愛してるの証明
皆様こんにちは。
作者の祇園亜子です。
様々ないじめストーリーが滞在する祇園亜子の世界を、どうぞお楽しみ下さいませ。
プロローグ
「希子はいい子ね。だから大丈夫よね。」
その言葉を最後に、お母さんは家を出て行った。
何が大丈夫なのか、当時4歳だった私には、怖くて聞くことすら出来なかった。
お母さん、大好きだったよ…。
愛されてるって信じてたのに…。
だけど違ったの?嘘だったの?
中学2年生になった私には、今でも
「愛してる」の言葉の意味がわからない。
その言葉を信じるのが怖くて、
ずっと避けてきた。
「愛してる」ってことは「愛していない」
ってことなんだ。
そう思って、生きてきたから…
1
家族なんていらない。
親友も恋人も、いらない。
「家族、親友、恋人」。
これらは信頼のおける人のことだが、「信頼」なんて言葉は、もうとっくの昔に捨ててしまった。
本当の家族はいない。
お母さんはもういないし、お父さんは本当のお父さんではない。
気が付けばいつもお酒ばかり飲んでいて、
私のことなんか見えていないかのようだ。
お母さんを殴っていたのも、実は知っていた。
声をかけてあげればよかった。
幼いながらも、お父さんに殴られていたことくらい分かっていたのに…
「希子おはよう。」
「おはよう、椿。」
私たちは、できるだけ小さな声で
挨拶を交わした。
3軍の私たちは一軍の男女混合グループに
睨まれないようにしながら、
いつも目立たないようにしていた。
小さい頃から地味で冴えない私には、
勉強しか取り柄がなかった。
小学校まではテストで良い点を取っても、
誰にも皮肉を言われることはなかったが、
中学校ではそうはいかない。
しかし、事件は起こってしまった。
ある日のテスト返却の時間のことだった。
一軍の人達から点数を教えろと脅された。
最初のうちは断っていたが、何度も頼まれるので仕方なく点数を教えた。
しかし彼女は、
「ねえ、みんな聞いてよ。七瀬さんが点数見せてきたんだけどー」
と、いかにも私が悪いかのように、みんなに向かって大声をあげた。
私は全身が凍りついたように固まってしまった。
否定したいが、声にならなかった。
「あれー?黙ってるってことは
認めてるってこと?」
違う…何で、黙ってるイコール認めてるってことになるの?
私の頭の中は「?」でいっぱいになった。
今まで目立たないようにしていたのに、こんな形で睨まれるなんて…。
どうしよう…どうしよう…誰か助けて…
「自慢とかしないだろ、七瀬は。」
突然の男子の声に、クラス中がシーンとなった。
頭の中が真っ白になった。
なぜなら、声の主は一軍のあの人だったから…
私は教室の前で足を止めた。
今日から何をされるのかな。
やっぱり怖い。帰りたい。
マイナスな考えばかりが脳裏をよぎった。
「よしっ」
私は思い切って教室のドアを開けた。
…よかった、いつも通り。
安心した次の瞬間、私の目の前は真っ暗に
なった。
…何で椿が一軍にいるの?
私は不安と怒りで頭がいっぱいだった。
何で椿が…?どうして?
「あ、椿ー。3軍の人が来たよー」
わざとらしい声で一軍の女子が言った。
椿、何ていうのかな…
不安になりながらも、少し期待をしながら
椿の答えを待った。
「…私にはあんな人…関係ない…です…」
弱々しい声だったが、はっきりと聞こえた。
椿、何を言っているの?
「椿ウケるー。だよね、椿は一軍だもんね」
椿が…一軍?
間に受けられない事実に混乱しつつも、
私は失望していた。
何が起きているのか、分からなかった。
あの時野田君が助けてくれたのは、嘘だったの?
