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界遊記  作者: かえで
聖剣と氣とマナと
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初めての指導

間章です。ファルガとレーテがほんの少しだけ鍛錬を始めます。

「……ファルガ君」

 ラン=サイディール国兵部省長官にして、ドレーノ国の総督であったレベセス=アーグは、改まって少年に声をかける。

 丼を伏せたような形状のSMG移動兵器『飛天龍』のキャビンを縁取るように設置された手すりに掴まったまま、今までに起こった様々な出来事に思いを巡らせていたファルガは、突然名前を呼ばれ、壮年男性の方を振り返る。ファルガの今までの経験上、話を始める前に名前を呼ばれた場合、ロクなことがない。

 少女レーテ=アーグも、自分が呼ばれたわけではないが、ほぼ同じタイミングで振り返った。やはり、彼女も表情がこわばっている。あまりいい話ではないだろうという予測はファルガと同じだ。

 だが、名前を呼んだ当事者、レベセス=アーグはそんな二人の訝しげな視線など全く意に介さずに言葉を紡ぐ。

「……『氣』とは何か、『氣』とはどういった使い方をするのか、ということを、君は聖剣の所有者として知らなければならない。

 そして、それを知った上で『氣』のコントロールする術を身に着けなければならない。

 それを知らずして聖剣を使いこなすことはできないし、聖剣を使いこなすことが前提で、今後の戦いが進んでいくはずだ。

 習得できないまま剣を振るっても、それは単なる剣での戦いでしかなく、聖剣を巡って今後起こる戦いでは命を落とすことになりかねない。

 この飛天龍がルイテウで燃料補給を終えるまでに、ファルガ君にはそれなりの鍛錬を積んでもらう事にした」

 一瞬ヒータックの表情が苦々しく歪む。

 飛天龍のキャビンで四人というバランスが微妙にとりづらい人数を輸送している。ただでさえ操縦が難しい飛天龍上で、飛んだり跳ねたりされてはたまらない。

 だが、レベセスは笑いながら答える。

 飛天龍のキャビン上ですることといえば、瞑想だ。『氣』のコントロールの鍛錬には、動的な体の動作は必要ない、と。

 そう告げると、ヒータックは少しホッとしたようだった。

「聖剣の勇者として、君には基礎的なところから教えていくつもりなので、……そんなに嫌そうな顔をするな」

 レベセスは苦笑する。かつて同じ表情で彼を見つめた人間の事を思い出したのだ。まさか、十年の時を超えて同じ顔に同じ表情を向けられるとは思ってもみなかった。しかし、ファルガの気持ちもわからなくはない。

 『聖剣』といわれても、そもそもその存在自体がなんだかわからないだろう。所謂剣の形をしているが、ただの剣ではない事は明らかだ。レベセス自身も、かつて光龍剣を手にした時に、同じような事を言われたが、その時には確かに目を白黒させたものだ。

 普通の剣とは違う、特殊な力を持つ剣の形をした何かが、何を目的にしてつくられたのか。自分が何故『聖剣』と呼ばれるものに所有者として選ばれることになったのか。そして、自分が聖剣を手にしたならば、自分はいったい何をすべきで、何をしてはいけないのか。

 ファルガは、生まれ育ったラマ村から初めて単身飛び出して、様々なものを目撃し、体験してきた。少なくとも、自分がこれまで正しいと思ってきたことや、いけないと思ってきたものが簡単に覆り、今の価値観はそれを支える物が根底から崩れ落ちてしまっている。そんな自分が聖剣を手にしたところで、何をすればいいのかわかるはずもない。

 むしろ、そんなものを預けられても、またわけのわからないトラブルに巻き込まれるだけだろう。

 そもそも欲しかったものでは無い。『カニバル=ジョー』と相対する為の取るもの取敢えずの武器で、剣を手に取っただけであり、その後は、勝手に剣について回られているだけで、『聖剣』という名の付けられた、呪われた何かのようなものだ。

 そして、そもそもなんだかわからない物を使いこなすためのトレーニングとは一体何だろうか。この世のものとは思えないほどの厳しい中身なのか、はたまた一連の行為を全てやってみた上でも目的も意味も解らない代物なのか。なんだかわからない物を使いこなすためのトレーニングなぞ、なんだかわからない物に決まっている。

 そんなものに時間を取られるくらいなら、早くジョーを追いかけ、レナの敵を討ちたかった。だが、残念ながら、レナの敵の所在は不明だ。

 そんな少年の気持ちを表情で察したレベセスは、宥める様に説明を始めた。

「聖剣の伝説は聞いたことがあるな?」

 無言で頷くファルガとレーテ。

 講師とその生徒たちは、操縦桿を持つヒータックの背後で、円坐を組んだ。

「……よろしい。

 しかし、君たちに聖剣の話をするにあたって、君たちが難色を示すのはわからんでもない。

 ファルガ君が持っているその剣に限らず、『聖剣』といわれる代物は、世界各地で無数に存在し、様々な逸話を残しているからな。それこそ、逸話に対して一本の聖剣が語られると言っても過言ではない。

