部活動8 彼と彼女…とあの子?
部室に突然訪ねてきた少女は制服の胸ポケットから写真を取り出し、
「この男子を調べてください」
彼女はそう言った。
何がなんだかさっぱりで私と先輩は首を傾げる。
「この人を捜しているの?」
「はい」
嫌がらせをするつもりではないが、念のため写真に写っている男子の方を指差してもう一度聞いてみた。
「この人?」
「はい」
続けて天野先輩も彼女に質問をした。
「この写真はどうしたの?いつのやつかな?」
「一週間前のもので、それは私が撮りました」
それは彼女自身が撮ったものでかつその写真の男子を捜している……。
「はっ!!」っと私は考えた。それは、彼女はストーカーではないかということだ。そんな人の手伝いをするのは非常にマズイ。
たとえ彼女のようなおとなしくてカワイイ子であっても……。
「ちちちょっとあなた!いくらその子が好きだからってやって良い事と悪い事があるわ!」
「え!?」と彼女は驚いた。
「どういう関係かは知らないけど、こんなことをするなんてプライバシーというか著作権の侵害よ!」
「いや白井さん、最後のはちょっと違うと思うんだけど……」
天野先輩は顔色変えずに冷静なツッコミをいれた。
私はさっきの間違えに気づくとカァっと一気に頭の温度が急上昇しだした。
「う、うるさーい!!」
それでも私は言いたいことを彼女に言い続けた。何としてでも悪の塊が育つ前に彼女を魔の手から救い出さないと…。
すると、彼女は口を出した。
「あ、あの……どうして私が彼が好きなことを知ってるのですか?」
「え?」
暴走状態だった私を彼女の一言で正気を取り戻した。
よく見ると、今度は彼女の顔が真っ赤になっていた。
「それと、先程言っていた『やって良い事と悪い事がある』と……」
「あーーー!!」
両手で耳を素早く叩いて、まるで小学生のような行動をして誤魔化した。
あぁ、恥ずかしゃしない。
いや待てき彼女は『どうして私が彼が好きなことを知ってるの?』と言っていた。まさか半分当たっていたということなのか。
「ま、まぁ……これは『探偵の感』ってやつかな」と気取ってみた。
「それはすごいですね!」
彼女はとても頼りになるなとそんな眼差しをしているかのように私の前で見せた。
さて、お遊びはその辺にして本題に入った。
それから彼女は写真に写っている彼氏(?)について話してくれた。
彼の名前は岩谷 涼太と依頼人の里中奈緒子。
二人は幼馴染で幼稚園の時から一緒でずっと仲良しでよくお互いの家に遊びに行っていた。中学校では横に並ぶと回りの人たちからはカップルと勘違いされたそうだ。
そんな仲の良い二人であったが、里中さんはある光景を目の当たりにした。
この学校に入って間もない頃、里中さんは岩谷がいるクラスに顔を出しに行こうとした時だ。里中さんはB組で岩谷はC組だった。
教室の入口から岩谷に声をかけようとしたが、教室から誰かが出てくる。
そう、岩谷だ。高校もまた一緒だと思うと里中さんの心の中は嬉しさでいっぱいだ。さっきは失敗したが今度こそと思ったら、岩谷の隣にもう一人いた。
あれは……女!?
里中さんより少し背は高いし、キレイな子だ。しかも岩谷と話しをしていた。
入学早々なんてものを見てしまったんだ……とそう思った里中さんは声をかけるのをやめて自分のクラスへ急ぎ足で戻る。
その瞬間岩谷は振り向いた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
何事もなかったような振る舞いをして、二人で一緒に廊下を歩いた。
里中さんはゆっくりとクラス編成で決まった席に座る。里中さんは明るい顔でクラスメートに接するが、その反面実は悲しんでいる。昔から好きだった岩谷が他の子に取られたと思うと涙を出したいくらいだ。
ずっとその状態が続き、昼休憩、4限、5限、そしてHRが終わり気付けばもう放課後だった。
「今日の授業全然頭に入らなかったなぁ。昼ご飯食べなかったからかな」と一人で呟きながら、寂しく下校していた。
里中さんは岩谷と他の子と一緒に歩いていた場面が頭から離れらなかった。
あの子は一体誰なの?お互い初対面のはずなのに、なんだか楽しそうに話してたなぁ。
「はっ!!」と里中さんは思わず大きい声を上げた。
もしかして彼女は涼くんの幼馴染では…。まさか私の他に幼馴染がいたとは、思ってもみなかった。
それは私の情報にはない。
彼女は一体何者なのだ…。
そして里中さんは思った。彼女を調べたいと…。
どうも、みなさんこんにちわ!ゴキポンです!!
いやぁあっという間に7月。今年も夏い夏が来ましたね(f´∀`;)
ついに完成した第8話ですが、見通したらなんかスイーツが一つも出てなかったですね…;
これじゃタイトル詐欺になっちゃいますねw
スイーツファンの男女のみなさん、大変申し訳ございません
m(_ _)m
次回作は入れる予定なので、お楽しみくださいませ。