野田君はクラス…いや、学校中で人気のある人だ。無口だが、そのクールさがかっこいいのだという。
野田君はいつも読書をしているが、
一軍の中に密かに君臨し続けていた。
「野田くーん、美愛たちとおしゃべりしようよー」
いつもより1オクターブ高い声で“おしゃべり”に誘う美愛さんたちが目に入る。
「なんだー?うるさいぞー、席に着けー」
やる気のない教師。やる気のない生徒たち。
規則を守らず言うことを聞かない、
それが一軍なのだ。
そんな一軍に何も言おうとしない先生は確かに間違っているが、
多額の寄付金を収めている家の娘には、注意するはずもなかった。
家に帰った私は、部屋中のものを片っ端から壁に投げつけた。
ずっと目立たないようにしていたのに。
自慢なんかしていないのに。
考えれば考えるほど、怒りは込み上げてくるばかりだった。
中学に入った時から書き続けてきた日記は
やめることにした。書くことなんて、
もう何もない。
私には、自分の存在を消そうとしている
クラスメイトよりも、3軍から1軍に上がった椿の方がよっぽど憎らしかった。
翌日もその翌日もずっと、無視は続いた。
それも無視どころではなくなり、次第にエスカレートしていった。物を隠されたり、
水をかけられたり…
野田君は、また本を読んでいる。
あの時、何で助けてくれたんだろう。
そう思いながら横目で見ると、
目が合ってしまった。
私は慌てて目を逸らした。
野田君の目は、怖いというよりも、
…悲しい目だった。
その時だった。
「図書室行こう」
静かに、しかし確かにそう言った。
助けてくれたの?
何が何だか分からなかった。
本当にありがとう、野田君。
その日から野田君は心の支えになった。
2
あれから2ヶ月。
いじめはまだ続いていた。
野田君は、相変わらず読書ばかりしている。
昼休み、トイレから戻ってくると、
教室は大変な騒ぎになっていた。
「おい野田ー、お前昔ハブられてたの?」
「えっ、まじ?お前が?」
「一軍なのにありえねー」
え、野田君が?嘘でしょ?
気がつけばほとんどの人が野田君の周りに
集まっていた。
うつむき加減に教室を出て行こうとする
野田君を、私は必死に追いかけた。
「…野田君!」
「ごめん」
「えっ、何が?何がごめんなの?」
「みんなの言った通りだよ。俺は昔いじめられてたんだ。」
…本当だったんだ。
「そいつらと離れるために必死で勉強して、受験できる学校を探したんだ。」
「そうだったんだ。」
「うん、だから七瀬がハブられてた時、
真っ先に助けなきゃって思ったんだよ。」
野田君の言葉に涙が溢れた。
「ありがとう、野田君。本当に、ありがとう…。あのさ、ところで私たち、これから
どうなるのかな…」
「そうだな…まあ、とりあえず屋上行かないか」
「そうだね。私も一度でいいから一軍みたいなことやってみたかったんだ。」
私たちは授業中に屋上に出た。
屋上での野田君は、まるでさっきとは
違って見えた。
「俺さ、小学生の時もこうやって屋上に逃げてたんだ。屋上ってなんか落ち着かね?」
「確かに…なんか落ち着くよね」
野田君の髪の毛が風に揺れていた。
「七瀬…また来ような。」
「うん、また来ようね。」
そう約束をして、教室に戻った。
しばらく歩いていると、野田君がぴたりと歩くのをやめた。
「野田君?」
「俺、やっぱり教室行かない…行けない…」
野田君はそれ以上口にせず、固まってしまった。私も、教室に戻りたくはなかった。
「野田君、どうしよっか…」
「…俺は…」
2人して考え込んでいると、背後に気配を感じた。
「野田君、七瀬さん?」
野田君の肩がビクリと動いた。背後にいたのは、保健室の永井先生だった。
「二人ともちょっと来て。」
そう言われて保健室に連れて行かれた。
「何があったのか教えてくれる?先生、
誰にも言わないから。」
そう言われて少し安心した。
私はいじめの全てを話した。
友達に裏切られたこと、
点数を見せろと強制されたこと、
自慢するなと誤解されたこと…
野田君はこのようなことを話していた。
いじめられていたことをバラされたこと、
スクールカーストに追い詰められたこと、
居場所をなくしたこと…
永井先生は静かに頷きながら聞いてくださった。野田君はうつむきながらも横目で私のことを見て…手のひらをぎゅっと握ってくれた。
自分も辛いはずなのに、慰めてくれた。
