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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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11話目

 カエデはふと目を覚ます。特に目覚ましは付けていないが、習慣で毎朝大体同じ時間に起きる。大抵は夜暗くなったら寝て、朝明るくなったら起きるのだが、ここは窓のない部屋なので今が朝かどうかは分からない。なので、とりあえず電話の時計を見る。


「5時かぁ。昨日は遅くまで起きていたけど、意外と起きれるもんだね」


 実際は、睡眠薬によって数時間眠らされていたためそこまで睡眠時間は短くないがカエデは気が付いていない。


「この時間だと、朝食はまだだよね」


 朝食は6時から準備されていると聞いているので、まだ出来ていないだろう。カエデはこの時間、いつもなら学校の教科書を開いて予習をするのだが、今は勉強道具は何も無い。暇なので、引き出しからウノを取り出して説明書を読む。ウノはやったことがないので、ルールくらいは知っておいた方が良いかもしれないと思い立った。

 しかし、数分で読み終わる。それに、説明書だけだといまいちルールが分かりにくい。スキップやリバースは二人だったらどうなるのだろう。アヤヒにでも聞いてみようかと部屋から出ようと思ったが、昨日の様子だと恐らくまだ寝ているだろうと思いとどまる。


「暇だー」


 カエデは再びゴロンとベッドに転がると、テレビが目に入った。ここ数年、家でテレビを見ることが無かったため、テレビを見るという事がスポンと頭から抜けていた。テレビは、一番簡単に外部の情報を得られるじゃないかと。


「リモコン、リモコンー」


 リモコンは、テレビの近くに置いてあった。とりあえず、電源を入れる。朝5時という事もあり、面白そうな番組はまだ無いようだ。とりあえず、天気予報でも見る。


「アヤヒさんの言っていた通り、ここは関東でいいみたい」


 関東地方の天気が重点的に放送されているため、関東地方なのだろう。という事は、家からそれほど離れていないことになる。と言っても、徒歩で帰るには遠いし、何よりもう家は無いから帰る意味も無い。本当に、これからどこで過ごせばいいのだろうか。

 幸いと言うか、カエデは家はあるがホームレスの様な生活を5年生の時にしていたことがある。夏休み、お金が足りなくてヨモギなどの食べられそうなものは家の周りの物すべて食べた。草が無くなったら、セミの幼虫や何か分からない幼虫も食べた。

 何かが原因でお腹を壊しもしたが、それでも我慢して食べていたら慣れた様で、大抵のものは食べられるようになった。空腹でどうにかなりそうだったとは言え、あの時は本当に何でも口に入れていた。

 6年生の時には、見かねた近所の人たちがお手伝いの代わりに食料くれると言ってくれたので、ホームレス生活は5年生の時だけだったけれど。あれ以来、何を食べても腹を壊すことが無くなったことだけは良かった事だと思う。

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