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4‐7 僕の命は、一体、なんなんですか……

 セレナはアルトの目の前まで迫っていく。そこでようやく顔を前に上げると、その目線を真っすぐに捉えながら話しを始めた。


「アルト君。私たちからのお願いです。どうか、アルト君のお母さんを、元の場所に埋めてあげませんか?」


 アルトは問答無用に首を横に振る。


「無理です。たとえセレナさんの頼みでも、それは譲れません」


「そんなに、お母さんを生き返らせたいですか?」


「はい。僕は、お母さんに生きていてほしい。僕の命と魔法使いの才能は、ちゃんとお母さんの元にあるべきだから」


 譲る気配のない、きっぱりとした答え方。それを聞いたセレナは、黙ってアルトの横に立ち並び、エスティータの顔を眺めた。


「自分を犠牲にしてお母さんを助ける。それだけ、アルト君はお母さんのことが、大好きなんですね」


「そうです。大好きだからこそ、贈り物を贈るんです。僕を庇ってからの一年分も、幸せであってほしいです」


 セレナの肩が、微かに震えだす。何かセレナの中で、思うところがあったのだろうか。すると、セレナはアルトに向かって、両腕を伸ばすと、胸元の辺りまでずんっと突き出した。そして、エスティータの遺体の横で何をするのかと思えば、セレナの左腕についてるブレスレットの宝石が銀色に光り出し、瞬間的に風魔法が発射された。


「ふざけないで!!」


 突然怒り出したセレナ。一瞬の風音と共に、アルトの体が強く壁まで吹っ飛んでいくと、後ろにあった木製の本棚が壊れ、大量の本と土煙がアルトの体を隠した。その光景に、俺は口をあんぐりと開けてしまう。


「お、おいセレナ!? 急に何やってんだ!?」


「私、アルト君を絶対に止めます。何が何でも、禁忌級聖魔法なんて使わせません」


「だからって、これはやりすぎなんじゃ――」


 そう訴えようとした瞬間、土煙の中から氷の塊が飛んできた。俺たちがそれに気づいた時、それは既に俺のおでこに強くぶつかっていた。


「っげは!?」


 思わず体が床に倒れる。セレナはすぐにアルトのいる方を向くと、代わりにキャリアンが駆け寄ってきた。


「だ、大丈夫、ハヤマ君?! 今、聖魔法で治してあげるから!」


 キャリアンに優しく体を起こされると、おでこの当たった部分に、小さな魔法陣を向けてきた。頭がくらくらしている中、俺の目には、立ち上がったアルトとセレナが、互いに魔法陣を向き合わせている光景が映っていた。


