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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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86話目

「本当に、生き物に出会いませんね・・・」

「そうだな。やはり、ナノマシンに適応できた者しか生き残れないからだろう」


 アオイさんが言うには、あのアヤヒさん顔の犬みたいに運よくナノマシンに適応できなかった場合、死ぬのだろうと。その代わり、適応できてしまえば並大抵のことでは死ななくなる。ただし、アヤヒさんのナノマシンタイプでは外部から栄養源を得ないといけないので、何かしら他の物を食べないといけない。だから、私たちみたいに生きている者を襲うだろうと。


「明るいのに誰一人いない東京なんて、想像もしたことありませんでした。とろこで、リナちゃんはいくつ?」

「私は今年の春で9歳になりました。お二人も同じくらいの年齢ですよね?」

「いやぁ、私はこう見えても14歳・・・になるのかな? 10年足してもう大人になるのかな?」

「どうかな? 肉体年齢はもう私たちにはあまり意味はないだろう。精神年齢的に言えば、すでに大人かもしれないが」

「え。お二人とも私よりかなり年上だったんですか!?」


 見た目がそれほど変わらない私たちを見て、リナちゃんは目を丸くした。まあ、見た目だけなら私は小学生の高学年くらいだし、アオイさんも1年生に見えればいいところだろう。


「それよりも、私が気になるのはリナ君のこれまでの生活だ。その年齢が本当なら、君は世界が変わってから生まれたということになる。なのに、小学校どころか保育所なども行っていないはずだ。だが、しっかりと教育されているように見える」

「はい。私は使徒様が言うところの牧場で生まれました。けれど、一応教育は施されるんですよ。もし、使徒化に適性があった時のために平等に行われます。それに、使徒化が行われるのは5歳の時です。なので、私は適性は無いですが教育は受けています。そして、10歳になった時に食べられる予定です・・・」

「そうなのか・・・。だが、10歳で食料にしたのではすぐに人が居なくなってしまうのではないか?」

「はい。なので、そのあたりは適切に管理しているようですが、私はすでに食料枠に割り振られています。本来は直前まで知ることはないのですが、私は偶然知ることができてしまったので、こうして逃げ出したのです」

「そうなのか。もう少し、詳しい話を聞かせてもらっていいか? 歩きながらでいいが」


 私たちは、リナちゃんからもアイラさんから教えられなかった街の負の部分を聞くことができた。

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