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その62
さて、みなさん。
ようやくクライマックスです。
俺とおっぱいのくだらない戦いはすぐに忘れて、俺の逆上がりに集中してくれ。
では、どうぞ~。
「あれ? ここは……」
俺は自分が今置かれている状況が理解できず、キョトンとした。
「神原!! 頼むぞ」
「逆上がり、成功させろよ!!」
「まってたぞ!!」
目の前には鉄棒。
周りにはすでに熱を帯びた群衆がいた。
「えぇーっと……」
俺はまだ、状況が整理できていなかった。
おっぱいの残像ばかりが脳裏にちらつく。
「おらぁ!! さっさと逆上がりせんかい!!!」
俺のふしだらな顔つきに対して怒ったのか、ジェシカがとてもイカツイ顔で俺の背中を蹴飛ばした。
「うわっと!!」
俺は前方によろめき、思わず目の前にあった鉄の棒に手をかけた。
「いいぞ!!」
「神原がんばれ!!」
「どうせ無理だろ!! このデブ!!」
もう、ここまで来たら腹をくくるしかない。
よし! やってやる!! 俺は汗ばむ手に力を込めた。