第四話 初めての魔法
…マズい、非常にマズい。エレナさんを追いかけ薄暗い路地まで来たが完全に迷った。しかもあのチンピラみたいな奴らもエレナさんももう近くにいないため元のトラジさんのいる建物に戻る道が全く分からない、とりあえず広めの道に行って知っている場所に出たいところだが…
少し歩くと薄暗い路地から広い道に出ることができた、そこにはあの夢で見たのと同じ街並みが広がっていた。レンガ敷きの道、道を行く人々、ファンタジーでよく見る中世のような街並みに夕日が相まってとても綺麗だ。ただ今は早く合流した方がいい、そう思い歩き始めて少しした頃。
「あれ?君、タイシ君かい?」声がした方へ振り向くと服は変わっているが先ほどの門番さんだった。
「すみません、道に迷ってしまって…トラジさんのいる場所に行きたいんですけど…」と聞くと「分かった、とりあえずトラジ君に連絡しようか」と彼は言い視線を自らの手に向けた。
どうやって連絡するのか気になり自分も彼の手を見つめていると手から透き通る水色の線が伸び、そのまま通りの向こうへと伸び続けた。タイシの不思議なものを見る目に気づいたのか門番は話しかけてきた。
「これは「テル」っていう魔法だよ、魔力によって繋がりを作って会話をしたり視界を共有したり出来る便利な魔法さ、もしかして魔法を見るのは初めてかな?」
「はい!初めて見ました!」…よく考えたらトラジさんもなんか魔法?出してたけど…
「…よし、トラジ君に連絡着いたよ。この通りを真っ直ぐ行った所にいるみたいだ。」
「分かりました、色々ありがとうございました!」礼を言うと彼は「今度ははぐれるなよ!」と言い去って行った。
言われた通りの方角に進んで行くとトラジさんがいて、「心配したよ…ここ最近悪い人間も増えてるからね…今度ははぐれないでね!」ととても安心したような微笑みを浮かべながら言われてしまった。心配をあまり掛けないように気をつけないといけないな…
魔法関連の設定をやっと決めたのでまた更新再開出来ます!
…まあ、次こそもっと早く投稿したいです…