32話目
各々好きなものを注文するカエデ達。ユカリは食べやすいうどんに挑戦し、アヤヒはカツカレー、アサミは生姜焼きを頼む。そして、カエデはバランスの良さそうな定食にした。カエデは肉は大好きなのだが、そればかり食べるのも体に悪いと思い、夕食はサラダと鮭とみそ汁というバランスの取れたものを食べようと思って。
「いただきます!」
出来上がりは当然ユカリが一番なのだが、他の料理が出来るのを待って食事前の挨拶をする。ユカリはやはり、みんなと一緒の方が吐き気が収まる様で、ゆっくりではあるが箸を進める。
「それにしても、次の治験はいつなんだ?」
アサミは肉を食いつつ話す。食事のマナー的に、口にものを入れながら会話するのは行儀が悪いのだが、ここにはそれを指摘する者は居ない。
「今日の診断の結果次第って言ってたけど、どれくらいで終わるんだろうね。まあ、あたしとしては別に急ぐ必要は無いからいつでもいいんだけど」
「私も、いつでもいいですね」
「・・・終わり次第、帰るだけ」
アヤヒは特に急いで帰る理由が無い。借金を返すのは早い方が良いが、ここに居るだけで1日1万円が貰えるのだ。今すぐ帰っても仕事が無いので、今現在が働いている状態となる。カエデも、消極的な理由で帰るのはいつでも良かった。仮に今すぐ終わりだと言われても、今ならユカリと一緒に住むという選択肢ができたからだ。勉強は多少遅れるかもしれないが、もともと勉強しかやることがなかったカエデにとっては数週間くらいの遅れは何ともない。すぐに追いつくことが可能だろうと考えていた。ユカリも急ぐ必要が無く、今もすでにカエデと一緒に居るようなものなので変わらないと考えている。だから、終わったら終わったで住む場所が変わるだけだと。
「はぁ? さっさとお金を貰って、ちゃちゃっと元の生活に戻りたいって思ってるのはうちだけなんか?」
「別にここの生活が気に入ったってわけじゃ無くて、急ぐ必要は無いって考えてるだけだよ。あたしも借金を返すのは早い方が良いけど、今現在も働いてるようなものだし」
「でも、新しい薬を飲まないと報奨金っていうバカでかい金額は貰えないぜ? 働くにしても、うちはまず義足とか作らないといけないしな」
アサミの片足はひざから下が無い。バイク事故の時に損傷し、切断するしかなかった。他は大したことのない擦り傷だったからこうして入院していないが、普通に大怪我だ。アサミは、松葉杖の生活は片手が塞がって行動しにくいため、とりあえず義足は作りたかった。
幸い、ひざ下が少しだけあるので、そこに付けるだけのものならそれほど高額ではない。稼働する部分が無いだけで安く作れるのだ。ただ、骨にボルトで固定したりするならば手術が必要なため、ある程度まとまったお金は必要だ。
アサミは当然、任意保険になんて加入していないのだからすべて自腹だ。高額医療費の還付を受けるにしても、まずは支払いが先なのだ。
そこへ、ミカコも食事に訪れた様で、食堂へ入ってくるのが見えた。アサミはすぐにミカコへと声をかける。
「あっ、お姉さん、 各々好きなものを注文するカエデ達。ユカリは食べやすいうどんに挑戦し、アヤヒはカツカレー、アサミは生姜焼きを頼む。そして、カエデはバランスの良さそうな定食にした。カエデは肉は大好きなのだが、そればかり食べるのも体に悪いと思い、夕食はサラダと鮭とみそ汁というバランスの取れたものを食べようと思って。
「いただきます!」
出来上がりは当然ユカリが一番なのだが、他の料理が出来るのを待って食事前の挨拶をする。ユカリはやはり、みんなと一緒の方が吐き気が収まる様で、ゆっくりではあるが箸を進める。
「それにしても、次の治験はいつなんだ?」
アサミは肉を食いつつ話す。食事のマナー的に、口にものを入れながら会話するのは行儀が悪いのだが、ここにはそれを指摘する者は居ない。
「今日の診断の結果次第って言ってたけど、どれくらいで終わるんだろうね。まあ、あたしとしては別に急ぐ必要は無いからいつでもいいんだけど」
「私も、いつでもいいですね」
「・・・終わり次第、帰るだけ」
アヤヒは特に急いで帰る理由が無い。借金を返すのは早い方が良いが、ここに居るだけで1日1万円が貰えるのだ。今すぐ帰っても仕事が無いので、今現在が働いている状態となる。カエデも、消極的な理由で帰るのはいつでも良かった。仮に今すぐ終わりだと言われても、今ならユカリと一緒に住むという選択肢ができたからだ。勉強は多少遅れるかもしれないが、もともと勉強しかやることがなかったカエデにとっては数週間くらいの遅れは何ともない。すぐに追いつくことが可能だろうと考えていた。ユカリも急ぐ必要が無く、今もすでにカエデと一緒に居るようなものなので変わらないと考えている。だから、終わったら終わったで住む場所が変わるだけだと。
「はぁ? さっさとお金を貰って、ちゃちゃっと元の生活に戻りたいって思ってるのはうちだけなんか?」
「別にここの生活が気に入ったってわけじゃ無くて、急ぐ必要は無いって考えてるだけだよ。あたしも借金を返すのは早い方が良いけど、今現在も働いてるようなものだし」
「でも、新しい薬を飲まないと報奨金っていうバカでかい金額は貰えないぜ? 働くにしても、うちはまず義足とか作らないといけないしな」
アサミの片足はひざから下が無い。バイク事故の時に損傷し、切断するしかなかった。他は大したことのない擦り傷だったからこうして入院していないが、普通に大怪我だ。アサミは、松葉杖の生活は片手が塞がって行動しにくいため、とりあえず義足は作りたかった。
幸い、ひざ下が少しだけあるので、そこに付けるだけのものならそれほど高額ではない。稼働する部分が無いだけで安く作れるのだ。ただ、骨にボルトで固定したりするならば手術が必要なため、ある程度まとまったお金は必要だ。
アサミは当然、任意保険になんて加入していないのだからすべて自腹だ。高額医療費の還付を受けるにしても、まずは支払いが先なのだ。
そこへ、ミカコも食事に訪れた様で、食堂へ入ってくるのが見えた。アサミはすぐにミカコへと声をかける。
「あっ、ミカコさん!」
アサミは手を上げ、ミカコに存在をアピールする。ミカコもそれに気が付き、食券を買う前にアサミの元へと来る。
「食事前に悪いけど、次の治験はいつなんだ?」
「診断はもう終わっているから、あとは所長の判断次第ね。予定が決まり次第、連絡がいくと思うわよ」
「それって、明日にでもあるってことっすか?」
「そうね。早ければ明日かもしれないわね。とりあえず、今日はもう無いから好きに過ごしていていいわよ」
「あざっす!」
アサミはミカコにお礼を言うと、食事へと戻る。ミカコも話が終わったと判断し、券売機の方へと向かった。




