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僕の加護神対応は最強らしいので秘密にします。~僕は女の子じゃないから~   作者: ユウヒ シンジ
第3章 旅、エルフの里へ
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旅 エルフの里へ 8

投稿いたしました。

僕達はその後、拘束した男達から情報を聞きだした。

それによると、スバイメル帝国の情報を持ち出した人間がいるらしい。

その人間は、冒険者でエルフの女性らしいという事までは判っている。

ただ、その情報の内容までは、この男達は知らされていないとの事だ。

男達は、その女性を発見しだい、情報の消去抹消と殺害の命令を受けているとの事だった。


「なるほど。ダルガンさんちょっと聞いてみたいのですが?」

「な、何でしょうかな?」

「それって、フルエルさんの事ですよね?」

「へ?」

「いや、その情報泥棒ってフルエルさんの事ですよね?」

「な、何故それを!?」


判りやすい人だな。


「なんとなくですけど、さっき騎士もどきの男共と相対していた時、フルエルさん嫌そうな顔してましたもの。」

「はは、レン様には敵いませんな。」


笑いながら肯定するダルガンさん。

仕方無いといった感じで話し出してくれた。


「我々は、神聖グローデン皇国に雇われた冒険者グループの1つだ。今回スバイメル帝国に不穏な動きが目立って来ているという情報があっての、その内情調査をおこなってたんだ。」

「そんな事、僕に簡単に話して良いのですか?」

「別に構わんよ。レン様が気付いてしまって隠し通せるとは思えませんし、どのみち情報についてはフォレスタール王国にも届けられるはずじゃからの。」


まあ、それはそうなのだけど、一応他国のそれなりの位置づけである僕に話して良い内容でもない気がするんだけど、大丈夫だろうか?

その辺を聞いてみると、僕を信じてるから大丈夫だと言われた。

まだ会って間もないのに、そこまで簡単に信頼できるものなのか?

これも神の加護のせいだろうか?


「判りました。ではなるべく早くこの情報を届けましょう。僕も護衛として同行いたしますので。」

「え? 内容とか聞かないのか?」

「ああ、別にいいです。スバイメルの者があそこまで躍起になって捜しているんですから、何か良からぬ事である事で間違いないのでしょう? そんな情報を一階の騎士である僕程度が横から除き見るのは不遜に値しますよ。まずは神聖グローデン皇国の教皇様に届けましょう。」

「うむ、そう言ってもらえると助かる。」


ダルガンさんは、まだ子供の僕にちゃんと頭を下げてくれた。

真面目でとてもいい人だ。

そんなダルガンさんと今後の事を取り決めたので、気にかかることを聞いてみた。


「それで、この男共はどうするのですか?」

「ああ、ほっとく訳にはいかんし、やはりレンダール城塞まで連れて歩くしかないな。」

「そうですね。まあ後半日もすれば、レンダールの城塞に着くでしょうし、このまま連行しましょう。それと、」

「なんだ?」

「この事はディクスさんはご存知なんですか?」

「ああ、知っておるよ。彼もグローデンの協力者だ。」


なるほど、本物の商隊が情報収集の拠点なら動きやすいだろうな。


「それと、ライアスさんは大丈夫ですか?」

「ああ、心配・・・せんでもいいぞ。」


何ですか。その間は?


「まあ、ちょっとレン様がトラウマになるかもしれませんが、大丈夫でしょう。ガハハハ!」


ガハハハじゃ無いと思いますけど、ここは無事に復活される事を祈っておこう。


「あと、これはお願いなのですけど。」

「どうした?」

「僕達の事は、レンダールの騎士達には内緒にしておいて下さい。あくまでもこの男達を捕まえたのはダルガンさん達ということで通してほしいんです。」


少し考え込むダルガンさんだったが、直ぐに顔を上げ笑みを向けてくれた。


「判った。レン様がそうしてほしいならそうしよう。」

「え? 良いんですか? 理由とか聞かないんですか?」

「別にいい。人は聞かれたくないことの一つや二つあるもんだ。それにだいたいの察しはつくからな。特にお連れのあの少女の素性は、聞かないほうが良いような気がするしな。」


はあ、これぞ判る男の大人って感じだな。

僕もこういう大人になりたいと本気で思ったよ。


「レン様!」


あ? リーシェン達が戻って来た。

あれ? フルエルさん、何か緊張してるのかな? 両脇をカーナとリーシェンに、後ろをシアに囲まれてやって来たけど?


「レン様、フルエルさんと色々お話いたしました。私達良いお友達になれそうです。」

「う、うん。」


リーシェンがいきなり話てきたので、勢いで僕も頷いてしまった。

それを見ていたフルエルさんが頭を掻きながら溜息を吐き出していいた。


「レンちゃん、この子等本当にあんたのことが好きなんだな。」

「へ?」

「何、変な顔してるんだ? つまり私がレンちゃんの事を好きかどうか聞いてきたんだよ。」

「え、なんでそんな話しが」

「それで、私はちゃんと好きだといったんだ。」

「ええええええ!? 何急にそんな事!」

「勘違いすんな! 弟として好きだと言ったんだ!」

「昔から、私はあんたの事を弟と思っていたからな。今更、一人の男性としてなんか見れないよ。だいたい7才の子供に本気で惚れるかっての!」

「それは心外です! レン様に惚れなくて誰に惚れろと言うのですか!?」

「な? この子等はレンちゃんの事がとにかく好きなんだよ。だから私みたいな女が出てきたら心配になるんだろうね。」


そういう事か。

と言う事は僕が変な素振りを見せたら、彼女達はいつも心配する事になるのだろうか?

これは男としてちゃんとしなきゃいけないのだろう。


「ゴメン、フルエルさん、彼女達を心配させないよう男としてもっとしっかりするよ。」

「まあ、頑張んな。それと私のことは昔みたいにフル姉でいいよ。昔はそう呼んでくれてただろ?」

「え?ん~ん、そうだね。そうするよフル姉。」

「ん、可愛い弟にこんな凄くて可愛いお嫁さんがたくさん出来て姉として嬉しいよ。」


と云うことでフル姉は、リーシェン達の姉貴分としてこれからもいろいろ相談を受けるらしい。

あまり変な事を相談しないようにお願いします。

僕は心の中で、仲良く話し合うフル姉とみんなの笑顔を見ながら祈っておいた。


それと、スバイメルの者の処分についても話しておかなきゃね。


「カーナ、リーシェン、このスバイメルの者達の処分を決めたからね。」

「はい、この男共の始末ですね。」

「う、うん、始末というか護送してレンダールの詰めている騎士に引き渡すんだけど。」

「そうですか、レン様に毒づいた罪、万死に値しますから、その辺で斬ってしまって埋めた方がよろしいかと思ったのですが?」

「カーナ、そんな過激発言駄目だよ?」

「そうですか? レン様がそう仰るのであれば了解いたしました。」


そう言って、馬車の方へと準備のため向かうカーナ。

しかし、僕の事となるとカーナ達、突っ走りそうだな。

嬉しいけどね。


そして、僕達はレンダールへ向けて改めて出発する。

読んでいただきありがとうございます。

またお越し下さい。

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