戻った
ギルドで身分証を作った後は街の散策だろう。
と思っていたけれど、俺の目の前にある矢印はどう見てもさっき来た道を示している。
まさか、家にまた戻るんじゃないだろうな…って辿っていったらその通りだった。
あの小路にはいったら後は家に戻るだけだ。
いやいや、ちょっとまてよ。
異世界に行ったら(人違いだけど)したらフツー冒険するよな?
異世界に行ったらとりあえず、街で買い食いだよな?
矢印を無視して街の散策をしようと矢印とは逆方向へと進む。
やっぱり異世界いったら可愛い女の子と…いや、そこは多くは望んではいけない。
俺の顔は悪人顔だし
うさみみ生えてるし。
…うさみみ生えてるし。
やめよう、目の前の現実に落ち込んでくる。うさみみ生えた悪人顔の高校生とか…
意味がわからん。
とりあえず気分変えて屋台で異世界グルメを満喫…
………矢印うぜえ。
気づかないふりしてたけど異世界グルメとかそういうレベルじゃないな。
もう目の前は矢印しか見えねぇ。
仕方なく俺は元来た道を戻る。
異世界に来たのに家にとんぼ返りとかどうなんだ?
結局俺は何のイベントもなく家に戻ることとなった。
家に戻ってファンシーピンクな、ラブリー椅子に座る。
ハァ…
大きなため息をついた。
矢印は今は消えている。
…これさ…
俺の知ってる異世界生活とかなり違うんだけど。
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ピョン神の導き<加護>
選ばれしバニー種だけに現れる方向指示
安全な道を示してくれる。
ピョン神にこよなく愛されているバニーが安全な道から外れるのを良しとしない過保護なピョン神は、己が、示したその道以外を進むことは、どんな理由があっても赦しはしないという。
この加護をうけた者は、その道以外を選ぶと視界を奪われるという。