21話目
「全員揃っているかー?」
入ってきたのは、眼鏡をかけた白衣の女性とミカコ、そして松葉杖をついた女の子だった。女の子は金髪で、外見は不良に見える女性だった。眼鏡をかけた白衣の女性は、ぐるりと会議室内のメンバーを確認する。
「よしよし、揃っているようだな。じゃあ、集まってくれ」
全員が眼鏡の女性の前へと並ぶ。眼鏡の女性の横にはミカコが並び、カエデ達の方に松葉杖の女の子が並ぶ。
「よし、まずは自己紹介から始めようか。私は悠木碧、この研究所の所長だ」
「え・・・所長?」
カエデは、つい疑問が口から漏れる。アオイは、その呟きが聞こえたのか、元々説明する予定だったのかは分からないが、再び口を開いた。
「私はすでにアメリカで博士号を取っている。いわゆる飛び級の天才なんだぞー。これから皆に試してもらう薬も、すべて私が発明したものだ。その調合の微調整の為に、これから君達の体を調査させて貰う事になる。さて、検査に入る前に、君たちの自己紹介も進めようか。被験者になる君たちは、これから基本的に番号で呼ぶことになるが、名前くらいは知っておいた方がいいだろう? では、1番から」
アオイはそう話を進めた。カエデは、アオイが天才研究者ということで納得する。そして、他のメンバーも特に質問は無いのか、マリアがスッと一歩前へ出て自己紹介する。
「わたくしの名前は長縄まりあ。番号は1番ですわ」
「・・・2番、田村ゆかり」
「あたしは3番、高垣彩陽よ」
「よ、4番、本渡楓、です」
「5番、田野アサミだ」
順番に自己紹介を終える。実際は、すでに自己紹介は終えていたが、一人増えたので仕方がない。続いて、ミカコが自己紹介する。
「私は小松未可子よ。保険医とメンタルケアを兼ねているから、何かあれば私に言ってね」
「さて。自己紹介も終わった事だし、事務的な連絡事項を伝えるから、しっかり覚えてくれよ」
アオイは、つらつらと説明を始める。その中には、ミカコから聞いた監視カメラの話も含まれていた。その中に、人の出入りを確認するために入り口を監視する隠しカメラが設置されているという話があった。カエデは、ミカコから聞いた話と少し違うと感じ、ミカコを見ると、少し表情を変えたので今は何も言わない事にする。
「何か質問はあるかー?」
カエデは、他の人から監視について質問があるかと思ったが、誰も質問しないのでカエデも黙る事にし、そういうものなんだと納得する。何より、カエデは自分の意思でここに来たわけでは無いので、もしかしたら他の人たちはすでにカエデの知らない何らかの話を聞いている可能性があるからだ。
「特に無いなら、さっそく検査をするからなー。それじゃ、1番から順番に並んでくれ」
アオイとミカコは検査のために場所を移る。そして、素直にマリアから順に検査を進めるのだった。