そんな優しい野田君に心が温まり、
野田君よりもずっと強く、手のひらをぎゅっと握り返した。
永井先生は、まるで私たちの心が見えているかのように、
「今日からここで過ごすのはどうかしら。教室、入りづらいでしょ?」
と言ってくださった。
今日からここで過ごせる。そう思うだけで、心が随分と軽くなった。
ありがとう、先生。
私は野田君と一緒に帰ることになった。
野田君の家と私の家はそんなに遠くは
なかった。
「結構近かったんだね、知らなかった。」
「七瀬の家ってこの変なの?」
「そうだよ。野田君の家って大きくて
綺麗だね。」
「そうかな。」
そう言って野田君は家の前を通り過ぎた。
「野田君、家に入らないの?」
「送ってくよ。」
「いいの?」
想像もつかない一言に戸惑いつつも、
正直、嬉しかった。
「私の家、ここなの。送ってくれてありがとう。また明日ね。」
「…あのさ、明日から学校一緒に行かない?」
「…よかった」
「え?」
「1人だと心細いから。ありがとう。」
「う、うん…じゃあ明日」
「またね」
野田君が走って行く。
リュックに付けたキーホルダーが揺れるのを見ていた。
3
朝が来た。
いつもと違う。勝手に体が動いてるみたい。
身支度を終え、自分の分と野田君の分のお弁当を作った。
喜んでくれるかな…
7時半になるのを待って、私は玄関を飛び出した。
野田君の家のチャイムを鳴らすのに
少し戸惑っていると、家政婦さんが出てきた。
「おはようございます。咲人くんいますか」
「今呼びますね。お待ちください。」
野田君はあくびをしながら出てきた。
あまり寝ていないのかな。
「野田君おはよう」
「おはよう」
「じゃあ、行こっか」
「あいつらに会わなくていいと思うと気が楽だな」
「そうだね。でも緊張する…」
「何で?」
「だっていつもと違うでしょ」
本当は違う。
野田君と隣で勉強すると思うと緊張する、という意味だった。
「あのさ…呼び方変えない?」
野田君が恥ずかしそうに言った。
「あっ名前?」
「うん。俺は咲人でいいよ」
「じゃあ私は希子で」
沈黙が続く中、足音だけが響いていた。
前までは近寄り難いと思っていた野田君と、こんなに親しくなれるなんて思っても
いなかった。
学校に着いて保健室へ向かうと、永井先生がいらっしゃった。
先生はもう、担任に話をつけて下さって
いるらしい。
ありがたかった。
数学が苦手な私に、咲人くんは勉強を教えると言ってくれた。
咲人くんの教え方はとても分かりやすかった。一問ずつ「分かった?」と確認しながら
教えてくれる。
問題が解けると 、中学生とは思えないほど屈託のない笑顔で褒めてくれた。
その笑顔が嬉しくて、また問題を解いていく。気が付けば夢中になっていた。
そんな私は、少しだけ、咲人くんのことが気になっていた。
本当に、少しだけれど。
その日の昼休みに、私は咲人くんを中庭に
誘おうとしていた。
「お昼、中庭はどうかな?」
「俺も中庭がいいなって思ってた。」
「よかった。じゃあ行こっか」
恐怖よりも安堵の気持ちは大きく、
咲人くんの後ろをついて行く。
しかし、私の目に嫌なものが映った。
一軍だ…
「咲人くん!一軍が…隠れて!早く!」
固まったまま動かない咲人くんの腕を、
私はぐっと引き寄せた。
突然のことで、状況が上手く掴めない。
「やっぱり保健室で食べよっか。」
「うん。…やっぱり危険だな、中庭は」
…危なかった。もう少しで見つかるところ
だったけど、面倒な事にならなくて本当に
よかった。
「希子、危なかったな」
「怖かったね…でももう大丈夫。
咲人くん、平気?」
「平気。それより希子…」
「うん?何?」
「顔色悪いよ。今日はもう帰ろう?な?」
心配そうに覗き込む咲人くんに私は、
はっきりと、大丈夫だよ、とは言えなかった。
今日はもう帰ろう。
だって、なんか嫌な予感がする。
帰らないと、また一軍に会いそうで、
怖い…
その日の夜中、私は久しぶりに怖い夢を見てしまった。
それは、一軍にいじめられる夢だった。
そして、一軍に殴られたり、蹴られたり
する夢も…。
朝起きると、枕が涙で濡れていた。
私は、震える手で咲人くんにメールを送った。
『咲人くんへ。
今日は学校休みます。ごめんね。
希子より』
咲人くんは学校行くのかなぁ…
そう思っていると、チャイムが鳴った。
「はーい…」
え?咲人くん?