 逆に、その逸話が無数にあるせいで、現在はファルガ君が持ち、私がかつて使った、実際の『聖剣』という物の存在意義や、聖剣そのものがどういった物なのかわかりにくくなっている側面は拭えない。

 正直、聖剣をどうしていけばいいのか、戸惑っている、というところではないかな?」

 レベセスは、ファルガの背負う聖剣を手渡すように、右手を差し出した。

 一瞬レベセスの意図が分からなかったファルガだったが、すぐに手渡す。

「万人が知っている伝説の内容として最もポピュラーな物は、『聖剣を全て揃えれば、世界を手に入れることができる』という抽象的なあれだな。

 さて、神話も含めた聖剣の種類は数あるが、この伝説の聖剣は、この通り実在する。そこは疑いの余地はないだろう。そして、これらの剣が特殊な力を持っているということも」

 レベセスは、ファルガから受け取った剣を少年と少女に見せながら語り掛けた。

 ファルガもレーテもこくりと頷いた。

「実際には、この『勇者の剣』を含め、聖剣は四本の剣がある。

 私が以前所有者だった『光龍剣』。ガガロの持つ『死神の剣』。そして、恐らくガガロが持っているだろうと思われる『刃殺し』。

 他にも宗教的な位置づけとしての『聖剣』は無数にあるのだろうが、所謂『聖剣伝説』に出てくる聖剣は、この四本の事を指す。

 聖剣が作られた時期や目的、製作者は不明だが、はっきりしている特徴が二つある。

 それは、特定の人間しか鞘から抜くことができず、剣を抜くことのできる人間は、聖剣を通じて『力』を引き出すことができる、というものだ。

 その『力』というのは様々なようだが、共通してみられる特徴は、身体能力の大幅な増加だな。筋力や瞬発力、動体視力などの能力から、五感と呼ばれる感覚、果ては第六感のような、存在そのものの証明がなされていないものまで鋭くなるようだ」

 そういうと、レベセスは鞘からゆっくりと剣を抜く。

「聖剣を抜くことができる人間は、どの剣でも抜けるようだな。このように、私でも勇者の剣を抜くことはできるし、ファルガ君が光龍剣を抜くこともできるだろう。そして、どの剣も同じように力をコントロールすることができる」

 レベセスはそのまま立ち上がり、両足を肩幅ほど開くと、軽く膝を曲げ、腰を落とした。

「……おいおい、機体を揺らすのだけはやめてくれよ……!」

 操縦桿を握りながら呻くヒータック。

 だが、レベセスはにやりとしただけだった。

 レベセスの身に纏うガラビア生地のズボンの裾が、風の影響とは全く違うはためきを見せる。同時に、彼の身体の輪郭に沿って空間が揺らいだように見えた。直後、歪んだ彼の身体の輪郭が徐々に輝き始め、光に包まれる。空気がどこからか漏れるような音が微かに聞こえるような気がするが、レベセスの輝きがその音源だろうと思われた。

 ファルガは身を乗り出し、レーテは思わず感嘆のうめき声を漏らす。

「これが、所謂聖剣の力を引き出した状態。

 聖剣の力を引き出したと表現されているが、実際は聖剣を通じて自分の生命エネルギーを瞬時に増幅させて、体のあらゆる能力を向上させている。

 その増幅させた生命エネルギーを使う技術を『氣功術』という。一般的には魔法とか超能力と表現される類の代物だが、実際は、人間が元々持っている力を引き出しているにすぎず、実際の魔法とは違うのだがな」

 眼前で、ここまで様々なものを見せつけられると、聖剣という物に対して興味が湧くのも無理はない。

 ファルガやレーテは勿論のこと、操縦桿を持っているヒータックですらレベセスの話に引き込まれた。特にファルガは、自分が聖剣を発動させている際の客観的な自分自身の姿や状態を知らぬ為、特にレベセスの身体の変化に驚愕していた。

「……今は、聖剣を用いる事で簡単にこの状況を作っているが、氣のコントロールに習熟してくると、聖剣を持たずとも聖剣発動状態を作り出すことが出来るようになる」

 レベセスの言葉の末尾辺りで、彼の身体を覆っていた光の膜から、輝く湯気のようなものが立ち上がり始め、次の瞬間、レベセスの身体は青白い炎に包まれた。

「これが、それぞれ聖剣発動の第二段階と、第三段階だ」

 そういうと、レベセスは剣を鞘に戻し、ファルガに渡そうとする。それと同時に彼の身体から噴き出していた光の炎が掻き消えた。

 だが、これほどの圧倒的な変化を目の当たりにしたことで、ファルガは差し出された聖剣をすんなりと受け取る事ができなかった。ヒータックも態度や表情には示さないが、明らかにレベセスの変化に驚愕している。

