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界遊記  作者: かえで
超界元ユークリッド

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250/257

消えた農耕神勇者

「なあ、ゴンフォン、どう思う?」

「……と言いますと?」

「オーラ=メイルを纏うと、『氣』が吸われてしまう、というこの界元のルールさ」


 ファルガとエスタンシアに対し、命の恩人という自覚があるのか、しきりにじゃれかかってくる猛禽の雛。

 だが、彼らにずっとかかりきりになるわけにはいかない。甘噛みしながら囀ずってくる雛たちの相手もそこそこに、巣を出発する三人の神勇者たち。

 今はまだ、そこまで時間に追われているわけではない。ただ、『命光石』は『魔』の神勇者である神闘者・別名『妖近衛』も集めはじめていると考えるのが妥当だ。今の自分たちの動きは、まさに『魔』の動きを鏡に映したものといってよい。

 なぜなら、界元神皇と界元魔神皇は、共用の肉体を持つ別生命体。従って、共有している部分も多い。思考や行動がどこまで相手に漏洩してしまっているかは、文字通り『神のみぞ知る』状態だ。

 であれば、既に相手は行動を開始していると考えるべきだ。だが、今『魔』の使いども……神闘者しかり、魔近衛しかり……は、命光石の存在する場所や、具体的な色と形状、効果効力や取扱い方法等の情報についても、こちらと同程度の情報しかないと考えられる。

 つまり、ほぼ何も情報を持たないということだ。

 しかし、時間が経つに従い、『妖』と『魔』の捜索隊たちは徐々に、命光石の情報は仕入れていくはずだ。

 その時、その情報を界元神皇と共有すると、自動的に反心魂の神皇にも伝わる可能性が高く、それゆえ命光石を効率良く収集するという観点では正しくない。

 そのためカインシーザは、界元神皇ユークリッドには、彼らが見つけた命光石を完全回収するまでは、報告はしないと明言していた。

 そんな中で『見守りの神勇者』たちは、いくつもの班に分かれて行動を開始した。

 その何部隊あるかわからない、無数の集団のうちのひとつが、ファルガとギュー、カインシーザとゴンフォン、ネスクとエスタンシア、そしてディグダインで構成されていた。

 今でこそ、不慮の出来事のために二分されているが、大元は一つの部隊だった。

 現在、ファルガ達は標高一万メートルオーバーの山脈の、尾根に近い部分で移動を開始していた。

 その標高だと、当然気温は氷点下になりそうなものだが、実際は少し気温が低いものの、防寒を準備するほどの気温ではない。

 しかし、その現象こそが、ファルガたちに違和感を与えていた。

 標高は高いが、気温がそこまで下がっていないのは、巨大な星ゆえの強大な重力のため。気圧が高く、仮に高山地域であったとしても気温が下がりづらいのはわかる。

 それでいて、ファルガ達の体感が、なぜすさまじい重力の影響を受けないのかというと、それは星の自転がとてつもなく高速であるため、遠心力でバランスが取れている、というのがディグダインの見立てだった。

 しかし。

 そうすると、重力が強いにもかかわらず体が重くない、という現象と、高所でありながら気温が下がらない、という現象は矛盾する。


「……命光石って、それだけなのかなぁ?」

「……??」

 ファルガの問いの真意がわからず、ゴンフォンは無言になった。

「いや、単純に疑問に思ったんだよ。

 ユークリッド界元では、術が使えない。

 理由は『氣』が命光石に吸収されてしまい、コントロールがうまくできないからだ。でも、『氣』と『(マナ)』を使って戦う戦士である俺たちにしてみれば、この二つが使えないのは致命的だ。多分、それは神闘者連中にも言えることだと思う。

 オーラ=メイルを纏おうとすると、『氣』を増幅して、それを体中に行きわたらせる必要がある。

 でも、体から噴き出すオーラ=メイルだけなんだよ。命光石に吸収されるのは。体内で循環している『氣』までは吸われない。

 だから、作業用氣功術は、万全とまではいわずとも使えるんだ。

 作業用氣功術とはいえ、視認できないだけで、体から多少は『氣』が立ち昇っているから、少しは吸われてしまうのだけれども。

 実際、雛を≪回癒≫で治そうとした時、俺はあえて自分の手を雛に押し付けた。最終的には『氣』はもちろん吸われたけれど、翳しただけの時と比べると、吸収される量はずっと少なかった。『氣』を使うことそのものが駄目なのであれば、もっと吸われてもおかしくないのに。

