金木犀
金木犀の花弁が散る
ひらひら
はらりはらはら
ひとつひとつの花弁は小さくとも
積もり落ちれば
橙色の絨毯となる
金木犀の精霊は夢見る
小さな鈴なりの花は
あの方を呼ぶ為に咲いているのだから
薫りかぐわしき花の
真なる意味
あの方との秘めたる恋
人ならざる精霊と殿方との恋
嗚呼、今宵も
この木の下に
あの方は来てくださるかしら
涼しくなってきて
寂しさに花弁は落ちるばかりなのです
嗚呼、あの方との逢瀬を夢見て
今宵も月の明かりの下
じっと私は待ちます
金木犀の花
精霊の私の儚い命
あの方を夢見て
咲いております
お読みくださり、本当にありがとうございました。