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その44
「ジェシカ!大丈夫がぁ!!」
数十メートル先でジェシカが転んだ。
ポッキーの様に細長い華奢な足が折れてしまったのではないかというくらいに、何もないところで派手に転び、イチゴ柄のパンツを御開帳した。
正直、その一連の動作を見た俺は、始めてジェシカをかわいらしいと思った。
「くんなよ!! それ以上近づいたらぶっ殺すぞ!! このチビデブ!!」
……なんと表現したら良いのだろう? 笑うのか、泣くのか、怒るのか、悲しむのか、あきれるのか、おどけるのか、とぼけるのか、無理するのか、楽しむのか……このあとどんな表情にでも変わりそうなつかみ所のない、それでいて今にも爆発しそうな表情をジェシカはしていた。