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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

マッハ沸点おじいちゃん。

作者: ヒロモト

私の旦那は怒った事がありません。

どれだけ侮辱されようが騙されようが殴られようが愚痴一つ言った事がないのです。

私はそんな彼と結婚できて本当に幸せでした。

私からプロポーズする程好きだったんだもの。


70になる今日まで旦那にネガティブな事を言われた事も否定された事もありません。

いつも誉めてくれるしいつでも何とかしてくれるそんな頼もしい私の愛しい人。


旦那は定年退職してずっと家にいますが、他の奥さん方が言う様に『ずっと旦那が家にいると狂いそうになる』なんてことはありません。

むしろ頼りがいのある旦那が家にいてくれるとホッとします。


「図書館に行ってくるよ」


「分かったわ。そうだ。今日から編み物教室に行くから鍵を持っていってね。晩御飯までには帰るから」


「えっ?習い事かい?」


「ええ」


「僕と結婚する時の約束忘れたのかい?」


「覚えているわよ」


『何をしても言ってもいい。だから習い事だけはしないでね』確かにそう言われましたし約束は守ってきましたが、もういいかと思ったんです。

週に2度の編み物教室ぐらいねぇ?いいでしょう。


「むぅ」


旦那は玄関から台所に戻り包丁を取り出しました。

何をするのかな?と思っていたらそのまま包丁を私の胸に突き刺しました。


「夕方には帰るからね。それまでに死んでてね」


「ええ分かったわ。いってらっしゃいあなた。車に気をつけて」


「うん」


ゆっくりソファーに座って庭から見える景色を見ながら死ぬことにしました。

長い夫婦生活で二回しか旦那は私にお願いをしなかった。

その一つを破ってしまったんだからこのお願いは絶対に聞かないと。

私は旦那の言いつけ通り夕方までに死にました。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初はエッセイだとばかり思ってました(^.^;←ジャンルとか見ないやつ それだけに途中から「エエーー!?w」と。 はい、笑ってしまいました……。 本当に怖いものを見ると笑ってしまうと…
[一言] ええええええ……!? わからない! それだけにこわいです……!
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