 だが、レーテだけは躊躇している様子はない。

「私にも……やらせて」

 レーテは、ファルガが聖剣を受け取る直前に申し出、レベセスから剣を受け取る。そして、鞘からゆっくりと剣を抜こうと力を込めた。

 その瞳の輝きの強さは、少女レーテが今まで己の無力さのために辛酸を舐めてきた事実を、なんとかこれ以上積みかねないための覚悟だった。

 剣は、ダマスカス鋼のような波紋を描いた美しい刀身を再度ゆっくりと現し始めた。

「……私にも抜くことができるのね」

「聖剣の使用者としての素養は、血縁も関係はあると見る人間もいる。だが、それも絶対ではないようだ。稀代の聖勇者から、剣が全く使えぬ子が出た事例も多い」

「聖剣を抜けない人間が、鞘から抜いた状態で剣を渡されたとしたら、どうなるんですか?」

「一説によると、全身から血を噴いて倒れるという話もあるが、その事象はよくわかっていない。

 そもそも、聖剣というものがどういうものか、殆どの人間が知らないのだからな、どのような言い伝えがあったとしても不思議ではないだろう。

 一度私が見た時には、聖剣を使いこなせない者は、聖剣に力を吸われたようで、突然倒れてしまい意識を失ったよ。赤い霧に覆われたが、あれは血を吹いたのかもしれない。

 最初に聖剣を使った時には、力を吸われた後、増幅された力が戻ってきただろう? あんな感じで力を吸われたにも拘らず、その後、力が戻ってこなかったのだろうな。

 恐らく、聖剣を使えない人間が鞘から剣を抜くことができないのは、鞘から抜かせない事そのものが、ある意味リミッターなのではないかと思っている。

 抜き身の剣を渡されると気絶するのは、その体に聖剣の力を宿すだけの器が存在せず、そのまま強大な力を流し込むと、体が耐え切れずに破壊されてしまうため、聖剣からのエネルギー享受を止める為の体の自己防衛機能ではないのかと考えられる。

 もっとも、使えぬ人間が無理に聖剣を発動させた場合、その体がどのように破壊されるのかは、想像もつかんがな。

 それに、聖剣とは言っても、力を引き出さない状態で使ったとするなら、地味なただの剣に過ぎない。その威力も推して知るべしだろうな」

 聖剣のことを少しだけだが分かった気がしたファルガ。

 それでも、わからない事は多い。これからいろいろな試行錯誤しながら身に付けていく物なのだろう。

 元聖勇者レベセス=アーグの聖剣使用講座が始まった。

「聖剣を使う前に、『氣』と『マナ』について知っておいてもらわなければならない。ここを間違って解釈すると、実際の戦闘でえらい目にあってしまうだろうからな」

 レベセスはそう言葉を締めて、話を開始した。


 『氣』とは、この世界の生きとし生ける生命体の活動エネルギー。生を謳歌する生命体であれば、人間は勿論の事、動物や植物も持ち得る生命として存在する為のエネルギー。数ある生命エネルギーの最小単位が『氣』。

 『マナ』とは、氣と同様に、この世界の存在エネルギー。岩や石、砂や水など、この世界の物質として存在する、いわゆる生命体ではない物体が持つ、その存在エネルギーの最小単位が『真』。

 『氣』のエネルギーを用いて様々な現象を起こす術を『氣功術』といい、『真』を用いて様々な現象を起こす術を『マナ術』という。人間の身体機能を高めたり、体のダメージを回復させたりするのはどちらかといえば氣功術であり、自然界に存在するエネルギーに作用し、様々な現象を起こさせる術がマナ術。マナ術も、現象を術者のイメージ通りの現象を起こす為の術であり、決して戦闘のみのために存在するものではない。

 『氣』と『真』は、別物のようにとらえる研究者も多いが、実は同じ物のエネルギーの状態の違いで呼び方が違っているに過ぎない。つまり、同じ物だが、存在の仕方が違い、性質が違う。

 そして、その中で最も特筆すべき特徴は、『真』は『氣』に触れると『氣』の性質を持つようになっていくが、『氣』だけが単体で存在した場合、時間が経つにつれて、徐々に『真』の性質に変わっていく。『氣』と『真』の間で行われる遷移は、特異性双方向遷移と呼ばれ、五感では知覚できないが、結果だけ見るとその遷移が証明できるというものらしい。

