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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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73話目

 畑は数キロにわたって作られていた。そして、そこにはお兄さんと同様に畑仕事をしている人を見かける。どの人も、体の一部が変化しているので、お兄さんの言う通りなら彼らはランク2の人なんだろう。


「ところで、神の使徒とは何だ?」

「神の使徒は神の使徒さ。君達も神の祝福を受けてその力を得たのだろう?」


 私はアオイさんの治験の結果で得た体なので違う。アオイさんも違うけど、話を合わせるべきだろうか。


「悪いが、覚えていないのだ。だから、神の祝福とやらを教えて欲しいのだが」

「そうか、記憶が無いんだったか。では、10年前の出来事から話さないといけないな」


 お兄さんは、数キロ歩く間に色々な事を教えてくれた。それは、私達が知りたかった情報なので大変ありがたい。ただ、納得は出来ないけど。


 まず、10年前に突然神が降臨されたらしい。神はあっと言う間に国会を制圧し、総理大臣を人質にとったそうだ。神は、その場にいた議員に、自身の血を飲むよう強制した。そして、何人かの議員が急に苦しみだし、体が変化したという。それを今は神の選別と呼び、それで力を得たものを神の使徒と言うらしい。

 それから、力を得た議員が新たな総理大臣になり、神を崇める様国民へ周知した。国民を広い施設へ集め、人類の選別が行われたそうだ。神や神の使徒の血や肉を口にさせ、変化した者を新たな使徒とし、変化をしなかった者をハズレとして幽閉した。

 使徒の中でも、体の変化具合によってランクを付けたそうだ。それがさっき言ってたランクだ。ちなみに、神をランク5とするらしいので、人類で最高はランク4になるみたい。


「なるほど。だが、私達が街を歩いていたら体の変化した人や動物を見かけたぞ?」

「ああ、たまに居るんだよな。逃げ出したハズレが何故か力を得た奴や、選別を受けてないはずの動物が急に変化するやつ」

「なるほど。神のDNAには合わないが、アヤヒ君やユカリ君のDNAに反応する者がいるのだな」


 アオイさんは、お兄さんに聞こえないようにそう私に教えてくれた。私達の中で、唯一見かけていない人物はマリアさんだ。つまり、神を名乗っているのはほぼマリアさんだろう。


「それで、ハズレの人たちは何をしているんだ?」

「ん? ああ、別に何もさせていないぞ」

「そうなのか? 何もさせていないのなら、畑仕事をさせたほうが生産性がいいのではないか?」

「いや、俺達の様に祝福を受けた者がやったほうが断然早い。だから、ハズレは大人しく肉になるまで育てるだけだ」

「・・・は?」

「え・・・人を、食べるんですか・・・?」

「それはそうだろう。それ以外、生かしておく理由は無いだろう?」


 急に人食いをカミングアウトしたお兄さん。私は、彼が急に化物に見えました。

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