「どんな本が好きなんですか?」って質問、やめませんか?
結論から言うと「趣味は何ですか?」って聞かれた時に「読書です」って答えなきゃいいんですよね。
適当に「健康維持のためにウォーキングを」とか、「料理にハマってまして」とか「推し活に励んでます」とか。いくらでも大人の誤魔化し方が出来るんですけど、なんかそれは嘘じゃないですか? いや嘘ではないのは分かりますけど、ちょっと違うな~って違和感があるんですよね。面倒臭い奴だなってのは分かってます。
だから正直に「読書です」って答えるんですよ。そうすると定型文の質問が返ってくるわけです。
「へぇ……どんな本が好きなんですか?」
または「どんなジャンルが好きなんですか?」と聞かれる場合もあります。この質問、私にとってしんどいんですよねぇ。
まず「本」ってくくりが大きいじゃないですか? 相手が想定している「本」=小説だとしましょうよ。でもこっちは──そうだな。「英辞書です」とか答えたら「え、あ、辞書ってそういう本のくくりに入れるんだ……」みたいな空気が漂うじゃないですか。
小説は小説でも「官能小説です」とか大真面目に言った日には、言った側が罪人みたいな雰囲気になりますし。
あと頑なに図録とか雑誌は読書とか「本」としては認めない奴とかもいるんでね。文字が書いてあって、まぁ書いてなくても、「本」として製本されていればれっきとした「本」にカウントされるんですよ。
だから「どんな本が好きなんですか?」って質問、やめた方がいいですよ。両者の会話を平穏なものとするためには。あんなの何も産まないですからね。
別に私の趣味なんか聞いてない? いや刑事さん、さっき私の趣味について質問しましたよね。だから読書って答えたじゃないですか。それにどんなものが好きかってのも正直に話しましたよ。
「貴方が盗んだのは学生の卒業アルバムで間違いないですね」
「はい間違いないです」
「ではなぜ盗んだのですか?」
「何故って……読書が趣味だからですけど何か?」