岡崎常務 初出社
ここはある港町にある「株式会社中西港運」という中小企業で1階はマイクロバス等の駐車スペースがあり、そこで作業員が朝の体操と朝礼を横目に見ながら、2階の事務所に入る扉に手を掛けると。
ガチャ
鍵が締まっている・・・。
「すみません!2階の事務所は9:00からなんです。どちら様でしょうか?」
「そうですか・・・。あなたは?」
「あっ!私は現業部の次長をしている森本と申します。」
「これはこれは・・・。私は、本日からこちらでお世話になる大岩組の岡崎と申します。よろしくお願いいたします。」
「これはご丁寧に・・・。本日から常務として来られた岡崎さんですね。こちらから2階に上がれますので、会長と社長は車があるので既に出社されていると思います。」
そう言いながら森本に案内され2階の事務所に通された。
すると、70歳を過ぎたぐらいの男と40歳前後の男の二人がいた。
「会長の中西巌です。そしてこちらが息子で社長の中西巧です。」
そう会長から紹介された。
「はじめまして、私は大岩組でコンプライアンス室室長をしておりました岡崎健介と申します。若輩者ですが、中西港運の発展のため力を尽くしますので、よろしくお願い申し上げます。」
「コンプライアンス室ご出身ですか・・・。それではうちのコンプライアンス部署の責任者としてもご尽力いただきたいですね。」
そう社長の巧が口にすると、会長は少し嫌な表情を見せたがすぐに戻し、
「そうだな・・・。そのあたりは専務の西本が出張から帰ってきてから考えよう。」
その一連の流れで、岡崎は経営陣の能力はおおよそ測ることができた。
(社長は馬鹿決定・・・。会長は馬鹿ではないが無能だな。あとは専務がどうか?といったところだ。)