38話目
「それじゃあ、また後で伺いますね」
「確か、9時だったよね。今回は体を洗って来いっていう指令つきで」
「そうですね。私もシャワーを浴びてきます」
カエデ達は食事を終え、部屋へと戻る。カエデは新しい検査衣と下着を用意してユニットバスへと入る。
「あ、そう言えば検便と検尿も要るんでしたっけ・・・。小学校の時も、持って行くの嫌だったなぁ・・・」
一応、容器を入れる袋は不透明なのだが、持って行くだけで恥ずかしく感じる年ごろだ。とりあえず、シャワーの前に採取してしまおうとトイレをし、シャワーで全身を綺麗にした後タオルで丁寧に体を拭いた。
「これでいいかな。あとは、時間まで待つだけですけど・・・。本当に、今日の薬って一体なんなのかな・・・」
カエデは再びマリアの言葉を思い出してテンションが下がる。しかし、情報が無いため判断のしようがないと諦め、テレビでも見て過ごす事にした。9時に近づいたため、約束通りアヤヒとユカリを呼びに行く。
「アヤヒさんー、来ましたー。準備は終わっていますかー?」
「カエデちゃんか。あたしの準備は大丈夫、いつでもいいよ」
すでに準備を終えていたアヤヒは、カエデの声掛けにすぐに外へと出てきた。カエデは、次にユカリの部屋へと向かう。
「ユカリさんー、準備は終わっていますかー、一緒に行きましょうー」
「ええ。待っていたわ」
ユカリも準備はとうに終えていたようで、すぐに外へと出てきた。
「じゃあ、行きましょうか」
3人で指定された会議室へと向かう。そこにはすでに色々な機材が用意され、マリアも立って待っていた。マリアはカエデに顔を向けると笑顔を見せるが、すぐに別の方を向く。しばらく待つと、アサミも到着する。9時ぴったりに、アオイとミカコが入ってきた。
「よーし、みんな揃っているな。それじゃあ、検便と検尿をミカコへ提出してくれ」
みんな容器の入った袋をミカコへと提出していく。
「それじゃあ、今日は詳しい検査を行う。一人ずつ、そこで診察を受けてくれ」
ミカコに続き、マリアが白いカーテンに囲まれた場所へと入っていく。
「他にも検査する項目があるから、他の者は空いてるところでやるぞ」
身長体重はもちろん、視力測定、聴力測定、血圧測定、血液検査、X線等と詳しく調べられていく。カエデは、ミカコの場所が空いたのでそこへ向かう。
「お願いします、ミカコさん」
「4番、カエデちゃんね。こちらこそよろしくね。それじゃあ、全部脱いで横になって貰えるかしら」
「えっと、下着もですか?」
「ええ、そうよ」
カエデは言われるまま素っ裸になって横になる。小学校や中学校ではここまで詳しい検査をしたことが無いので、これが普通かどうか分からない。しかし、他の人が普通に受けていたので拒否する事は無かった。
「まずは、エコー検査と、全身を確認させてもらうわね。これからの治験で小さな変化も見極めたいから、念入りにやるわよ」
ミカコは、カエデのホクロ一つも見逃さない様にとじっくりと全身を確認していく。同性とはいえ、自分でも見た事の無い場所を確認されてものすごく恥ずかしかったが、必要な事だと理解して我慢する。このために全身を綺麗にしてくるよう指令があったのだろうと。
「よし、問題はなさそうね。それじゃあ、ローションをぬるから少し冷たいわよ」
ミカコはカエデのお腹にローションをぬったあと、機械でエコー検査を行う。
「よし、いいわよ。ティッシュで拭き取ったら着替えてね」
「は、はい。ありがとうございました」
慣れない検査ではあったが、何事もなく終わってホッとする。それからも検査は続き、ほどほど疲れてきたところで終わった。すでにお昼になっていた。
「検査は以上だ。私は検査結果を確認してくるから、各自食事を終えたら集まってくれ」
アオイがそう解散を宣言すると、部屋を急いで出て行ったのだった。




