、穴なんてあっという間に掘れるから、時間はまったくかからなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