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その57
その日の修行は、地獄だった。
俺はてっきり、おっぱいに慣れるような、ムフフな修行をするのだと思っていた。
けど、逆だった。
目の前に、いるのは、30人くらいの、屈強な裸体の男達。
小麦色の、マッスルバディー。
飛び散る汗。
黒光りする肌に、浮かび上がる白い歯。
ピッチピチの三角パンティー。
「ふん!ふん!」と鼻から漏れる息。
室松さん曰く、「おっぱいに負けそうなとき、この大胸筋を思い出せ!!」とのことだ。
部屋は、締め切られていて、男汗の臭いが、部屋に充満していた。
それはもう、それはもう……
「今日の修行はここまで。皆さん、明日の修行に備えて今日はもう寝ましょう」
その言葉を聞いてすぐ、俺は気を失った。
高志は修行の途中ですでに気を失っていた。
高橋先生は途中で逃げだしていた。