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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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33話目

 食事を終え、皆で部屋へと戻ってきた。食事の間に清掃が行われたようで、綺麗になっていた。


「至れり尽くせりで気が引けるけど、その分何かでお返ししないとって思っちゃうよね」


 カエデはとりあえずシャワーでも浴びようかと、部屋の奥へと向かう。そこにある小さなテーブルに封筒が置いてあった。


「あれ? なにこれ。私宛だから開いてもいいよね」


 カエデは封筒を裏返して自分あてであることを確認し、封を開ける。中にはお知らせが書いてあった。


「あっ、検査結果は問題なしだったんだ。もしかしたら、ダメかもしれないって思ってたんだけど」


 カエデは同年代に比べて明らかに身体的な状態は悪いと自覚していたので、検査結果で問題が無かった事にホッとする。そして、その下には引き続き予定が書かれていた。


「えっと、明日の朝9時から新しい薬の治験か。その前に身体検査を行うからシャワー等で体を綺麗にしてきてください、か」


 カエデはそれを見てクローゼットの中のタオルと下着の数を確認する。今シャワーを浴びても、明日の分はあるようだ。特に汗をかくような事はしていないのだが、普段は冷たい水で体を拭くぐらいしか出来なかったカエデにとって、暖かいお湯で贅沢に水を使えるという事に幸せを感じるのだ。なんなら、ある程度食事の消化が終わればお風呂に入りたいとすら思っている。


「ちょっとだけシャワーを待ってお風呂にしようっと」


 1回だけ入れるのなら、シャワーをやめてお風呂にしようとカエデは思い直す。タオルと下着を1枚で使いまわすのなら2回入れるのだが、間に結構な時間が空きそうなのでシャワーを我慢する事にした。ちなみに、下着は使い捨てなのでそのままゴミ箱行きである。勿体ないとは思うが、持ち帰る様な事は出来ない。服も、常に検査衣を着ているので自分の服と下着を使う事は無いし。これは、常に清潔にしておけという事なんだろうけど。


「うーん、一人だった頃だったらもう寝るだけなんだけど、明日早起きしなくていいって思うと寝るには早すぎるしなぁ」


 長年の慣れですでに眠くなってきているのだが、時刻はまだ19時前である。特にやることは無いが、今寝たら恐らく4時前には目が覚めるだろう。


「とりあえず、21時ごろにお風呂に入るとして、ぬるめに入りたいから20時30分頃にお風呂を沸かせばいいかな」


 熱いお湯がどのくらいで冷めるのか、久々のお風呂で感覚が分からないが、もし熱ければ待てばいいだけだと思い、とりあえず30分前にお風呂を沸かすことにする。ビジネスホテルとは違い、ボタンを押すだけで設定温度でお湯張りをしてくれるのだが、カエデは初期設定の45度がものすごく高温に思えていたのだ。


「他のみなさんは、何をしているのかなー。それをわざわざ聞くのも迷惑だろうし・・・。あっ、アヤヒさんはきっと飲みながらテレビを見てる気がするけど。そして、ユカリさんは壁に向かって立っているのかなぁ・・・」


 最初に部屋に行った時に見たイメージが脳内で再生される。そして、きっとそれほど予想が外れていないだろうと思いながら、カエデはテレビをつけ、番組表を見る。やはり、興味が惹かれるような番組は無く、テレビを消す。今更新しい番組を見ようと思えず、ニュースは今の状況では役に立たないだろうと。


「うーん、今度はアヤヒさんに勝てるようにウノの勝利までの流れをイメージトレーニングしておこうっと」


 ただ、そんな事をイメージするよりも、実際に遊べばいいじゃ無いかと気が付いた時にはすでに20時30分になっていたので、お風呂を沸かしに行く事にした。

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