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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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34話

「おっ風呂~♪ おっ風呂~♪」


 カエデはご機嫌でお湯の出る蛇口を見ながらお風呂と口ずさんでいた。お湯が溜まれば自動的に止まるのだが、家のお風呂にはそんな機能がついていなかったカエデは、真面目にお湯が溢れない様に見張っていた。


「思ったよりも熱くないから、これならすぐに入れるかも」


 カエデは湯船に手を入れて温度を確認する。少し冷めるまで放置する予定だったが、思ったよりも温度が低かったのでお湯が溜まり次第入る事にした。


「ふっふふ~ん♪」


 お湯が溜まったので、カエデは風呂に入ることにする。濡れないように検査衣を入り口付近のハンガーにかけて下着はゴミ箱へ捨てる。


「やっぱり、あったかいお風呂って幸せな気分になれるよね」


 カエデはご機嫌でお風呂に入り、体をきちんと石鹸で洗い、再びお風呂に入ったところで声がかかった。


「カエデちゃん、いるー? お酒欲しいんだけどー」


 どうやら、アヤヒの様だ。お酒と言っているが、まだノンアルコールなので酔ってはいないはずだ。


「アヤヒさん? 今、お風呂に入っているので自由に持って行っていいですよー」

「あっ、ごめんねー。じゃあ、貰っていくからー」


 鍵は閉めていなかったので、アヤヒは普通に冷蔵庫からノンアルコール飲料を取り出して持って行く。不用心に思えるが、自宅ですら鍵を閉めないカエデにとっては普通の事であった。そして、外部からの侵入者が居ないだろうと思い、いつも以上に不用心であった。そもそも、この研究所には女性の職員と治験者しか居ない上、脂肪の少ない自分の体に自信のないカエデは、覗かれる心配もしていない。実際はすでに盗撮カメラで見られているが、確認しているのは女性職員である。


「アヤヒさん、飲みすぎの様な気もするんですけど、大丈夫かなぁ」


 カエデは体を拭いて新しい下着と検査衣に着替える。いつもであれば、その後念入りに髪の毛をタオルで拭くのだが、ここにはドライヤーが置いてあった。


「これ、使ってもいいってことだよね?」


 カエデは、生まれて初めてドライヤーを手に取った。友達から便利だとは聞いていたが、電気の通っていない自宅では使う機会なんて無かったのだ。


「えっと、このスイッチを入れればいいのかな? うわっ、冷た! もう一個のは・・・うん、あったかい」


 カエデは最初クールに入れてしまったが、すぐにヒートの方へ切り替える。慣れていない為、適当に温風を髪に当てていたが、ほどほどに乾燥させることに成功した。


「よしっ。これですぐに寝ても寝ぐせにはなら無さそうだよね」


 改めて時計を確認すると、21時過ぎ。そろそろ寝てもいいころかと思い、カエデはベッドへと向かう。体があったまったおかげか、ベッドに横になるとすぐに眠くなってきた。


「おやすみなさい・・・」


 誰に言うともなく、そうつぶやいてカエデは眠るのだった。

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