 原因不明のこの現象の一番の謎は、『氣』を体内に持つ俺たちのような存在の『氣』を、限界まで吸わないことなんだよ。

 『氣』を吸い取る行為に関して、まるで何者かが、意思と意図を持ってやっているようにも思えるんだ。

 命光石がただ『氣』を吸う為だけに存在するだけなら、ありとあらゆる生命体は『氣』を全て吸われて、多分干からびて死んでいるはずなんだ。

 もし……。

 もし、だ。

 命光石に何か第三者の意思が働いて、発動に制限がかかっているとしたら、その制限を明らかにできれば、命光石の回収率も変わりそうな気がするんだ。そして、『命光石』の存在意義も」

「なるほど。

 今は何もわからない状態ではありますが、『氣』の吸収に関しては、何かしらの法則があるはず。その法則を見つけ出すことで、命光石の場所や形、さらに言えば用途までを特定できる可能性がある。

 そういうことですな」

「そうすると、界元神皇様が、何のために集めて来いと言っているのか、目的も見えてきそうね」

 命光石が、ただ漠然と『氣』を吸収するだけではなく、体外に放出された『氣』だけを吸収するという、一見すると見逃しそうな矛盾。

 そして、猛禽に高所に連れてこられるというアクシデントで初めて気づいた、標高と気圧に関わる矛盾した現象。

 通常であれば生物限界を超えた標高でありながらも、その地には猛禽が生息し、その周りにも低木でありながらも無数の植物が育っている環境。標高を加味した場合、異常に高い気温という矛盾。

 これらの状況が、何かを訴えかけている気がしてならない。

 ファルガの問題提起に対し、ゴンフォンはその問題をスルーしようとはしなかった。

「見て……」

 先頭を歩くエスタンシアが立ち止まって、後方から話しながら来る二人の神勇者に注意喚起する。

「この先、急激に寒くなる」

 余りに抽象的な表現に、首をかしげる二人。

 だが、次のエスタンシアの行動に目を見張った。

「見ていて。ちょっと寒すぎて手を入れるのは嫌だから、この先には行かないけれど」

 大きく息を吸い込むエスタンシア。そして、口を尖らせて、吸い込んだ息をふうっと一気に吐き出した。その時の表情が不思議と、何か文句を言いたげな、とある少女に思えて、思わず苦笑するファルガ。……もう少女という年齢でもないが。

 思い返せば、ほとんどラン=サイディールには戻っていない。

 帰ったら声をかけるといっておきながら、次から次へと『見守りの神勇者』をこなし続けた。

 もちろん、それは世界のため。ドイム界元のため。そして巡りめぐってはファルガのためであり、レーテのためでもある。

 しかし、そんなことをいったところで、彼女は、許しはしないだろう。

 許してほしければ、自分を一緒につれていけ。

 そういうに決まっていた。

 そんなファルガの眼前を横切る、エスタンシアの息は無色透明だ。

 平地よりは、多少は気温が低いが、氷点下になど至りはしない。そうなると、エスタンシアの呼気は、水蒸気を含んでいても可視化することはない。飽和水蒸気量が減少したとしても、呼気の温度が常温に近ければ、ほぼ観測は難しい。

 だが、ある場所を通過すると、突然息は白くなった。まるで蒸気機関車が蒸気を吐くがごとくに、何メートルも先まで白い呼気が延びていく。

「……ど、どういうことだ?」

 ファルガはエスタンシアを追い越して前に出ようとして、エスタンシアに抑え込まれた。

「危ないってば。

 今やって見せた通り、ここから先は、急に気温が落ちるの。まるで目の前に温度の壁があるみたいに」

 そういうとエスタンシアは、自分の靴のつま先を指さして見せた。

 エスタンシアの履いている靴は、膝下までのゴムっぽいブーツだ。だが、そのブーツの先は、凍り付いて固くなっていた。

「このブーツそのものは柔らかいのに、つま先だけカチンカチンに凍り付くなんて……」

 アグリ界元でブーツを履いてみたことのあるファルガは、その使い勝手の良さは身を以て体験している。それだけに、エスタンシアの説明はわかりやすかった。

「息でやってみたけど、一目瞭然でしょう?」

「この先は危険なのはわかりましたが、何なのでしょうか。

 あの猛禽の巣からの景色では妙にガスっている、と思ってはいましたが、まさかこの場所より先が、温度差で視界が効かなくなっていたとは……」

「危なかったな、エスタンシア。そのまま進んだら氷漬けになっていたな」

 さも自分が気づいて助けたかのように、ファルガは軽く得意気にエスタンシアに声をかける。

「今の行動を見る限りでは、ファルガの方が先に氷漬けになっていたと思うわ」

 苦笑するエスタンシア。

「……地面をよく見ると、色が違うな。地中の水分が凍り付いているのか」

 言い得て妙であったエスタンシアの指摘に、少しばつの悪かったファルガ。

 一瞬だけ顔をしかめたドイム界元の神勇者は、少し動揺する心をごまかしつつ、わざとらしくそう言うと目を凝らし、左右の様子を確認する。大地の色の差を見つけることで、眼前にある温度の壁がどこまで広がっているかを視認しようとしたのだ。

