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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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62話目

「とりあえず、確率の低い方から行くか。先に心臓だな」

「私、後ろを向いていていいですか?」

「別に構わんぞ。今なら動けないだろうしな」


 アオイさんの許可を得て、私はおじさんを視界に入れないようにする。


「じゃあ、行くぞ」

「うぅぅ、うー!」


 おじさんは、痛みからか意識を取り戻したみたい。でも、ガムテープで口を塞がれているから叫べないようだけど、やっぱり知能は無くても痛みはあるのかな。


「一応、心臓にメスを刺し込んだが死ぬ様子は無いな。ただ、傷口が塞がったから心臓がどうなっているのか見れないな。やはり、胸を切開する必要があるな」

「そう言う事は、私に伝えなくていいですよ!」


 私は耳を塞ぐ。音だけでも、何が行われているか想像してしまうからだ。けれど、多少は五感が鋭くなっているからか、結局おじさんのくぐもった叫び声が聞こえてくる。

 静かになったので、アオイさんの実験は終わったのだろうか。


「アオイさん、実験は終わりましたか?」

「ああ。心臓は再生していた。ただ、この男が再生にエネルギーを使いすぎたせいか、憔悴してしまったようでな。静かになったのはいいが、これでは脳が再生しないのか、それとも再生にエネルギーを使って死んだのか分からなくなりそうだな」

「じゃあ、コンビニで何か食べられるものが無いか探してきます!」


 私は、すぐにコンビニへと走る。おじさんがどんな状況なのか見るのも忍びなかったし。


「とりあえず、冷やすようなものは全滅みたい。封がしてあるものはどうだろう?」


 私はおにぎりや弁当が置いてある場所は諦め、おかしなどが置いてある棚を探す。ちなみに、飲み物の方はずっと常温だったからか、液体は残っているけど中が異様な色になっている。ただの水ですら、白いカビみたいなものが浮かんでいる様に見える。


「紙や銀紙で包んであるだけの物はダメそう。クッキーは原型を留めているけど・・・」


 私はクッキーを一袋開けてみる。持ち上げようとしたけど、すぐにボロボロと崩れてしまう。臭いを嗅いでみたけど、カビっぽい匂いがする。


「比較的マシに見えるのは、飴とかチョコかな・・・」


 飴は溶けてしまっている物もあるけど、ほぼ砂糖そのものみたいな奴は大丈夫そう。チョコもミルク入りはカビてるっぽいけど、ほぼカカオのビターチョコは無事そう。とりあえず、この辺りを持って行ってみようかな。

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