「セレナさん、ッケホ。どうして、邪魔するんですか」


「禁忌級を使うことを、あなたのお母さんが望んでいないからです」


「そんなの、どうやって分かるんですか!」


 アルトがまた氷の塊を打ち出す。セレナはもう一度魔法陣を浮かべて、それを風の衝撃波をぶつけて相殺する。


「むしろ、どうしてアルト君は分からないんですか! 子供を思う親の気持ちが!」


「そんなの分かりませんよ! お母さんに生きていてほしかったのに、勝手に庇ったんですから!」


「お母さんは、自分の身を犠牲にしてアルト君の命を守ったんですよ! それを知ってて、どうしてそんな簡単に自分の命を捨てようと思えるんですか!」


 魔法陣から風魔法が飛び出す。それを受けたアルトの体が、また壁にぶつかった。


「っぎい! 簡単なんかじゃ、ないです。僕だって、死ぬのは怖い。だけど、これしか方法が、ないんですよ!」


 お返しの氷魔法が、セレナの腹部に直撃した。


「っきゃあ! ……ッケホッケホ。アルト君のお母さんが、アルト君の幸せを、願ってるはずです」


「その願いは、僕がいなければする必要はなかったんです! 不甲斐ない僕が、まんまと魔王から逃げきれなかったから。だから、僕がその責任を取らないといけないんです!」


「必要がなかったって……お母さんの目の前で、そんなこと!!」


 銀色の宝石が眩しいくらいに強く光る。低い風音を鳴らすその風魔法は、アルトの体をまた強く壁に打ち付けた。


「ぐあっ!!」


「そんなの、責任でも何でもないですよ。ただの、アルト君のわがままです!」


「はあ……はあ……。どうして、そこまでして、僕の邪魔を、するんですか……僕は、お母さんにこの命を、返してあげたいだけなのに……」


「それはあなたの命です。あなたの、アルト君の命なんですよ」


「そんなの違いますよ!」


「違いません! アルト君はアルト君です。あなたは、エスティータさんとは別の、アルト君なんです! 決して同じ命なんかじゃないんですよ!」


「たとえ、そうだとしても……」


 アルトがのらりと立ち上がる。吹っ飛ばされたことで消えた魔法陣を、もう一度両手で作り出していく。


「僕の命だったとしても、それをどう使おうが……僕の、勝手じゃないですか」


「アルト君。命ほど勝手にできるものは、ないんですよ」


「そんなことない! 僕の命は僕の勝手だ! それがお母さんの死で残っているのなら!」

「――アルト君!」

「絶対に、この命を!!」


 気力で作られた白い魔法陣が、一瞬にして光を強く放つ。同時にそこから一本のつららが飛び出すと、それはセレナの顔に向かっていた。


「セレナ!?」


 無反応なセレナに俺はついそう叫んだ。つららが顔を貫く。そうなってしまうと思った瞬間、つららは後ろに引っ張られるようにしてその場に止まっていた。セレナの顔までわずか一センチもない。すぐにアルトの方に目を向けてみると、彼は伸ばしていた右手を握りこぶしに変えていて、その震えと連動するようにつららもプルプルしていると、最後は振り下ろしと共に地面に落下してパリンと砕け散った。


 思わずキャリアンと二人で安堵の息を吐く。セレナも安心するように軽く息を吐いていると、何度も壁にぶつけられたアルトは、とうとう足を崩して立膝をついた。


「この命は……僕の命は、本当は、お母さんのもの。だから、僕はこれを、お母さんに、返したいのに……なのに……」


 弱々しく吐かれる言葉たち。今までの威勢が忽然に消えてしまうと、そこにセレナが近づいていった。


「アルト君の命は、アルト君ものですよ。だけど、自分の好き勝手にしてはダメです」


 セレナは前まで行って同じく膝をつき、アルトの目を見つめた。


「僕の命でも、好きに使ってはダメって、どうして、ですか?」


「うーん。ちょっと難しいですけど、でも少なくとも、アルト君が一人で、勝手に使えるものでは、ないと思います。アルト君の命は、決して一人だけのものじゃないですから」


 震え続けるアルトに、セレナが優しく語っていく。


「それじゃ、この命は……」


 アルトはまた右腕を上げて、魔法陣の線を浮かび上がらせていく。その線が時計の針よりも進みが遅いと、彼は泣きそうな声でこう聞いた。


「僕の命は、一体、なんなんですか……」


 セレナはアルトの目を見続ける。目の前の魔法陣が一向に完成しないていると、セレナはその手を両手で優しく包み込み、魔法陣の線をかき消しながら自分の額を当てた。


「アルト君の命は、みんなが望んでるものですよ」


「みんなが、望んでる……」


「そう。アルト君の命は、アルト君だけのものでも、ましてやお母さんのものでもない。アルト君の命は、アルト君を中心に、お母さんやお父さん、キャリアン先生や他の学校の人たち、それに、私とハヤマさんともつながっています。アルト君の命は、そうやってみんなと繋がってできてる、たった一つの命なんですよ」


「なんで、そうなるんですか。みんななんて、僕には関係ない……」


 セレナが手を握ったまま頭を離し、再びアルトの目を見つめた。


「アルト君。私は、私の中からアルト君が死んでしまうのが、とっても悲しいです」


「セレナさんが?」


「はい。多分、アルト君のお母さんも、一緒だったはずです。エスティータさんの中から、アルト君が死んでしまう。それはきっと、何よりも恐ろしいことだった。だから、エスティータさんは選んだんですよ。自分の中のアルト君を、絶対に生かしてあげたいから。大事な大事な、自分の命よりも尊いアルト君を、死なせたくなかったから」


 話す度に涙ぐんでいくセレナ。思わずキャリアンももらい泣きしている。


「死なせたく、なかった……どうして、そんなに言い切れるんですか……セレナさんはお母さんの、僕の自慢のお母さんの、何を知ってるんですか……」


「私のお母さんが、そうだったんです」


「セレナさんの?」


「お母さんは言ってました。お母さんにとっての私は、この世界と同じくらい大事だって。もし私がいなくなってしまったら、それは、世界が滅ぶのと同じくらい、とても怖いことなんだって。そう、言ってくれてたんです」


「そんなの……あくまで、セレナさんの場合です……僕の……僕のお母さんとは、違う……」


 がんなに首を振り続けるアルト。それにセレナが一度、自分の目に浮かんだものを拭い取ると、言葉遣いすらも変わってしまうほど、突然泣き出しそうな声で喋り出した。


「ねえアルト君。アルト君もきっと私と同じで、お母さんが亡くなった時、すぐに涙が出なかったんじゃない?」


「へ?」


「私はそうだったんだ。朝起きた時に部屋を出て、キッチンを見ればお母さんが立っている。その日もそうだと思ってた。けど、お父さんから本当のことを伝えられた時、私は何も理解が出来なくて、泣くどころじゃなかったの。この世界からお母さんがいなくなったってのを、どう考えても納得できなくて、ずっとどうしてなんだろうって。作られたお墓を見るまでは、本当に涙が出なかった……」


