サンタモニカのBig Tree 七夕編
掲載日:2019/07/06
サンタモニカのBig Treeは
今日もにぎやか
とある場所にある喫茶店
この店の名物は
マスター自慢のフランス風家庭料理もさることながら
一番は
今から5年前に始まった
店の入り口にある大きな木
願い事を叶えてくれるという噂
みんな小さな願い事を書いた紙を
木の枝に結びつけている
僕は学生のころから
この店の常連客で
マスターは
僕の悩み事を聞いてくれては
気さくに答えてくれる
だから僕はいまだに
願い事を書くこともなく
過ごしている
「明日は七夕だけど、店の定休日だよね
どうするの?」
僕がさりげなく聞く
マスターは何も語らない
そして何分かして
マスターから
『こんちゃん(僕のこと)
どうしたらいいと思う?』
めずらしく、マスターが聞いてきた
『じつは明日、1年ぶりに
娘が帰ってくるんだよ、
定休日に合わせてね
一時的だけど
だから、少しでも話を聞いてやりたいと思うんだ』
「海外に留学している娘さんのことだね」僕
それなら、家族を優先するべきだよ
と言いたいところだけど
マスターの性格からして
それはできないと僕は分かっていたから
何も言えずにいた
マスター、ごめん・・・
「娘さんと少しでも長く話ができますように」
僕は、そう書いた紙を
Big Treeに結びつけては
願いを込めた。




