71話目
次の日の朝を待って私達は再び地上へと出た。今日も晴れていたので良かった。雨が降っていたら、傘が無いのであまり外へ出たくない気分になる。風邪をひくかどうか分からないけど、濡れるのは気分が良くない事だけは確かだ。
「それじゃあ、行こうか」
「はい。今日の目的地はどこですか?」
「まずは、近くにある大学を目指そうと思う。近くに居た住民なら、そこが避難所になっている可能性もある。大学で無ければ、小学校や中学校、役所なんかでもいいが、一番近くにあるのは大学だろう」
「分かりました」
私達は、近くにある大学を目指す事にした。私自身は今自分が居る場所が全く分からないのでアオイさん任せだ。
「ちなみに、一番近い大学ってどこですか?」
「ここからなら、日本大学だ。今はどうなっているかは分からないが、私が知っている限りではそこが一番近い」
歩いて行くと数キロはあるけれど、幸い私達の身体能力は高いので、普通の人が歩くよりかなり早く着ける。自転車なんかは空気が抜けているか、ゴムがダメになっているかで使えそうにない。車もバッテリーの電気が無くなっているのか、ガソリンがダメになっているのか分からないけど、エンジンがかからないみたいだし。
「ここが日本大学だ」
「なるほど、大学って広いんですね」
私は大学を見るのは初めてで、驚いた。敷地が広く、建物も大きい。これなら、近所の人が避難所として着ているかもしれない。
「まずは、人を探そう。手分けして探したいところだが、お互いに連絡する方法が無い。今は一緒に行動しよう」
「はい」
私達は、一番大きな建物へと向かう。玄関の扉は鍵がかかっていなかった。静かな廊下は、研究所と変わらない。
「何の声も聞こえませんね・・・」
聴力の良い私が耳を澄ませても、人の声は聞こえなかった。これだけ大きな建物で、まったく声が聞こえないというのも不気味だ。
アオイさんは、近くの扉を片っ端から開け、誰か居ないか探す。しかし、誰も発見する事が出来なかった。ここも電気が来ていないので、パソコンやテレビなんかで情報を得ることは出来なかった。さらに、日本に何が起こったかの情報も何も残っていなかった。
「何も残っていないな。人々は一体どこへ行ったんだ? ここも荒らされた様子は無い。だが、誰も情報を残していないというのもおかしい。必ず、何か原因があるはずだ」
「本当にみんな、どこへ行ったんでしょう」
私の家からはここは遠いため、エリは居ないと思っていたけど誰一人居ないというのも変な話だ。それに、大学内が荒らされていない為、争いなどがあったとは思えない。それどころか、何か起こってから誰もここへ来ていないように見える。
「大学に情報が無ければ、そうだな・・・警察署へ行ってみるか」
「そうですね。さすがに、そこは無人という事も無いでしょうし」
「ああ。だといいな」
アオイさんは、すでに警察署も無人の可能性を考えているようだ。もし、警察署にすら人が居なかった場合、本当にみんなどこへいったんだろうか?




