漫才 もしも警察犬が喋れたら
ツッコミ
「昨日、家の池に落ちたボールを取ろうとしている危ない幼い子を止めて自分が代わりに網を使ってボールを拾う犬をみたんですよ」
ボケ
「凄いの見たな、覗きの趣味が活かされたな」
ツッコミ
「動画や、覗きの趣味は持ってません」
ボケ
「動画か、しかし網を使ってボールすくうとか賢い犬やな」
ツッコミ
「そこら辺の人間よりも役立ってますよね」
ボケ
「ほんまやな、毎日弁当買う度に箸要りますかって聞くから手で食べるんですかって聞き返すと舌打ちして来るコンビニの店員よりも遥かに役に立ってるわ」
ツッコミ
「今からその店員さんに謝りに行きたいわ」
ボケ
「それなら先に牛丼屋の店員さんに謝り行った方がいいと思うで」
ツッコミ
「いや、その話はもう聞きたくない」
ボケ
「なら放し飼いにしているウチの犬に毎日追いかけられる新聞配達のおっちゃんの話は?」
ツッコミ
「繋いどけや、お前捕まるぞ、さっきの犬みたいに賢い元警察犬でもあかんのに」
ボケ
「ああ、動画の犬は元警察犬なんか、なるほどな」
ツッコミ
「そうそう、しかし警察犬って格好いいけど大変やろうな」
ボケ
「ほんまやな、毎日変な客を相手にせなあかんコンビニの店員さんと同じくらい大変やろな」
ツッコミ
「比較対象が違うやろ、まあ自覚があっただけ安心したわ」
ボケ
「あの警察犬がもしコンビニの店員さんみたいに喋れたらどうなるやろ」
ツッコミ
「さっきからコンビニの店員さん限定の意味が分からんけども、犯人の行方とかビシッと言うやろな」
ボケ
「ちょっとやってみようや、お前、犬のお巡りさんやれや」
ツッコミ
「犬のお巡りさんって、ままええわ、おい、犯人が着ていたシャツだ、匂いを嗅げ」
ボケ
「ゴホッまたおっさんのかいな、たまには女子高生の制服の匂いでも嗅がせろや」
ツッコミ
「いいから嗅げや、仕事やろが」
ボケ
「嫌じゃ、どうせまた俺が見つけた犯人の手錠をお前がかけるんやろが」
ツッコミ
「まあ気持ちはわかるけど、お前の肉球じゃ手錠かけられんやろ」
ボケ
「差別か?ああ差別か?人権委員会に言いつけるぞ」
ツッコミ
「人権ってお前、犬やん」
ボケ
「言うてはならん事を言うたな、犬で悪るかったな、俺が犬やから犯人の匂いを追跡できるんやぞ」
ツッコミ
「いやいや、俺はお前を頼りにしてるし差別する気なんてないよ」
ボケ
「なら何で犯人捕まえた時もお前だけ賞金みたいの貰ってるんや、俺が捕まえたんやろが」
ツッコミ
「だからその日はデッカい骨食わしたってるやんか」
ボケ
「骨ってどうせ安置所から持って来とるんやろ」
ツッコミ
「違うわ、怖いこと言うなや、ちゃんと肉屋から貰ってきとるわ」
ボケ
「やっぱり貰って来とるんやな、そんなケチくさい事せんと、たまには可愛い雌犬がいる店くらい接待せいや」
ツッコミ
「どんな店やそれ」
ボケ
「匂い嗅ぎまくりの店や、お触りは禁止やけどな」
ツッコミ
「お触りしてる光景が上手く想像できんわ、でも確かに警察犬は大変やな」
ボケ
「まあ、警察関係は毎日命懸けで大変やろうな」
ツッコミ
「それに比べたら愛犬は楽そうやな」
ボケ
「いや、それはわからんよ、独身に飼われたら大変やぞ」
ツッコミ
「そっか、なんもせんでご飯食べさせて貰って幸せやと思うけどなあ」
ボケ
「お前、犬の立場になって考えた事あるか?」
ツッコミ
「犬の立場から考えて楽そうやけどな」
ボケ
「毎日、会社から帰ってきたらキナコちゃんただいまあ、ちゃみちかったでちゅねー、ごめんなちゃいねーって謎の名前つけられて赤ちゃん言葉で話しかけられたりするんやぞ」
ツッコミ
「いいやんか、めちゃくちゃ可愛がられてるやん」
ボケ
「キナコやぞ、名前がお菓子の原材料やぞ、それになんで赤ちゃん言葉やねん、小型犬とか3年経ったらそこそこおっさんやからな」
ツッコミ
「キナコめちゃくちゃ可愛い名前やん、それに愛犬は見た目が可愛いから仕方ないわ」
ボケ
「ほんでもって、最近LINEの返信が遅いの嫌われてるのかな?みたいな愚痴を毎日聞かされるんやぞ」
ツッコミ
「そんくらい聞いてやれや」
ボケ
「こっちは散歩以外はずっと部屋に閉じ込められてるから中年になっても未だに童貞や、恋愛話の愚痴なんか聞く気になれるか」
ツッコミ
「なるほどな、お前が俺の愚痴を聞いてくれない理由に似てるな」
ボケ
「アホか、俺はちゃんと毎日出かけてるし口説いてる相手もおるわ、ばっちり手応えあるから近いうち付き合えると思うで」
ツッコミ
「口説いてるだけか、どこの人?」
ボケ
「毎日弁当買いに行くコンビニの店員さんや」
ツッコミ
「自覚なかったんかい」