 彼女の言葉から、自然と過去の情景が思い起こされていく。今思えば、セレナが大声を出して泣き叫んだ瞬間は、あの時からだった。


「泣いた後に私は気づいたの。私の中の世界には、いつもお母さんがいたんだって。それだけ大きなものを、私は失くしてしまったんだって。アルト君も、きっとそう思ったんでしょ? そう思ったからこそ、それを取り戻そうとしたんでしょ? 違う、かな?」


 セレナがまた涙を拭うと、アルトは顔を俯かせた。


「……消えてない、です。僕の中に、お母さんは消えてない……」


「……消えてないと思うなら――」


 セレナの手がアルトの顔に伸び、指が頬に触れる。そうして顔を上げたアルトに、セレナは優しくこう聞いたのだった。


「どうして、アルト君は泣いてるんですか?」


「わからない……わからない、けど……止まら、な――うああああ!!」


 突然泣き叫んだアルト。その頭をセレナは黙って胸に抱き寄せると、部屋の中にはただ、一人の少年が声を枯らすほどの号哭を上げるのだった。


「ごめ、ごめん、おかあさん……おかあ、さん! っひっく、おかあさぁん!!」




 地下の部屋から出てみると、外はもう真っ暗だった。俺たちはこの街の墓地にたどり着いていると、セレナが茶色の魔法陣を光らせ、エスティータを安らかに眠らせようと、その遺体を埋めている際中だった。その様子を俺は、キャリアンとアルトと一緒に眺めていた。


「どうか安らかに」


 遺体が埋まり切り、最後に土の山が出来上がると、キャリアンが目を瞑って、両手を願うように握りながらそう呟いた。セレナの手からも魔法陣が消え、これでエスティータも安心できるはず。そう思っていると、誰もしゃべろうとしないこの間が気になって、俺は適当にセレナに話しかけた。


「なあセレナ。お墓を山みたいにするのって、何か決まりでもあるのか?」


「決まりがあるかはよく分かりませんけど、でも、こうして土に埋めてあげれば、自然の中へ還っていくって言われてます」


「ふーん。自然に還る、ね」


 俺がそう呟くと、キャリアンが口を挟んできた。


「きっと、エスティータ先生は氷の世界に行くのでしょうね。そこで、自慢の氷魔法を披露して、氷の世界の王女様になるんです。そしてきっと、色んな人たちに気に入られて、世界中の人たちが、エスティータ先生と共にいて、楽しい時間をお過ごすになるはずです」


「夢のようなお話だが、キャリアン先生がそう言うなら、きっとそうなんでしょうね」


 俺がそう話しに乗っかると、意外にもアルトが口を開いてきた。


「あのう、皆さん……」


 三人の視線が同時にアルトに集まる。アルトは申し訳なさそうに顔を俯かせていたが、覚悟を決めたのか、パッとその頭を上げてきっぱり話し出した。


「ありがとうございました。一歩遅ければ、僕は取り返しのつかないことを、お母さんに、いくら謝っても許されないことを、していたかもしれません」


 お礼を口にしたアルトに、セレナが目線を合わせるように腰を下ろす。


「いいんですよ、お礼なんて。むしろ、私の方が謝らないとですね……ごめんなさいアルト君。急に魔法を打ったりして。痛かったよね?」


「いえ。あそこまでしてくれなかったら、僕はもう止まらなかったと思います。ちょっとたんこぶができたような気がしますけど、気にしないでください、セレナさん」


 そう言われて、セレナはありがとうの代わりの笑みを浮かべていた。アルトはさも紳士な対応を見せているが、どうやら俺への被害を忘れているようだ。


「おーいアルト。一応、ここにも被害者がいるんだぞ」


 氷の塊を打たれたおでこを指さしながら言うと、アルトが慌てて頭を下げてきた。


「ああ! ごめんなさいハヤマさん! セレナさんの横を狙って打ったら、丁度そこに、ハヤマさんがいたもので」


「横って。ああ、そういうことか。はなから当てるつもりは、なかったんだな」


「そ、それはその……さすがに、憧れのセレナさんは、傷つけられないなと思って……」


 セレナとの打ち合いで、顔面すれすれでつららが溶けた瞬間を思い出す。あまりの気迫に本当に当てかねないと思っていたが、かろうじてまだ正気を保っていたのだろう。責任がなんだどうだと言っておきながら、そんなのは出まかせで、アルトは最後まで迷っていたのだ。本当に、禁忌級魔法を使うかどうかを。