 その、『氣』と『真』に対して状態変化を与える方法を『術』と呼ぶ。これは、氣功術やマナ術だけではなく、『真』の変化を与える事を、道具を使って行う場合はそれをその道具にちなんだ『術』と呼ぶ。剣を使えば剣術。槍を使えば槍術。所謂『獲物』を使う事で与える変化は概ね穿孔や切断だが、『真』の達人は剣や槍で者同士を接続させ、命を吹き込むことも可能だったという。所謂秘術の類も、実はこれで全て説明できるとされた。


「まあ、肉を食うと、食った者の身体に肉がつくのと同じようなものだな。だが、食った者の肉は明らかに生きている。死せる存在の肉とは違う」

 そう言ってレベセスは笑った。

 そんなレベセスを見て顔を見合わせるファルガとレーテ。二人の表情はどうにも微妙だった。眼前でいくつもの奇跡が行われているのはわかる。だが、その説明がわかるようでわかりにくい。かといって、完全にわからないわけではなく、何となくわかる気もする。

 いずれにせよ、その感覚を共有するのはどうも難しそうだ。

「まあ、どうせ良くはわからんだろう?

 実は私もそこまで良くはわかっていない。だが、世の中の全ての物は、二つの性質を持つ同一の素子で出来ているらしい、という事だな。

 そして、聖勇者なら氣功術とマナ術を使えなければいけない。どちらの術も自分の生命エネルギーである氣をコントロールして、大気中のマナに干渉するか、体内の氣に干渉するのか、の違いなだけだ」

 ファルガもレーテも、レベセスの説明では、理解度が向上したとはとても言えなかった。だが、それでも少年と少女はマナ術に対して興味を持った。

 やはり、かつて幼少期に聞いた、所謂魔法に対する憧れが再燃したという事だろうか。

「下腹部に力を込め、自身の氣の力と流れとを感じろ。そして、その力で肉体を活性化しろ。

 マナ術は大気中のマナを集めて術を発動させる。その集める為の道具が氣。

 人間は本来、マナ術を使うときのマナを制御する力の事を『魔力』という表現を用いるが、この魔力は、鍛錬ではあまり変化しない。生まれ持った才能だ。

 それを努力で埋める為に、人々は氣をコントロールし、マナを集める為の才能である魔力を瞬間的に増幅し、マナを集めた。

 マナ術の向上に氣は不可欠。まずは氣のコントロールができるようにならなければならない。大気中のマナをどれだけ集めることが出来るか、というのは氣の強さとコントロールの上手さによるからだ」

 レベセスの指導に、ファルガとレーテは眉間にしわを寄せながら鍛錬を継続する。その額には脂汗が浮かんでいる。

「その理屈が正しいならば、神話などに散見される、岩の化け物やら、氷の化け物やらは、実は岩の性質を持った『真』ではなく、『氣』の状態であった、と考えれば説明がつくわけだな。様々な現象に対して、それらを説明する為に構築された理論なのか、それともその逆なのかはわからんが、提唱した人間はよくもまあここまで系統立てて説明した物だな」

 操縦桿を握り、レベセスの講義に対して全く無反応であったヒータックが、実はレベセスの説明を一番深く理解していたというのは、何とも皮肉な限りだ。そして、ヒータックのその言葉を聞いたレベセスから思わず笑みが漏れたのは言うまでもない。岡目八目とはよくいったものである。

「ヒータック君、君の言うとおりだ。しかし、大した洞察力だな」

「俺ではない。大小問わず、国という括りの集団には、必ず一人以上のSMG特派員を送り込んで、逐一異変があれば報告をさせるシステムになっているが、希に、どう見ても薬物でもやっていたのではないかという目撃報告がある。

 氷の巨人が村を定期的に襲う、だとか、火を全身に纏った魔人が戦争時に相手国から放たれている、だとか。

 あんたの報告だけ聞くと噴飯物の世迷言なのだが、もし、仮にそれが本当だとするならば、今回のあんたの説明で、今までの世迷言のような報告が、実は彼らが真実を伝えるための報告であり努力であったことが証明できると、俺の溜飲が下がるのさ」

 ヒータックは、これからもレベセスのことを『あんた』呼ばわりをし、名を呼ぶことはほとんどなかった。

 それについてレベセスは何も言及しないが、おそらく、かつてルイテウで目撃した聖剣の勇者同士の戦闘を目の当たりにしてなにか心に大きなダメージを受けたのかもしれない、と推測できた。


 雲に覆われた巨岩ルイテウが、その視界に捉えられるようになるまで、ファルガとレーテはひたすら座禅を繰り返し、自身の氣を高める為の努力をする。

 ヒータックの駆る飛天龍が、雲の狭間から見え隠れする巨大な浮遊岩石、ルイテウの上部ハッチから機体を滑り込ませたのは、ロニーコを出発してから一日半経過した昼前だった。

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