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氷原に咲く華  作者: 水瀬黎
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Episode.00 水竜伝説

あるところに、フィルネージュ王国という小さな王国があった。

フィルネージュの国は北方に位置するため、凍えそうなくらいに冷え込む寒い日々が続くのが常だった。

しかし、そんな極寒の地の王国にもかかわらずに食糧不足に陥り苦労したということはまったくなかった。

この国は『特別』を持っていたのだから。

 

 ずっとずっと昔。それはもう、気が遠くなるほど昔。

この世界には七頭の竜がいた。

人々は世界を創り出した竜を崇め、奉っていた。

 だが、文明を発展させていくにつれて人間は竜の存在を否定し始めた。

竜を崇めることに嫌気がさしだしたのだ。

人間は竜を害をなす者とみなして駆逐していった。

炎を司る竜、風を司る竜、地を司る竜――次々と仲間が消えていく中

遂に水を司る竜にも刃がつきたてられた。


 人々が勝利に酔いしれていると、ぱきりと何がが割れるような音がして。

滝にうたれる岩だと思っていた物体がぱっくりと割れ、中から小さな小さな蒼い竜が出てくる。

「ガキがいやがったのか!」

「殺せ!!」

剣を振り上げたそのとき。

「待て」

赤い髪の男が、金色の瞳で剣を振り上げた男をにらみ、

制止する。

「しかし(おさ)……っ」

「害をなしたのは親だ。こやつは何も悪うない」

竜をそっと抱き上げ、頭をなでる。

「この竜が成長したら脅威となるかもしれませんよ」

「しかし、竜の力をみたであろう?あの水を操る力を。

 これを手に入れ、制御できたならば我が一族の繁栄は確実だ」

  

 水竜の子は王国の地下へ幽閉され、

王国の水の管理――すなわち水の浄化及び合成を担うようになる。

竜の幽閉に伴い、この国には新たな役職が確立された。

孤独な竜の為に歌い、命尽きるまで支える娘。

それがのちの『水竜の巫女』である。


                        【神竜伝説(グリモワール)(アクア)より抜粋】



【用語集】


◇フィルネージュ王国……北の大国。

            ロシアとかフランスとかみたいな国です。

◆七頭の竜……この世界をつくったとされている存在。

       通称「神竜」と呼ばれている。

       火竜、水竜、地竜、風竜、雷竜、氷竜、夢幻竜の七つ。

◇赤い髪の男……のちの初代フィルネージュ王国の国王となる。

        金色の目が代々王の証として受け継がれていくことに。


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