49話目
「とりあえず、行っていない場所で必要そうな場所と言えば、ミカコ君の部屋だろうか。もし、ミカコ君が無事だったならば、何かしらの情報を残しているかもしれん」
「分かりました、行ってみましょう」
私達は、ミカコさんが常駐していた保健室みたいなところへ向かう事にした。私としては、食堂も気になるんだけど、電気が通っていないんじゃどうせ食材があったとしても腐っているだろうし、向かう意味はないかな。
保健室へ着くと、扉が壊されていた。廊下側から思いきり叩いたのか、外れて内側へ傾いて開いている。
「どうやら、ここも破壊の対象だったらしいな。という事は、情報を得られる可能性は低いか・・・」
「うわぁ・・・ものすごく散らかされていますね・・・」
棚に並べられていたであろう薬品は床に散らかり、中身だったものはすでに気化したのか、濡れてはいないが汚れとしてへばりついているくらいだ。
「ダメだな、机も壊されて情報源になりそうな物は燃やされているな」
「なんでそこまで念入りに壊したんでしょうか?」
「さあな。とりあえず、ここは無駄足だったようだ」
「次は、どこへ行くんですか?」
「あとは、ほとんど重要な場所は無いから出入口へ向かうくらいしか無いな。地上へ近いほど、研究に繋がるものは置いていないからな」
「そういえば、私は出入り口へ行ったことがないので場所が分かりません」
「まあ、どうせIDカードを通さないと通れないようになっているがな。とりあえず、ついてきてくれ」
私はアオイさんの後ろを着いて行く。上の階へ登って行くところを見ると、やっぱりここは地下なのだろう。
「やはり、扉が壊されているか。まあ、ここに誰も居ない事で分かっていた事だが」
「これもマリアさんがやったんでしょうか?」
「だろうな。この様子だと、地上へ出たのは確実だろう」
出入口へ向かうまでに、3つもIDカードが必要な扉があった。どれだけ厳重に出入りを監視していたのだろうか。それくらい、私達が受けた治験は重要だったのだろうか。確かに、頑丈そうな鉄の扉を人力で破壊する力を得られるのなら、使い道が山ほどありそうだ。
アオイさんが、何も無い壁の所でピタリと立ち止まる。どうして行き止まりの場所へ来たんだろう?
「これは・・・一体、何があったというのだ?」
「え? まさか、ここに出入口があったんですか? どう見ても、埋められて壁のように見えるんですが・・・」
「埋めたんだろうな。ここの向こうに階段があるはずなんだが、そこまですべてコンクリートで埋められているとなると、脱出は不可能だ。ここ以外に出入り口も無い」
「そんな・・・」
私達は唯一の出入り口が埋められていたため、呆然と立ち尽くすしか無かった。




