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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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70話目

 研究所近くに来た事もあり、ついでに研究所内をもう一度確認する事にした。


「機械類は本当に修理不可能なまでに破壊されているな・・・」

「マリアさんはどうしてそこまで念入りに破壊していったんですか?」

「本人に聞いたわけじゃ無いから分からないが、恐らくこの研究結果を自分以外に利用されない為だろう」

「でも、私もアオイさんも生きてますよね? ユカリさんとアヤヒさんは分かりませんが、あのおじさんやワンちゃんが生きてたところを見ると、生きている可能性がありますし」

「私の場合は運が良かったからだろうな。実際、ナノマシンが適合していなかったら普通に怪我で死んでいた。カエデの場合は死んでいると思ったのだろう。実際、心肺停止状態だったからな。今ならそれが仮死状態だったと分かるが、マリアは死亡していると判断したのかもしれない」

「そうだったんですね。だから、念のために研究所を封鎖する様にしたんですかね」

「かもしれないな。実際、普通なら空気が無くなって死んでいただろうしな」

「本当に運が良かったんですね、私達」

「・・・ああ、そうだな」


 アオイさんの研究結果は紙一枚も残っていなかったけれど、機械に使ってある部品の内、無事そうなものをいくつか取り置いた。と言っても、メインとなる部分はどれも破壊されていて修理は絶対に無理そうだと分かる。


「今のうちに、私の記憶しているものを書き起こしておく」


 アオイさんはコンビニで手に入れた手帳にペンで記入していく。この研究所には紙類は全く置いてなかったから、書き残す事は出来ていなかった。

 私は、ここに来るのは最後になるかもしれないと、自分の部屋やユカリさん、アヤヒさんの部屋も見回る。2人の部屋には全く何も残っていなかったし、私の部屋も必要な物はもう何も残していない。


「私は、どうすればいいんだろう・・・?」


 私はテーブルに溜まっている埃を見ながら、自分がどうすべきか改めて考える。この世界の調査もするけど、最終目的の設定が必要だ。


「まず、何が起きているのか確認するのが先かな」


 日本がこんな状況になった原因の解明、さらに言えば解決。みんなどこに行ったのか。そして、私はどうすべきなのか。


「エリ、どこかで生きているかな・・・」


 私は、親友を思い出す。10年以上経っているので、生きていればもう大人になっているだろう。私の事を覚えているだろうか。それとも、もうすでに・・・。


「ううん、生きてるはず。だから、探しに行かないと」


 私は、エリを探す事も目的に一つに入れた。

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