連絡先交換ゲーム。
授業が終わり 休み時間
噂の 橋立とやらが居るクラスを覗きに行った。
橋立の居る4組は トイレの前だ。
なんの違和感も無く僕はトイレから出た後に
教室を覗いた。
1つの机に男子の輪が出来ている。
ケラケラ笑いながら戯れる 野郎共。
「めっちゃこわwなにそれww」
「本当なんだって!おじさんの首元にゴキブリ居たんだって!しかも2匹!!」
「それはヤバイ!笑笑」
「ほら お前の後ろにも カサカサカサカサ!」
「やめろってwww」
「蒼くん!ウケる!!笑笑」
「あ!後ろに居る!!!!」
「居るわけ無いじゃん!もう!」
.....なんだ あの陽キャラ....。
あれは演じて居るのか??
あれを素で出来る光属性の男なんて散々するのか?いや 顔だけは 俺の方が...いや でもカッコいい。綺麗にセットされた黒い髪。
色白で 鼻筋が通ってる 細身の高身長。
これは モテる訳だ。
「あ!!見て見て!葵君だ!!」
「本当だ!葵くーん!!」
女子たちに手を振られる。
軽く会釈をすると 黄色い歓声。
一瞬で注目を集めてしまった。
そさくさと逃げようしたその時!
「葵君って言うんだ!ねぇ!こっちきなよ!」
なんと橋立とやらの方が声を掛けてきた。
「どうも。春風です。」
4組に入ってみた。
興味ありげに 見つめる4組生徒。
「春風!!名前カッコ良すぎでしょ!笑
よろしくね!俺 橋立!!」
カーッと笑い 手を差し出してきた。
爽やかだ。少し見惚れてしまった。
「よろしくね。」
さらに 男子はワラワラと集まり
みんなが自己紹介をしてくれた
くだらない話や 中学がどこだったとか
そんな話で 盛り上がった。
チャイムが鳴ったその時
「あ!葵くん!連絡交換しよ!」と
QRコードを差し出してくれた。
それを葵が読み取ると
「今度遊ぼうね!」
と 笑ってくれた。
教室に戻る途中 葵は 完全に負けを認めていた。
「な、、、なんなんだ、、、 性格良すぎだろ!
男子にモテるってなんやねん!いやいやいやいや
え、俺はどうやって勝てばいいんだよ!
クールキャラ??んぁああ゛(脱糞)」
教室に戻ると 長い前髪から キラキラした
オーラを漂わさる 翠が待っていた。
「ど...どうだった?!」
「いや その...友達になりました!」
一瞬間が空いた。
「んぁあああ゛゛(発狂」
「あ...あの!!えっ?いや!!」
「私は 3年何も無かったのに!!
これだから イケメンは!!!
世の中不条理過ぎる!!!!んぁああ゛゛」
「いや イケメンだから 交換したって訳では...!
むしろこれはチャンスじゃないか?」
「え...チャ...ンス....??」
「連絡先交換した事によって 橋立の性格を探る。
それで 俺はそれをお前に教える。
あいつの好みも服装 髪型。全てを聞き出し
それで お前を全て 橋立の好みにした後に
みんなで どこかへ遊びに行く。そして帰りにそのグループラインを作ればだ。お前は 橋立の連絡先を 好感度が高い状態でゲット出来る訳だ。
連絡は 続きに続き 2人で会うようになり そして...最終的に2人は...」
「キャァァァ!!!ダメ!もう言わないで!!!
考えるだけで 呼吸出来なくなって死にそう我!!
我!!!ワレワレハウチュウジンダ...。」
「完璧だろ...??」
「それを計算した上で 連絡先交換したの??」
「え?まぁ...まぁな!!」
ホントは あっちから 連絡先を聞いてくれた
なんて まったく言えない。
「凄い....初めて葵くんがかっこいいと思ったよ..」
「はじめてはやかましいわ!笑
だから 俺が仲良くなってくるから
それまで待っててくれ!長期戦を覚悟してでも
必ず勝とうな!!」
「ありがとう...(号泣)」
なんだか少し嬉しくなった。
そしてここまで 人を好きになれる翠を
少し 可愛いなと思ってしまった。
「だから。」
「だから...?」
「ほら!連絡先!交換!これで随時報告出来るだろ??」
葵はQRコードを差し出した。
「いや その...」
「どうした...??」
「私 男の人と連絡先交換するの その...初めてと言うか...その あの...えっと...いいのかな?って思って...」
「マジで?笑 はじめてかぁ...いい響きだ...」
「何言ってるの!変態!変態仮面!!」
「ねぇ!もう一回!はじめて!って言って!!」
「やです!!バーカ!変人!!分かったから
もう 貸して!!」
QRコードを翠が読み取り 連絡先を交換した。
みやつ
...??
「みやつ...??なんだこれ笑笑変な名前笑笑
てかアイコン 夕日って...おっさんかよ笑笑」
「う!うるさいな!!!」
「はい!授業はじまるぞ!!」
少し遅れた先生が入ってきた。
携帯を開くと キモカワいいよく分からない
猫のスタンプが送られてきた。
よろしくなのにゃ!相棒!
少し笑って スタンプを返して携帯を閉じた。
なんとか してあげたいなって本気で思えた。




