落ちた先で
帰宅途中に穴に落ちた。
落ちたはずだった。
なぜか中世風の部屋に、目の前に金髪の美人さんと騎士っぽいお兄さんがいた。
「成功したの?」
「そうじゃないのか」
美人さんが少し嬉しそうにお兄さんにきくと、呆れたように返答した。
「そう」
なぜか金髪の美人さんが興味を失った様だった。
「あの……ここは……」
恐る恐る私は声をかけてみた。
「ここは私の家。貴方は私に召還されたのそれだけ」
「はしょりすぎだろ!!」
面倒くさそうに美人さんが話すと、同じことを思ったのか私の代わりにお兄さんが言ってくれた。
「えっとだな、こいつの代わりに説明すると……」
お兄さんが説明した話を要約すると、ここは王様が国を統治するハルシュリア王国。
私はこの国に召還されたそうです。
お兄さんことジェラルド・アルムクヴィストさんは、王立騎士団の団長を務めている凄い人。
美人さんことマリー・ノイルナーさんは、物凄い財産を昔稼いだそうなので、現在無職。
二人とも22歳で付き合うのはありえないそうなので、関係性は謎です。
話を戻すとなぜ私が召還されたか話しますね。
王宮にあった不思議な本をジェラルドさんがマリーさんに解読を依頼して、本に書かれている魔法をマリーさんが試したみたいです。
要するに実験で召還されてマンホールに落ちたですね。
ひどくないですか!
でも次のページに元の世界に帰る魔法が書いてあるらしいので、いつでも戻れるらしいです。
謎です。
とりあえず今すぐ帰るか、ここで過ごして決めるか聞かれたので、家に帰っても誰もいないのでとりあえず残ってみる事にしました。
だって楽しそうだから。