 俺はアルトに近付き、セレナを横に退かして腰を屈めると、アルトと顔の位置を合わせながら中指でデコピンした。アルトは「イテッ!」とおでこを抑える。


「ったく変な嘘はつくんじゃねえよ。腹には一発当てといて、何が憧れのセレナさんには、だ」


「いっつつ……すみませんでした」


「いいか。孤高だとかに憧れるのは好きにしていい。だがな。完全に一人になった奴は、大抵何かを見失い続けていくんだ。さっきのお前みたいに、大事なことをはき違えてしまう。だから、お前は人を頼ることを覚えておけ。いざ見失った時に、それを一緒に探してくれる、都合のいい奴をな」


「は、はい! 今の言葉、胸の中、いや、心臓の中にまで留めておきます!」


 純粋な眼差しでアルトがそう言ってくると、立ち上がった俺の後ろで、セレナが嫌そうな目を向けていた。


「都合のいい奴って……そんなのシンプルに、友達を作りなさい、でいいじゃないですか」


「友達? 孤高に生きていたい奴には不要なものだろ。アルトが俺に憧れてるんだったら、都合のいい奴でいいんだよ」


「もう、ハヤマさんったら、卑屈な言い方して」


 セレナが呆れ果てていると、アルトが自分の右手を胸に、心臓の前に置いていた。


「僕、自分の命の大事さが、分かったような気がします。セレナさんとハヤマさんとキャリアン先生。そして、お母さんだってきっと……皆さんが、僕の中にいてくれる。とても温かい皆さんが、ここに」


 アルトが目を瞑ると、右手に感じるものに身を委ねているようだった。心地よさそうな表情を、しばらく黙って見つめていると、キャリアンが前に歩み出た。


「約束しよう、アルト君。この命は、もう自分勝手にしないって。そうお母様に、ね?」


 アルトは目を開き、顔を上げてエスティータの墓に振り返った。


「はい。僕はもう、自分の命を無駄にはしません。皆さんが。お母さんが。僕の中にいる限り」


 その決意に、俺たちは全員頬を緩めていた。これでもう、アルトは見失うことはないだろう。母親から譲り受けた、たった一つの命の尊さを。


「今日はもう遅いわ。ここら辺でそろそろ、お開きにしましょう」


 キャリアンのその言葉に、俺たちは全員うなずいた。






「なあセレナ」


 アルトを家まで送り、キャリアンとも道の途中で別れた俺は、セレナと共に宿を目指し、綺麗な夜空を見上げながらそう聞いた。すぐに「なんですか?」と横目に向いてくる顔が見えると、俺はふとした疑問を彼女に聞いたのだった。


「お前は、親って勝手な存在だとか、そんなこと思ったことないのか?」


「親が勝手、ですか。それなら、お父さんにはよくそう思いますね」


「グルマン村長か」


「はい。ハヤマさんも見た通り、お父さんは私を溺愛しすぎなんですよね。外の仕事から家に帰れば、すぐ私に抱き着いてきますし、うるさいくらいに私の名前を呼んできますし。私も、もうこの歳ですから、ちょっとは控えてほしいって言ってるんですけど、中々変わってくれなかったですね」


「確かに。それも中々勝手だな」


「あ、お母さんにも一個ありました。私は小さい頃、ある野菜が嫌いだったんです。名前はよく分からないんですけど、とても苦い味がするんです。それを食べさせられた時は、初めてお母さんを恨んだかもしれません」


「そんなことがあったのか。意外だな」


「思い返せば、多分もっと出てきますよ」


「ふーん。ちょっと意外だったな。お前みたいな家族大好きっ子でも、そう思うことはあるんだな」


「当然ですよ。でも、こうして離れてしまうと、それがどれも、私への愛だったんだなって。そう思ったりもしますね」


「愛、ね……」


 ふと俺は、アルトを止めようとした時のことを思い出した。お前に生きていてほしい、だとか。母親の望みを、だとか。我ながら、らしくないことを口走っていた。もし俺にも、親を思う気持ちがあるのなら、アルトのように、あそこまでムキになってまで、助けようなんて気持ちが起こるのだろうか。


「ッハ。あり得ねえ」


 自分で思ったことに、思わず笑ってしまった。親なんてものは勝手な生き物だ。自分たちで子供を作っておきながら、俺たちに色んなものを押し付けてくる。それを愛情の裏返しとはよく言うが、俺の親に限ってそんなことはない。


 彼らは俺を、見てすらいなかったのだから。


「どうしたんですか? 急に笑って」


 セレナが奇異な目を向けているのに気づく。


「あっとすまん。変なことを思い出しただけだ」


「はあ。ちょっと気持ち悪かったです」


「それは悪かったな」


 そう吐き捨てながら、建物から光がこぼれる街道に目を移した。その一つに、俺たちの休んでる宿が見えていた。



 四章 一番の贈り物

                                  ―完―

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