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大賢者、旅立つ

「と言う訳でゼロ君には魔物の討伐に行って貰いまーす」


「ちょっと待ってくださいイリス学園長、話が急すぎるんですが」


学園長に呼ばれ突然こんな事言われたら誰だって面食らう。

驚いてる俺を尻目にイリス学園長はにこやかな笑顔を崩さない。


「国が正式に賢者と認めた人の義務よ~。諦めなさ~い」


「なりたくてなったんじゃないし、そんな称号もいらないです!」


と言いたい所だが正直忌まわしいこの力は今は気に入っている。

女の子と仲良くなって色々できるんだからな。

しかも今まで俺の事を貶して来た奴等を見返す事ができる。

ここで国の機嫌を損ねて幽閉なんてされたら最悪だしな。

魔法至上主義のこの国の事だ、やりかねないだろう。

俺は渋々とイリス学園長の命令を受ける事にした。


「で、なんでお前たち迄ついてきてるんだ?」


「私がいないと魔術が使えないでしょ?」


メアが抱きつきながら言う。


「その役目は私で十分な筈だ。それと婿殿から離れろ!」


といいつつも手を繋ぎ離さない御門先輩。


「二人ともいい加減にして下さい!彼は物じゃないんですよ!」


そうだもっと言ってやれ!と言いつつもアリスも胸を背中に押し付け、

俺の首に手を回している。


「成績上位者の3人を同伴していく事が決まりとはいえ、まさかこの面子とは…」


三人の美少女達が密着している。

それだけで最初俺は興奮していたのだが、

こうもずっとまとわりつかれると、さすがにうっとおしかった。


俺は気を紛らわすために依頼の書かれた書物を確認した。


「えーなになに?相手はスライム三百匹か…楽勝…って三百匹!?」


さすがに数が多すぎるだろう!これは一旦戻って抗議せねば!

しかしそれを見ても動じない3人の美少女達。

彼女達の言い分はこうだ。


「(旦那様の)(婿様の)(君の)魔術なら楽勝だよ」らしい


どうやら俺は自分の力を過小評価していた様だ。

等と考えながら歩いているとスライムの大群が現れた。


「さっさと焼き尽くしちゃいましょう、旦那様」


メアが俺の手を絡ませるように握る。


「いや、ここは森だぞ。氷魔術で責めるべきだ」


御門先輩が俺の手を必死に掴む。


「……が、がんばって!」


アリスは俺の頬にキスをした。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!ブリザード!」


テンションの上がった俺は思わず上級の氷魔術を繰り出してしまった。


「いきなり…激しい、のね…旦那様」


「これはかなり効いたぞ、婿殿…」


スライムは全滅したが、激しいMP消費にぐったりと倒れ込む二人。

一方でMPを消費してないアリスはぴんぴんしていた。


「しょうがないなぁ。二人とも肩貸すからほら立って―」


俺が二人を立たせようとしたその時である。

地下から更に大勢のスライムが現れ、メアと御門先輩にとりついた。

間一髪で避けた俺とアリスは遠くからそれを眺める事しかできない。

何故なら最強の魔術と魔力は周囲を巻き込む諸刃の剣だからである。

あれだけのスライムの大群を倒しながら助け出すのは至難の業だろう。


そう思った矢先である。


「くっ、熱い…」


悶え必死に耐える御門先輩。


「体が火照ってきちゃう…」


くねくねと身体をよがらせるメア。

どうやらこのスライム、とりつかれても害は無いらしい。

しかしそこでは予想外の出来事が起きていた。


なんと


なんと


服が溶けているのである。


「こ、このままにしておいてもいいんじゃないか?その、無害だし…」


「何言ってるんですか!無害なら助け出せますよね!?」


アリスに怒られる俺。

俺はしょんぼりしながら半裸状態の二人を助け出すと、

アリスにMPタンクになって貰い、スライム達を一掃した。


―とある街宿の一室


「あーあ、惜しい事したなぁ…服だけを溶かすスライムかぁ」


「そんなに見たいなら見せてあげてもいいわよ?旦・那・様♡」


落胆する俺の隣に座り体を密着させて来るメア。

少しだけ服がはだけていて普段より肌色が多く見えていた。


「え!いいのか!?」


「だって結婚したらしょっちゅう見る事になるんだもの」


「メ、メア…」


俺は手を出すとメアの胸に服越しに軽く触れる。


「どう?私だってドキドキしてるのよ?」


「あ、ああ―」


それから先はよく覚えていない。

俺が目を覚ますと隣にはメアが寝ていた。

そしてノックの音が響き渡る。

そこからどう誤魔化したかはよく覚えていない。

ただ体全体が痛いのだけは体がよーく覚えていた。

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