玄関に立っている咲人くんの顔は、涙で
はっきりと見えなかった。
「おはよう。急にごめん。」
「ううん、大丈夫だよ。入って」
「え、でも…身体大丈夫なの?」
「…うん…大丈夫。」
咲人くんは、不思議そうな表情を浮かべて
いる。
私は咲人くんを部屋に招き入れ、夢の話を
した。
咲人くんは何も言わずに聞いてくれて、
あの時みたいに、手のひらをぎゅっと
握りしめてくれた。
「希子、辛かったよね。でも俺がついてるから大丈夫だよ。絶対に、大丈夫」
「ありがとう、咲人くん。私、明日は
咲人くんと学校に行きたい。」
咲人くんは私にとって、希望そのものだ。
咲人くんがいなかったら、私は明日、
学校に行こうとはしなかっただろう。
私は咲人くんに、心の底から感謝した。
「こちらこそありがとう、希子。
明日も一緒に学校に行こう」
笑顔で答えてくれた咲人くんが眩しくて、
再び手のひらをぎゅっと握り返した。
4
いつ言えばいいのだろうか。
私には、咲人くんに未だ言っていない
秘密があった。
それは幼い頃の記憶だ。
人を簡単に信用してはいけないと、
強く言い聞かせてきた自分がいる。
本当に信頼できる人に話そうと、心に
決めていたのだから、出会って3ヶ月ちょっとしか経っていない咲人くんに話すのも、
まだ早い気がする。
そもそも咲人くんはこの話を受け止めてくれるのだろうか。
考え事をしているうちに、もう咲人くんの家の前に来てしまった。
チャイムを押すと、咲人くんはすぐに出てきた。
もう少し待ってほしかったという気持ちを
抑えながら、無理に笑顔を作った。
「おはよう」
自分でも、笑顔がぎこちないのが分かる。
「おはよう。どうしたの?何かあった?」
「ううん、何でもないの。学校に行こう」
心配する咲人くんに本当の事が言えず、
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
学校に着くと、いつものように保健室で
勉強をした。
喧嘩した訳でもないのに、少し気まずかった。
何も知らない咲人くんは、普通に接して
くれている。
「希子、やっぱり何かあった?」
やはり、咲人くんは察していたようだ。
「大丈夫だよ」
「何かあったら俺に相談して。いつでも
力になるから」
「ありがとう」
私は心からのありがとうを言った。
その後は、咲人くんと普通に接することが
できた。
数学も段々と出来るようになっていくこと
が、私はただ嬉しかった。
翌日、咲人くんに問題集を見てもらった。
すると咲人くんは満面の笑みで褒めてくれた。「人から褒められる嬉しさ」というものを忘れかけていた私にとって、それはとても嬉しい事だった。
人というものは、褒められると嬉しく感じる生き物なんだ。
人には他人を幸せにする力だってある。
人から愛されることを知っている人は、他人を愛することができる。
そんな当たり前のことが再び蘇り、
静まり返った私の心を、ゆっくりと
溶かしていくように思えた。
今日こそは言わなければ…
咲人くんのことを信用していない訳では
ないのに、どうしても不安になってしまう。そもそも、きっかけがない。
突然打ち明けて、どのような反応をするのかも気になってしまう。
昼休み、いつものようにお弁当を食べていた時のことだった。咲人くんがいきなり質問してきたのは。
「希子…、希子は幸せに感じるときってある?」
「どうしたの?急に」
「俺さ、小さい頃から両親が家にいなくて、ずっと1人だった。だから人への接し方が下手っていうか…」
突然の事実に、私は戸惑った。
「俺、希子のこと傷つけてない?