 ファルガたちのいる場所は、尾根に程近い所だった。そのため、尾根まで少し上って確認すると、すぐに十分に視野が確保できた。

 左右に落ち込んでいく山肌に、はっきりと線が伸びていた。

 ファルガたちの立つ場所はこげ茶色を基調とする台地だったが、気温の境界の向こう側は、基本的にほぼ純白だった。雪こそないものの、岩が凍り付いていた。

 まるでその境界線を超えた途端、大気中の僅かな水分を全て岩が吸収、大地から熱が全て奪われたあとの残骸であるかのような景色になっていた。

 空は酷く澄んでいる。文字通り雲一つない晴天だ。

 だが、それは生物の痕跡を感じさせない。余りに澄みすぎていて、原発の冷却水を貯めてあるプールの水という印象さえ与える。

 空の色、空気の匂い等の差だけでは、何が原因かはわからなかったが、この先は行くべきではない、というのが、三人の共通見解だった。

 猛禽の巣から漠然と進んできた三人。

 しかし、そこに温度の壁があることで、進行できないことが判明した。

 ひょっとしたら、超神剣の装備を身に纏っていれば、温度的な問題は解決したかもしれない。

 そんな考えがファルガの脳裏によぎった。しかし、彼らの冒険者としての勘が、ここから先に進んではいけない、という警鐘を鳴らし続けていた。

「一度、このまま戻ろう。とにかく、この異常な状態を何とかして理解しないと」

「そうね。その方がいいように私も思う」

 一行は、来た道を戻り始めた。


 道程は、通常では往路の方が長く感じ、復路は意外と短く感じるものだ。

 それは、一度通ったところだから安全である、という潜在的な思い込みが影響しているからなのだろうか。

 それでも、猛禽の巣の上を通るときは、さすがに気配を殺して通過する。

 いくら自分たちが雛の命の恩人とはいえ、猛禽たちがそこまで長い間、助けられた記憶を所持しているとも思えなかったからだ。

 再度襲われれば、今度は戦わねばならないだろう。

 この界元の猛禽が、どの程度の知能を持っていようと、あまり人間に慣れさせることが、彼らの一生にとってメリットがあるとは思えない。

 そんな親心もあって、ファルガ達は巣のある所にはあえて近づかず、そのまま巣の反対側に抜けた。

 しばらく進む一行。

 だが、やはり『温度の壁』は存在した。

 先ほどの『温度の壁』から反対側の『温度の壁』までの距離は、猛禽の巣を中心にして倍程度。距離にして十キロ程。

 ということは、やはり、猛禽の巣近辺が中心ということになる。

 考えなければいけないのは、この『温度の壁』が、なぜ存在するのか。それと、本来はどちらが正解の気象状況なのか。

 尾根伝いを歩いていた三人は、『温度の壁』のちょうど中間地点である、猛禽の巣の場所から、尾根を隔てて向かい側の斜面を降りてみることにした。

 先ほど尾根から見た『温度の壁』の境界線が、目に見えるところ以外では、果たしてどのような形状をしているかを調べるためだ。

 『温度の壁』で隔てられたものは、気温だけではなかった。

 当然ながら、壁の内側には低木ながら、植物が自生する。本来であれば、もっと地面に沿うように生えるべき植物なのだろうが、その茂みが見上げるほどに大きいのは、この界元の特徴だろう。ここでは、生きとし生ける様々な生命体が巨大なのだ。だが、壁の向こう側には巨大な草木は勿論のこと、生命体そのものが存在しないだろう。

 壁の内側には、岩と岩の間に土もあった。これは植物が種を落とした時に、根を張りやすい環境であることを意味する。岩の間に土があるということは、標高に見合った突風が吹かないことを意味するが、突風が吹かないのも『温度の壁』の影響であると思われた。今のファルガ達には腰まである草原のようにも見えるが、近くに寄るとこれらは群生する苔であることがわかった。

 ファルガは、作業用氣功術をうまく使い、岩と岩との間を飛び、軽やかに斜面を下っていく。ゴンフォンも、その体躯に似合わず、身軽だった。

 だが、不思議とエスタンシアが飛び移ると、重々しい音と、少々の落石が発生する。巨大な岩を削り、動かすほどの落石ではないが、神経を張り巡らせながら斜面の先頭を下っているファルガにすれば、かなり気が散るところだ。

