テキトーにボスっぽい奴も出しとこう。
ーーあれ?神の気配が薄いなぁ・・・。
無くはないけど・・・眠っているのかな?
まぁいいか。
それもまた試練だよね。
ここは良い世界のようだね。
共存があり、知性があり、マナがある。
欲は薄く、信仰心は高く、身の程をわきまえた生活。
理想的だね。
でも、この世界には「敵」がいない。
「力」があっても「強さ」がない。
この世界の天使は過保護みたいだね。
果てしてこれで「試練」を乗り越えれるのか。
でも僕は試練を与えるよ。
それが僕の使命だからね。
僕がこの世界に与える試練は「敵意」。
その執行者として、7つの厄災をばら撒くよ。
転生者
転移者
覚醒者
権威者
狂信者
競争者
そして外道。
念の為に目覚ましをかけておくよ。
流石に天使の導きなしで乗り越えれる程、僕の試練は甘くないからね。
最初に芽吹いたのは権威者だった。
権威者は階級をつくり、優越と劣等を世に放った。
天使はまだ目覚めない。
次に芽吹いたのは競争者だった。
競争者は三戒を破り、多くを欲した。
多くの食糧。多くの財産。多くの土地を。
競争者が他種族の領地に手を伸ばすのに、さして時間はかからなかった。
天使はまだ目覚めない。
覚醒者と狂信者は同時に芽吹いた。
覚醒者はこの世界の理を紐解き、マナを自在に操る術を手に入れた。
狂信者は自らが神に最も近きものと確信し、その他の者に哀れみをもって接するようになった。
天使はまだ目覚めない。
そして転生者が言葉を覚え、自らの肢体を自在に操るようになった頃。
霊峰オルフの噴火とともに
天使達は眠りから目覚めた。
精霊暦500年。
混沌期、と呼ばれるこの世界で初めての戦乱の時代である。