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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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55話目

「アオイさん」

「・・・カエデ、服を着替えてきたのか。 どうだ、他に何か見つけたか?」

「いえ、何か役に立つようなものは見つかりませんでしたが、これを持ってきました」

「ふむ、ゲームか。時間がある時にはいいかもしれないが、今は少し考え事を優先させてくれ」

「あっ、すいません。私も、これからの事を考えるべきですよね」

「いや、カエデは休んでいてもいいぞ。こういうのは、大人な私が考えるべき事だからな」

「でも、一人でやる事もありませんし、私なりに何か考えてみます」

「そうか。分かった」


 そう言うと、アオイさんは静かに考え事に集中したみたい。私は、何から考えるべきかを考える。まず、食事の心配は要らないし、寝る場所を確保する必要も無い。衣食住の内、衣以外はすでに解決している様な状態だ。衣にしても、ここには検査衣は残っているみたいだし、お金はアオイさんが持っているから買う事も出来るだろう。


「そろそろもう一度外を見てみるか」


 眠くは無かったけど、ボーッとしていたら、いつの間にか朝になったみたいだ。アオイさんが左腕に付けた腕時計で確認している。


「今、何時ですか?」

「7時だな。もう少し早くても良かったが、日の出直後よりは今くらいの時間の方が良いかと思ってな」

「なるほど」


 私は日の出と共に起きることが習慣となっていたから、朝には強い。でも、今の体になって全く時間感覚が無くなっているけど。

 私とアオイさんは再び穴を通って地上へと向かう。


「まず第一に、昨日のユカリ君の様子を見てみよう。アヤヒ君も近くに居るかもしれないから、周りに目を配らないとな」

「分かりました」


 私達はゆっくりとユカリさんの所へ向かう。周りを見ても、アヤヒさんは居ないみたい。ユカリさんは太陽の方へ顔を向けていた。ひまわりみたいに、日光の方へ顔を向けるのかな?


「ユカリさん」

「ユ・・・カリ・・・サン」

「やっぱり、話せないみたいですね・・・」

「ヤッパ・・・リハナ・・・セナイ・・・ミタイデ・・・スネ・・・」

「うむ、言葉を理解しているというよりも単純に反射だけで話している様だな。これは、私達にはどうする事も出来ない。やはり、他の場所を探そう」

「どこへ向かいますか? 私も考えていたんですけど、交番か地区センターくらいしか思い浮かびませんでした」

「まあ、警察でもいいが、まずはどこかのビルへ向かおう。アパートでもいいが、とにかく地上がどうなっているのか高いところから確認したい」

「分かりました。すぐそこのビルに向かいますか?」

「どこでもいいが、一番高い所へ向かうか」


 私達は、近くに見える30階くらいあるビルへ向かう事にしました。

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