「エスタンシア、悪いけど先頭を行ってくれるかな。どうも、エスタンシアが飛び降りたところから、砂利が落ちてくるんだよ」

「え? ごめん。そんなに力いっぱい飛び降りているつもりはないんだけど」

「いや、悪気はないのはわかっているんだけどさ、いろいろ調べながら降りているから、危険察知が遅れてしまう」

 エスタンシアは頷くと、ゴンフォンを追い抜き、ファルガの前に着地する。

 だが、そこで異変が起きた。

 ファルガとゴンフォンの眼前で、突然エスタンシアが消えたのだ。

 ファルガとゴンフォンは、降りてきたエスタンシアが、彼らの視界の前で止まることを予期し、その部分に意識を向けていたのはあるかもしれない。

 だが、少女は忽然と消えた。

 ファルガとゴンフォンは、思わずエスタンシアを探すため周囲をきょろきょろと見まわした。

 だが、戦闘中の高速移動中ならいざ知らず、眼前から消えたのに別の場所に動いているということはあり得ない。

「あ、あれ? 今、エスタンシアは俺とゴンフォンの間の岩場(そこ)に飛び降りたよな?」

「ええ。間違いなくそこに……」

 ファルガからもゴンフォンからも数メートル離れた岩場に降り立ったはずのエスタンシアは、忽然と姿を消していた。

 しばらく周囲を探していたファルガたちは、エスタンシアの消えた場所に穴が開いていることに気づいた。その場所は、穴が開いたというよりは、エスタンシアが踏み抜いた。そんな印象だった。

「エスタンシア! 無事か!?」

 穴の中に向かって叫ぶファルガ。しかし返事がない。耳に届くのは洞窟内を吹き荒れているであろう風の音だけだ。人が一人すっぽり入ってしまうほどの穴。覗き込んでも底は見えない。深いのか浅いのか。少なくとも、手を伸ばしてファルガが何かをつかむことはできなかった。

 中の様子を伺おうにも、穴を下ろうにも照明がない。

 氣功術を使えないのが、これほどに大変なことだとは。

 ファルガは思い知ることになった。

 今までの旅が、あまりに軽装すぎたのだ、と。

 しばらく穴を覗き込んでいたファルガは、意を決して体を穴に滑り込ませようとする。

 先は漆黒の闇だ。

 氣功術≪索≫が使えるわけでもない。

 照明が欲しいと思ったが、≪操光≫の術も、やはり氣功術だ。≪操光≫の術は、生命活動時に、光り輝く生命エネルギーの輝きの部分、つまり『生体光子(バイオフォトン)』をコントロールし、目くらましに使ったり、指向性の照明として使ったりと、とかく便利な術だった。そして、ファルガはそれに頼っている節もあった。

 今回の冒険では氣功術が使えない。

 だからといって、エスタンシアを見殺しにしていいはずもなかった。

 ファルガは、暗闇に向かって足を延ばしながらゆっくりと、洞穴を下り始める。

「ファルガ殿、お待ちなさい」

 エスタンシアが洞穴に落ちていく様を後ろから見ていた、巨人ゴンフォン。

 彼は、腰袋から小さな瓶を取り出すとその蓋を開け、小さな布切れを取り出す。どうやら、アルコールに浸した麻布のようだった。

 アルコールに浸すことで消毒にも使えるし、太めの木の棒に巻き付け火を放てば、簡易松明になる。瓶ごと投げれば火炎瓶にもなる。

 カインシーザがゴンフォンを連れてきたとき、手先の器用な男だと言っていたが、まさにそれは、そういう小道具を常に持ち歩き、何かの時に素早く代替品を準備できるような、細やかな気遣いのことも指していたのだろう。

 隻眼の赤い巨人は、更に袋から小さな瓶を取り出す。そこに、先ほどアルコールを浸していた瓶から、少しだけアルコールを移し、布切れを細く引きちぎり、細長く紙縒りのようにねじりを加えると、アルコールランプの芯として使えるように、瓶の口の少し奥に固定する。更に、細めの荒縄で取っ手を作り、簡易のランプを作り上げた。

「ファルガ殿、少々使いにくいかもしれませぬが、真の闇の中を進むよりは多少はましなはず。

 その穴の大きさでは、ファルガ殿は入れても、某では入れません。

 某はそのまま斜面を降り、別の入り口を探します。そこを脱出路として確保しつつ、某も中を探索します。

 穴は割と深そうです。決して慌てぬよう、ご留意ください」

 ゴンフォンは、火のついたランプを手渡すと、ファルガが穴に入っていく前に、急な斜面を下り始めていた。

「ありがとう。必ず後で返す!」

 ファルガはそういうと、少しだけゴンフォンを見送ると、ゆっくりと背を向け、足場を確認しながら、洞穴へと降りて行くのだった。

 中で風の音が聞こえるなら、他の場所にも穴があり、それが原因で空気の流れが発生している。そう考えると、やはり中を調べる必要はありそうだ。

 恐らく、エスタンシアも落ちた先で活動は開始しているはず。何とか合流しなければ。

 ファルガはそう強く思うのだった。

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