俺といて嫌だってこととか…」
咲人くんは真剣だった。
「そんなことない。絶対にないよ。
だって咲人くんと一緒にいると、小さな幸せにも気づけるの。空が青いこと。道端に花が咲いていること。夕焼けが綺麗なこと…。
それに私も咲人くんと、…同じなの」
「希子ありがとう。…あの、そのことについて詳しく聞かせてくれない?俺じゃ頼りにならないかもしれないけど、それでも希子の力になりたいんだ。」
「ありがとう。じゃあ聞いてくれる?」
「もちろん」
「あのね、私、お母さんがいないの。4歳の時、お父さんの暴力に耐えられなくなって、家を出て行った。お父さんは本当のお父さんじゃないし、帰ってくることはあまりなくて…
お母さんが家を出る時、最後に『愛してる。愛してるわ、希子。』って言ったの。
今でも覚えてる。愛してるのに何で私を捨てたのって思った。『愛してる』ってことは
『愛していない』ってことなんだって。だから人への接し方が下手なのは、私も、…同じなの」
咲人くんは頷いてくれた。
「希子、話してくれてありがとう。
希子のこと、分かっているつもりで分かってなかった。気がつかなくてごめん」
「そんな…咲人くんのせいじゃないよ。
それに咲人くんだから話したの。咲人くんを、…信じたかった」
「ありがとう、信じてくれて。突然だけど、伝えたいことがあるんだ。聞いてくれるか」
「うん、何?何でも聞くよ」
すると、咲人くんは真剣な顔になった。
そして1つ、深呼吸をした。
最終章〜愛してるの証明〜
「希子は『愛してる』という言葉の意味がわからないと言ったよね。実は俺も今まで分からなかった。けど、希子と出会って…分かるようになった。
小さな花を見て、静かに微笑むところ。気が利くところ。思いやりがあるところ…。
希子のいいところ、俺は全部知ってる。だから、俺にさせてくれないか。『愛してる』の…証明を。」
咲人くんは、はっきりとそう言った。
「『愛してるの証明』…?それって…」
「そうだ。小さな幸せを大きな喜びに変えることができる希子に、俺は惹かれたんだ。」
私は、これは夢ではないだろうかと
疑ってしまった。
まるで、心と心が繋がっているのかのようだった。
私は、心の底から嬉しかった。
「希子、…俺と付き合って下さい。」
「…私も…咲人くんのことが…好き。こちらこそ、よろしくお願いします。」
「希子、…愛してる」
そう言って、咲人くんは私を強く強く抱きしめてくれた。
エピローグ
空が夕焼け色に輝いている。
道端に咲く花は、なんて綺麗なのだろう。
2人で見る景色は、いつもより何倍も
素晴らしかった。
ずっと分からないままでいた『愛してる』の言葉の意味をようやく理解することができ、私は今、とても幸せだ。
ありがとう、野田咲人くん。
これで私も、安心して成仏できる……
✳︎end✳︎
この度、沢山の作品の中から「愛してるの証明」を選び、最後まで読んで下さった皆様、誠にありがとうございます。
私が初めて書かせていただいた作品はいかがだったでしょうか。
この作品は、私が初めて書いた作品で、非常に思い入れ深いものです。
恋愛ファンタジーということで、甘酸っぱいストーリーが並んでいながらも、最後にはファンタジー要素が詰まっているという、異色の物語になっていると思います。
また、エピローグを読んでいただき、読者の皆様が良い意味でこの作品に裏切られることを期待しております。
拙い文章ではありますが、これからもいじめを題材とした作品を投稿していきますので、よろしくお願い致します。