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ぴょんった

そして俺は異世界への第一歩を踏み出した。



ぴょん



うん!?


ぴょんぴょん


なんだこの音!?


ぴょぴょぴょぴょん!!!


俺が歩く度に変な音がついてくる。

俺は思わず足の裏を見る。

制服の濃いグレーのチェックパンツの裾の下から高校指定のローファー。


いや、これ普通の靴だよな。

一歩足を出す。


ぴょん


ウサギだからか!?ウサギだからか!?


うぉい!神!ちゃんと考えろよ!

ウサギだからだとしても遊びすぎだろ!?

うさぎのぴょんは擬態語だろ、足の裏からなるわけねぇだろ!


固まる俺の前を、カリカリカリカリと音を立てながら、でっかい尻尾のおばさんが歩いていった。


…リス?


つうかさ、それ足音じゃなくて咀嚼音だよな。

クルミとかどんぐりとか食べてるときの音だよな。



がくーっと一気に気が抜けた。

この世界はこんなもんなのか…そうだよな、自称神があんな手紙をだす世界なんだしな。

細かいことは気にしないことにしよう。


ぴょぴょぴょぴょん



…うぜぇ…


ぴょんぴょんぴょんぴょん


…まじうぜぇ…

いらねぇだろこの効果音。


歩きながら辺りを不審にならない程度に観察をする。

店舗件住宅だった家は街の中にあった。

表通りから奥に入った場所。その角には花屋。

この花屋は戻るときの目印にしよう。


表通りには人が大勢歩いている気配。

流石ウサギの耳会話にまでかなり細かくわかる。わけわからない音も多いけれど。ぎゅーぽん、きゅーぺんってなんの音だよ。きになるじゃねぇか…




急に視界に矢印が現れた。

なんだこれ?曲がれ!的な矢印?


右をむいたら矢印がのびた。

左をむいたら矢印が行く先にまっすぐのびていった。


ああ、そういうやつか。

とりあえず無視をする。

ロールプレイングの基本だよな。

イベント起こす前に街の散策。


チカチカチカチカ


目の前で矢印がどんどんでかくなる。


おい、引き返せ、なんでいかないんだよ。

じゃあ、しかたねぇ、そこを曲がれ。


そ こ を ま が れ



そういわんばかりに矢印が自己主張をする。

なんだこの道間違えたときのカーナビに通じる鬱陶しさ。

問題は視線の中に強制的に出てくるところか。

でかくなってきた矢印のせいで視界の道の殆どが矢印で埋められ、足元の石畳の段差が見えなくなってきた。


あぶねぇ。


仕方がないので矢印に従って歩くことにした。

すると一瞬で矢印は元のサイズにもどり、大きな石作りの建物の前で矢印が消えた。

そして今度は


ーーーーーーーー

チャレンジ!


ギルドで身分証をつくれ!

ーーーーーーーー


文字が浮かび上がった。

うわ~ありがち…。

残念なことに選択権はこちらになさそうなので、あきらめて中に入ることにした。


俺は重そうなその扉を押した。


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