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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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45話目

「これで、皆助かるといいのだが・・・」


 アオイは、腕を組んで今後の事を考える。これで実験用の薬品をすべて接種させることに成功したため、あとは経過を観察するだけだ。ただ、途中で追加したナノマシンの効果が不安定な様で、これからどう転ぶかが分からない。


「あれ・・・ユカリ・・・さん? なんか、肌の色がおかしくなっていませんか?」

「本当だ、ユカリさん大丈夫なのか?」

「・・・? 私の肌の色が緑色に・・・?」


 ユカリは自分の左腕を検査衣をまくって見る。肌の色が、少しだけ緑がかってきたように見える。


「やはり、効果が出るのが早いな。というか、ナノマシンを投与しなかったときは見られなかった現象だ。やはり、この研究には必須だったのか」

「そんなこと言ってる場合じゃ無いだろ?! ユカリさん・・・いや、あたしたちに一体何を飲ませたんだ!」

「様々な動植物から採取したDNAだ。それを体内のナノマシンにインストールさせ、テロメアを自動的に修理させる機能を持たせた。これで君たちは理論通りなら不老不死になるはずだ」

「そんなの、治験じゃ無いだろ! 実験じゃ無いか!」


 アヤヒはアオイにつかみかかろうとするが、アオイはアヤヒの手をひねって地面へと組み伏せる。アオイは身を守るために護身術を習得していた。


「ああ、そうだ。これは人体実験だったんだよ。私の研究結果・・・不老不死の実現するためのね」

「くそっ、放せ!」

「暴れないなら放すとも。大人しく、自身の体の変化を気にした方がいいんじゃないか?」

「お前が言うな!」


 アヤヒは、取り合えず大人しくする事にした。今は情報を得る方が重要だと判断した。


「・・・それで、ユカリさんはどうなったんだ?」

「肌の色から、恐らく植物系のDNAが発現している様だな。細胞内に葉緑体を作り出し、日光によって栄養を作り出すのだろう」

「ユカリさん、大丈夫ですか?」

「ええ、平気よ。不思議と、食欲がまったくなくなったわ。けれど、水は飲みたいわね」

「2番に合っていたのがそのDNAなのだろう。光合成には水が必要だからな。常に水分を採るといいだろう」

「あっ、アヤヒさんの肌も心なしか赤くなっていません?」

「ん? 今はアルコールを飲んでないから、酔ってるわけじゃ無い」

「ふむ、それはベニクラゲかもしれんな。やつらは不老不死だが、何も食わないというわけには行くまい。何かしらすぐに栄養を摂る機能も発現しているはずだから、何か食べると良い」

「じゃあ、あたしは食堂へ行ってくるよ」


 アヤヒはすぐに食堂へと向かって行った。


「えっと、私は何の変化も無いんですが・・・」

「4番用の薬品じゃ無いからな。どのような効果が出るのか全く見当もつかん。すまない・・・」

「いえ・・・」


 こうなった原因はカエデの父親のせいであり、直近ではマリアが薬品を捨てたからだ。カエデは、自分の体がどうなるのか分からず、不安ばかりが募るのだった。

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